ゴルフには「パット・イズ・マネー」という言葉があります。
これはパッティングを制することの重要性を説いたものですが、パターが上手くなるには、グリーンを知ることが重要です。
そこでグリーン芝の成育過程と芝目の読み方について紹介していきます。
ゴルフ場の芝目の読み方を知るための事前の知識
気温が上がってくると、ゴルフ場の芝は成長していきます。
気温が低い春先は、肥料枯れしないように液肥で栄養を与えていたのに、気温が高くなり芝が成長してくると、粒剤を撒いて深緑の絨毯へとグレードアップさせていきます。
コースを管理する場合は、気温や雨の量などをデータ化し、効果的な施肥や薬剤の散布を行います。
撒いた肥料が芝草の根に吸収されると、成長度合いが早くなり、「強い芝」ができてきます。
この強い芝を作ることで、この先の暑い夏を乗り越えていくわけですが、夏が過ぎれば、また施肥などのメンテナンスを受けて越冬に備えます。
1つのグリーンに対してスポットを当ててみましたが、シーズンを通して同じコンディションになっていることはありません。
生き物である芝は常に変化しているので、昨日は速くても今日は遅いと言ったことは良くあることです。
そんな芝の変化を知るためには、芝目の読み方を知ることです。
芝目の読み方が分かれば、転がりの速さや曲がりなどを予測することができます。
ゴルフの芝を知ってから芝目の読み方を覚えよう
最初に、ゴルフ場の芝について確認しましょう。
芝生は根から伸びていて、葉先をほぼ毎日カットしています。
最盛期には1日で5ミリ以上伸びるので、朝のグリーン刈りの葉高が4ミリでも、夕方には1センチ近くになっていることがあります。
また葉の伸びる方向は、真上ではありません。
芝の葉先は水源に向くので、谷側や大きな池、かなり離れた河川などに向けて伸びていきます。
ゴルフ場の芝は人工的に施工されているので、グリーン下の土は砂の割合を増やして水はけを良くしています。
この水はけの良さは、そのまま乾燥にも繋がるため、水不足になると葉幅が細くなり、腰の弱い芝になります。
これを芝目で見ると、芝が伸びていると地面から斜めに生えていることが分かります。
また水不足で葉先が細くなると、ボールは沈んだ状態になるので、芝目の影響を受ける可能性は少なくなり、芝目の読み方を心配する必要はなくなります。
基本的に、芝目をしっかり読みこむ必要なのは「元気な芝」の時期です。
ゴルフ場では芝目の読み方を知らないとカップに入らない?
ゴルフコースに出て、芝目を読めるようになるには経験が必要です。
少なくとも春・夏・秋それぞれの芝の状態を見たことがあれば、時々の芝の強さは想像がつくのではないでしょうか。
強い芝の時はブレーキがかかり、芝目によって曲がることがありますし、弱い芝の時は傾斜に合わせたパッティングラインの読み方が必要です。
その上で、芝目を読む意味について考えてみましょう。
平らな板の上でボールを打つと、その強さの分だけ転がります。
右からの斜面で打つと、斜面なりにフックラインで転がります。
ところがグリーンでは、芝目がボールの転がりに影響を与えます。
平らなグリーンであっても順目であれば、打った強さ以上に転がりますし、逆目であればショートします。
右からの斜面であっても、芝目が右方向に伸びていればスライスラインで転がることもあります。
つまり芝目の読み方を知らないでカップを狙っても、入らない可能性があると言うことです。
芝目の読み方はゴルフ場の練習グリーンで分かる
ではグリーンの芝目の読み方について確認しましょう。
一般的にゴルフ場のスタートホール周辺には、練習グリーンがあります。
まずはこの練習グリーンで、そのゴルフ場の芝目と転がり具合を確認しましょう。
これからスタートという時に、パッティングの練習をしても上達することはないはずです。
そのためここでは当日のグリーンのタッチ、つまり転がり具合をみることが大切です。
タッチの確認にはボールを2個用意します。
練習グリーンの中心に向けて最初の1個を打ちます。
この時パターヘッドの振り幅を一定にするため、テークバックするヘッドは右足のつま先までに止めておきましょう。
仮に1個目のボールがターゲットよりも左側で止まった場合、その分だけ右方向に仮想のターゲットを置いて、2個目のボールをパッティングします。
このボール2個を使ったパッティングを、練習グリーンの四方からそれぞれ試してみます。
同じ強さのパッティングでも、順目であれば距離は出ていますし、逆目であればショートします。
練習グリーンは基本的にフラットの面で作られていますので、ボールの曲がり具合でその芝の強さが分かるはずです。
ゴルフコースでの芝目の読み方は360度見渡すこと!
ゴルフコースでは、スタート前の練習グリーンで、「今日の芝目の強さ」を確認します。
練習グリーンと18ホールの芝目の強さや速さは、基本的に均一なのでスタート前に練習グリーンで確かめてみましょう。
芝目が分かったら、次に芝目の流れがどこのホールにいても分かるようにします。
遠方を見て大きな山や河川など、どこから見てもチェックできるものを探し、もしも適当なものがなければ、太陽の位置から東西南北で芝生の流れを確認できるようにします。
ただし実際にコースに出ると、目の錯覚などで方向音痴になってしまうことが多々あります。
そんな時は、グリーン面を見る芝目の読み方を知っておくと良いでしょう。
それは芝目の光の反射で判別する方法です。
自分の立つ位置と反対側に流れていく順目は、光が当たると白く光って見えます。
一方で自分のほうに流れてくる逆目は、深緑で光による反射はありません。
グリーンを一周するまでもなく、カップのそばまで行って、グリーン面を360度眺めれば、すぐに芝目を知ることができます。
ゴルフ場には2種類の芝があり芝目の読み方は変わる
ゴルフ場のグリーン芝にはいくつかの種類があります。
代表的なのは柔らかいベント芝と硬い高麗芝です。
柔らかい芝の読み方は、地面の傾斜でパッティングラインを想定しますし、硬い芝は芝目を重視してラインを出します。
ただし、それぞれが品種改良されているので、ベントであっても芝目のきついタイプや高麗でも柔らかい芝はあります。
日本全体で見ると、関東以南は高麗とベントの2グリーン、関東以北はベントの1グリーンが多いようです。
高麗の芝目は、「ハウスキャディでなければ読みきれない」と言われるほど読み方が難しく、またホールによって芝目の強さに違いがあります。
左下がりの傾斜でも、芝目が右を向いていたら斜面を登っていくこともあるほどです。
一方でほぼ芝目の強さを感じずに、転がるグリーンもあるのが高麗芝の特徴です。
ベントの芝面は大きな川や池が近くにある山岳コースであれば、芝目の強い場合はありますが、基本的に芝目を出さないようにするのが、ベント芝の管理技術への評価となります。
ラウンド日の使用グリーンが高麗であれば、グリーン手前からのアプローチでピンそばに付けたほうがスコアはまとめやすいかもしれません。
ゴルフ場のグリーンは芝目の読み方と成育過程を知る事が大事
ゴルフのスコアメイキングでは、パッティングの回数が重要になります。
その回数を減らすためには、芝目の読み方や傾斜の見方を知る必要があります。
またゴルフ場の芝の成育過程を知っておくと、芝の強さも知ることができ、パッティングラインを決める時に役に立つことでしょう。