冬になるとスコアが悪くなると思っている人いませんか?
その原因は、寒さやスイングの問題ではありません。
実はゴルフ場の芝の状態が関係していることもあるのです。
冬でもスコアを落とさないために、冬芝でのアプローチを徹底攻略しましょう。
ゴルフ場の芝
冬芝について話す前に、まずはゴルフ場で使用される芝についてお話をします。
芝は、日本芝と洋芝の2種類に分かれます。
そして日本芝は、野芝・高麗芝・姫高麗芝の3種類あります。
多くのゴルフ場のフェアウェイは高麗芝や姫高麗芝が使われています。
そしてグリーンの芝は、洋芝のベントグリーンが使われています。
まず日本芝は暑さに強く夏に良く成長し、冬は枯れて茶色になります。
そして葉が硬く、ホフク茎が伸びて増殖していくのが特徴です。
また洋芝は、暑さが苦手で夏にダメになってしまうことが多いです。
ですから夏にグリーンの状態が悪くなるゴルフ場は少なくありません。
しかし冬でも青々としています。
葉は軟く、種で増殖していきます。
ですから冬のゴルフ場は、全体的に芝が枯れて茶色になっているのに、グリーンだけが青々としているのです。
ゴルフ場によって冬でもフェアウェイの芝が青々しているところがあります。
その理由として洋芝を使っていることもありますが、実はきれいに見せるために色づけしているゴルフ場もあるのです。
このように冬に青々しているからとベント芝だとは限りません。
ゴルファーが冬芝に悩まされるのは
先に話したように日本のほとんどのゴルフ場は、暖地型芝草の高麗芝や姫高麗芝を使っています。
ここから日本芝について少し詳しく話していきます。
日本芝は3~4月に新芽を出し、6~8月に成長します。
夏芝が強いと言われるのは、日本芝がこのように夏に一番成長するからです。
そして11~12月に休眠期に入り、芝は枯れます。
冬のゴルフ場は、フェアウェイやラフが茶色く枯葉色になります。
しかし年間を通して気温が高い沖縄県では、芝がそのような状態になることはありません。
では冬芝はなせゴルファーを悩ませるのでしょう。
先に話したように、日本芝は冬に入ると枯れて弱くなります。
それでもゴルフ場は芝を刈るので、短い芝の中に砂や土が混ざり込みます。
夏芝は元気なので、芝にボールが乗り、地面とボールとの間に隙間があります。
ですから多少ダフっても滑ってくれるのでミスショットになりません。
しかし冬芝は地面とボールとの間に隙間がないので、インパクトでボールをしっかりと捉えないとダフリやトップ、チョロになってしまいます。
ですから日頃からダフリ気味の人は、冬芝になるとミスショットが増えてしまうのです。
冬芝アプローチ対策①
冬になると夏の倍くらいアプローチが難しくなります。
難しくなる原因は先ほど説明しましたが、アプローチとなると特にダフりやトップのミスが増えます。
そのための対策を紹介しましょう。
まずアプローチとしては意外かもしれませんが、FWやUTを使う方法です。
ツアー等を見ていると状況によってプロゴルファーも結構使っています。
ご存知の通り、FWやUTはソール幅があるのでヘッドが滑りやすいです。
ですからダフりやすい冬芝でも簡単にボールを拾えます。
使える状況としては、グリーンエッジや花道からのアプローチです。
ウェッジを使った上げるアプローチではなく、手前から転がしてピンに寄せたいランニングアプローチをする際に使ってください。
アプローチの仕方は、クラブを短く持ち、コンパクトなスイングをするだけです。
飛距離の目安は、振り幅:距離が1:9くらいです。
冬芝は夏に比べ転がりが良いので、ランの距離を少し長めに見積もって打つと良いでしょう。
最初は距離感を掴むのが難しいので、練習場でしっかりと距離感を掴んでおいてください。
ウェッジとは転がり等が全く違うので気をつけてください。
冬芝アプローチ対策②
とにかく冬芝は短く弱いので固い地面から打つような状態です。
FWやUTを使って転がすのも良いですが、高く上げて寄せたい状況もラウンドしていたら当然あります。
そのような場合はSWのバウンスを上手に使うと良いでしょう。
バンカーショットの際のようにフェースを全開にしてバウンスを使います。
ボールの下にヘッドを滑り込ませ、冬芝の上からフワッとしたショットでピンに寄せることができます。
このショットでのポイントは、アドレスでオープンフェースにする際は、少し開き過ぎかなと感じるくらい開いて構えます。
フェースを開くとロフト角が大きくなるので、ボールを遠くへ飛ばしにくくなるからです。
ですから距離を出したい場合は、通常のアプローチよりも振り幅を大きくしてください。
これは冬芝の対策にはなりますが、SWを開いてバウンスを上手く使うアプローチは上級者向けのショットになります。
初心者ゴルファーやアプローチを苦手としている人は、まずは基本のアプローチをしっかりと打てるようになってから挑戦すると良いでしょう。
冬芝アプローチ対策③
ピンまで下りラインの場合の冬芝対策を紹介します。
冬芝に限らず、ピンまで下りラインのアプローチは相当神経を使います。
強めに入るとどのくらいボールが転がっていくか分からないからです。
特に冬芝は薄いのでヘッドが強く、鋭角に入ってしまいやすいです。
そうなると予想以上にボールの勢いがついてしまい、グリーンに残ればまだ良いですが、グリーンから出てしまうことさえあります。
そんな時は、敢えて芯を外してアプローチをしましょう。
芯を外すとスライス回転が掛かります。
すると落下してからランが出にくい低弾道のアプローチを打つことができます。
打ち方は、ヒールを浮かせて構え、グリップは体の中心で握ってください。
そしてトゥ側で軽く打ってください。
ポイントは打ち出しが右に出やすいので、フェースを左に向けて構えるようにすることです。
ゴルフの基本は芯を捉えることなのですが、時にはこのようにヘッドを使う場合もあります。
面白いことに、芯を捉えたい時は外れ、芯を外したい時は捉えてしまいます。
ですからこのアプローチも練習場でしっかりと練習し、コツや距離感を掴んでからラウンドで使うようにしてください。
芝管理をサポートするのがゴルフマンシップ
冬芝でのアプローチ対策についてお話しました。
合わせて芝について少し学んでもらったので、ここで芝管理についてもお話しましょう。
芝の種類がいろいろある上に、あの広いゴルフ場全体の芝を管理するのはとても大変です。
洋芝は、クラブで芝を削ると草履のようなターフがごっそり取れます。
ですからそれを削れた場所に戻せば良いだけです。
しかし日本芝は、クラブで芝を削るとターフは粉々になってしまいます。
そうして粉々になったものを元に戻すのは不可能ですよね。
そのためにカートには必ず目土袋が付いているのです。
ですから芝を削ってできたディボットに砂を入れてください。
日本芝はホフク茎で増殖するので、周りの芝が砂の中に茎を伸ばしていきます。
すると目土したところに芝が育ってくるのです。
しかしディボットをそのままにしていると、芝も育たないですし、そこに打ったボールが入ってしまうとショットにも影響します。
次の人のことを考えてプレーすることはゴルファーにとって大切なことです。
冬芝攻略は基本コロコロと覚えよう!
ゴルフ場の芝について、冬芝について、そして冬芝対策について話しました。
夏に比べ冬は、芝だけでなく様々なシチュエーションが難しいです。
池越えやバンカー越えなど絶対的に上げなければならない場合を除き、基本転がすアプローチをしましょう。
地面の固い冬に高度な技術は必要ありません。
そう考えると冬芝の攻略は、意外と簡単なのかもしれませんね。