多くのゴルファーは、上手くアプローチができれば、もう少し良いスコアで回れたのにと思い返すことはあるものです。
それが分かってはいるものの、練習場ではドライバーを打っていることが多いのではないでしょうか。
そこでスコアアップのために簡単にアプローチが上手くなる、2通りのウェッジの打ち方を紹介します。
ウェッジの打ち方を覚える前にアプローチの基本を知る
アプローチの時のウェッジの打ち方は、ボールの置かれている状況に合わせて変わるため、2つの打ち方を覚えておくと応用して多彩なアプローチができるようになります。
最初に基本的なアプローチの打ち方を確認しましょう。
一般的にアプローチとは、100ヤード以内でピンを狙えるショットのことを言います。
個人差にもよりますが、ピッチングウェッジはおよそ100ヤード、アプローチウェッジは85ヤード、サンドウェッジが70ヤード、ロブウェッジが40~60ヤードがフルショットの距離です。
ただしアプローチは1ヤード単位、もしくは1インチ単位でピンを狙うために、ボールをコントロールできるハーフショットが基本のスイングになります。
ハーフスイングで距離が足りなければ番手を上げて、距離を合わせるようにしましょう。
つまりアプローチでウェッジ練習する時の基本は、ハーフスイングと言うことになります。
ウェッジを使ったアプローチの打ち方はハーフスイングが基本
ウェッジを使ってアプローチする時は、ハーフスイングか、もしくはそれよりも小さなスイングアークになります。
この時、気をつけなければならないのが「手打ち」です。
身体を動かさずに腕だけクラブを振る打ち方を手打ちと言いますが、スイングが小さくなっても身体を使ったほうがインパクトでのミスは少なくなります。
そこでハーフスイングを練習するためには、先にフルショットのスイングを身体に覚えさせる必要があります。
この大きなスイングによって、ハーフスイングのグリップの位置や、身体の使い方を確認することができるのです。
この身体を使った打ち方とは、スイングで身体の正面の向きが変わるということです。
両肩は飛球線に対して平行なのに腕だけが右側に動いても、それは身体を使ったスイングにはなりません。
だからと言って、下半身を落として腰を4分の1回し、左肩を90度回すスイングが必要かというと、そうではありません。
オーバーアクションをとらずに、距離に合わせた捻転ができれば十分です。
アプローチでウェッジの打ち方を左右するボールの位置
身体を使ったアプローチのイメージは、身体の中心でグリップを握り、両肘で身体を挟み、その状態を崩さないスイングです。
身体の軸を中心に回転するため、スイングにブレはなくなり、タイミングさえ合えば正しいインパクトができます。
もちろん本当のアプローチではこの打ち方はしません。
ただ、この打ち方に近いのが、あの有名なジャイロスイングです。
コマのように回転するだけでミスはなくなり、正しいインパクトができると教えているのが、多くのジュニアを育てた坂田塾の坂田プロです。
確かにタイミングさえ飲み込むことができたら、ジャイロスイングが安全な打ち方であることは間違いありません。
ここではこの身体の正面で打つイメージを大事にして、スタンダードなアプローチの打ち方で進めていきます。
ウェッジを構える時、スタンスの幅はこぶし1個分を空けます。
わずかに左足のつま先を開いて、ボールを左足のつま先から踵の間に置きます。
あとは体重を左足に乗せれば、基本の姿勢は完成です。
実践で良くあるウェッジを使ったアプローチの打ち方
10ヤードから20ヤードのショートアプローチの場合、フワッと上げるピッチショットと、パッティングのように転がすチップショットが選択肢にあります。
どちらもウェッジを使いますが、打ち方が少し違ってきます。
基本の姿勢は同じですが、ピッチショットはグリップエンドを少し空けて短めに握ります。
そしてロフト角を変えずに振り子のようにヘッドを引き上げて、そのまま開放すると同じ軌道でインパクトができるでしょう。
ランを意識せずに、ピッチ(空中)でピンの手前まで運ぶようにすれば、グリーンの傾斜や芝目の気にせずに攻めることができます。
また軽いラフからでも、同じスイングで正確なショットができますし、バンカー越えなどのアプローチの時にも使えます。
実践では多くの場面で使い勝手の良いアプローチ法なので、まずはこの打ち方を覚えるようにしましょう。
ピッチショットで気をつけることは、フワッと上げようとしてトップしてしまうことです。
ロフト角以上にフェースを開き、右手主導ですくい打ちになるため、リーディングエッジがボールに当たってしまうわけです。
そうならないためにも、レベルブローでロフト角に合わせてインパクトすることが大切です。
確実なアプローチ法は振り子の打ち方でウェッジを振る
そして、もう1つのアプローチ法がチップショットです。
ウェッジを使ってパッティングのようにボールを転がしますが、打ち方はパターの時とは違います。
基本姿勢は同じですが、ボールは右足つま先の前に置きます。
ハンドファーストを意識して、アドレスのあとテークバックからインパクトまで、左手甲がヘッドよりも先行します。
これは左腕を振り子のように動かすイメージですが、ヘッドの動きは時計の針で考えたほうが良いかもしれません。
左肩を時計の中心軸にして、左腕を時計の針に見立てます。
ボールの位置を6時にした時、5時から7時までのスイングでインパクトします。
この時フェースの芯でしっかり捉えていることを確認してください。
正しいインパクトができるようになれば、振り幅を4時から8時までに広げ、最終的に3時から9時までのスイングでも芯で捉えることができるようにしてください。
気をつけなければならないのはインパクトでダフることです。
ハンドファーストによってフェースが立った状態になり、ボールの手前でリーディングエッジが入ると、芝にめり込んでしまいます。
練習場ではシュっと音が出るようなスイングを繰り返すようにしましょう。
ウェッジを使った2つのアプローチともう1つの安全な打ち方
まずはチップショットの名手になることです。
グリーン周りから転がすチップインは、まさに攻めのアプローチです。
ピッチングウェッジだけではなく、8番アイアンや9番アイアンを使って、カップを狙える打ち方ができればスコアアップが期待できます。
またピッチングウェッジを手首(コック)を柔らかく使うと、ピッチの距離とランの距離が等分になるピッチエンドランも打てるようになります。
次にピッチショットを覚えましょう。
ピッチショットはラフからも打てるので使用範囲が広くなり、実践的なアプローチ法です。
また基本的にピッチショットができれば、プロのアプローチで良く見るロブショットも同じ打ち方でできるようになります。
そんなロブショットは、専用のロブウェッジを使ってフェースを開き、ピッチショットの打ち方をするだけで、あの高く上がるボールを打つことができます。
このほかに7番アイアンか8番アイアンを短く握って、パッティングスタイルでヘッドを動かすだけで、カップを狙うことができます。
距離感さえ分かれば、練習した日から実践で使える安全・安心な打ち方です。
難しいウェッジや打ち方をせずに簡単なアプローチをしよう
「カップを狙う」アプローチ法を紹介しましたが、アプローチの基本はピンそばに寄せることです。
狙うとミスに繋がりますが、アプローチで絶対に避けたいのはミスショットです。
難しいウェッジを使ったり、難しい打ち方をするとリスクは高まるので、極力簡単にインパクトできるものから得意になりましょう。