スライスを矯正する前にアイアンのスイングを見直してみよう

最終更新日:2018/04/30

プレー中に突然スライスが出だすと、正確なショットが打てずにスコアが乱れてしまいます。

その原因が分かればワンポイントで矯正できますが、いくつもの原因が重なっているようならその日のラウンドは諦めて、後日基本のスイングを覚えたほうが良いかもしれません。

今回は正確なショットが必要なアイアンのワンポイント修正法にについて紹介します。

スライス矯正は基本のアイアンショットに戻した方が早い?

ターゲットをピンポイントに攻めたいゴルファーにとって、アイアンショットがスライスしてしまうのは厄介な悪癖と言えます。

誰しもアイアンは真っ直ぐに打ち出したいところです。

アイアンショットがスライスするのは、スタンスとグリップそしてスイングと、原因が多岐にわたるため、見つけることが難しいものです。

しかも原因が1つとは限りません。

スタンスとグリップの握り方に原因があり、さらにカットスイングになっていたら、すべてを矯正するには相当の努力が必要になります。

もしもスライスする原因が複数あれば、1つ1つを矯正するよりも、一旦すべてをリセットして基本の形に戻したほうが早いかもしれません。

一般的に矯正とは、欠点を正しい状態に変えることです。

そう考えると、正しいショットに戻すことがもっとも簡単な方法と言えるのではないでしょうか。

ただ、一度身につけたスイングをゼロに戻すことも難しいことと言われています。

そこで最初は、ワンポイント矯正で試してみて、それでもダメなようなら基本のスイングであるインサイドインにしてみてはいかがでしょうか。

スライス矯正はスクエアスタンスでアイアンを構えから始める

まずは、正常なスタンスに戻しましょう。

アイアンでスイングしてスライスするとしたら、スタンスがオープンになっているかもしれません。

オープンスタンスとは、両足のつま先を揃えて足を開き、左足だけを踵側に移動する場合と、左足のつま先をターゲット側に開く場合があります。

右足の前にボールを置いてショートアイアンでアプローチする場合は、左足を意識的に下げてオープンスタンスにします。

飛球線に対してスイングできていれば問題ありませんが、オープンスタンスによって身体の正面がターゲット側に向いてしまい、左肩が開いています。

この左側を向く姿勢をとると、どんな人でもスライスカットしてしまい、ストレートボールを打つことが難しくなります。

また左足のつま先がターゲットの方に向いていても、オープンスタンスと同じようにスライスします。

つま先が飛球線に対して平行であれば、身体の左半分はフィニッシュの姿勢をとっているからです。

身体の硬いゴルファーやお腹周りの肉が邪魔なゴルファーに多いスイング姿勢ですが、これも同じように左側が開いてカット打ちになっています。

矯正するには、自宅の敷居など段差のあるところで、違和感なくスクエアスタンスを取れるようにしてみてください。

矯正したグリップがアイアンをスライスさせる原因?

次にグリップの握りと構え方を正常にしましょう。

アイアンショットがスライスしはじめると、スライスしないようにとフックグリップにするゴルファーがいます。

確かにフックグリップで握ればフックボールが出るので、スライスを防ぐことはできるはずです。

また同じように、グリップの位置をハンドファーストで構えるとスライスが直ると考え、左足腿の内側辺りでグリップを構える人がいます。

ハンドファーストはスライス防止のために、構えた時点でフェースを左側に向けている状態です。

ハンドファーストでフェース面がターゲットに面しているとしたら、そのままの握りでグリップを身体の正面に移動させます。

そうするとフェース面は左側を向いているはずです。

これには2つの考え方があります。

インパクトでのグリップはハンドファーストの位置にあると言うものと、インパクトでヘッドが遅れて入るためフェースが開いているため事前に閉じておくと言うものです。

どちらにしても、スライスが出ているとしたら、期待するほどの効果はないので、その矯正法は一旦やめて、スクエアグリップで構えるようにしましょう。

バックスイングを矯正してアイアンのスライスを直す

スタンスとグリップがスクエアになれば、仮にスライスしていても原因は簡単に見つけることができます。

ここからはスイングを確認します。

まずはアイアンショットのバックスイングを正常に戻します。

バックスイングで捻転を意識して左肩を回すと、左肩が沈んでしまうことがあります。

左肩が沈んだ状態でダウンスイングすると、今度は左肩が元の位置に戻ろうと上に移動するため、右肩が沈むことになります。

インパクトの瞬間は右肩が沈み、もしかすると右耳が地面のほうを向いているかもしれません。

この状態だと、身体は「くの字」に曲がり、アドレスの時の正しい姿勢をとれていません。

この左肩が沈む原因は左肩の捻転にあります。

左肩を回す意識はありますが、相対する右肩が回っていないことから、肩をすぼめて背中を丸めた状態になっているのではないでしょうか。

これを矯正するには右肩を後ろに引くことです。

バックスイングの始動で右肩を後ろに引くと、自然に左肩は回りますし、両肩のレベルが傾くこともありません。

アイアンがスライスする時はトップでのグリップを矯正する

バックスイングが矯正できれば、後はアイアンを引いた通りに振り下ろすだけで、正しいスイングはできるはずです。

もし、それでもスライスするようなら、オーバースイングもしくはクロスシャフトになっているかもしれません。

バックスイングでトップの位置まで引き上げた時、シャフトが地面と平行であれば、オーバースイングです。

もちろんヘッドが左視線に入るようであれば、超がつくオーバースイングになっているでしょう。

オーバースイングは左手の小指の握りが緩み、または手首が甲側に折れていることで起こっています。

トップの位置からダウンスイングに入る時、このオーバースイングが原因でヘッドが遅れてしまい、グリップ先行のスイングになります。

ヘッドの遅れでフェースは開き、スライスカットのスイングになってしまいます。

同じようにトップの位置で、ヘッドがターゲットよりも右側を指していたら、それはクロスシャフトです。

これも手首が甲側に折れたことが原因なので、始動する時にヘッドが遅れてしまいます。

そうならないようグリップエンドから指2本分空けて握り、ハーフスイングでスイングできるように練習してください。

ハーフスイングのタイミングが身体に染み込むと、無理にグリップを引き上げなくても済むようになるはずです。

アイアンがスライスする時はダウンスイングの軌道を矯正する

トップの位置が固まれば、後はバックスイングの軌跡に合わせてダウンスイングするだけです。

それでもスライスするとしたら、インパクトでカット打ちになっているかもしれません。

カット打ちとはヘッドの根元側(ヒール)が先行し、先端側(トゥ)が遅れて、フェース面が開いている状態でボールを打ち出していることです。

結果的にボールに右回転がかかるため、スライスするわけです。

このカット打ちの根本は、アウトサイドインのスイング軌道にあります。

ただでさえフェースが開いているのに、さらに飛球線よりも外側からヘッドが出て、内側に振り抜くことで、ヘッドは斜めに軌道するカット打ちとなっています。

簡単な矯正方法は、コンパクトにインサイド側に引いて、放り投げるようにアウトサイド側に振るだけです。

その時フェース面をスクエアにできると、左回転がかかりドロー系のボールを打ち出すことができます。

正しいスイングはインサイドインですが、習得するまでに時間がかかるので、とりあえずインサイドアウトでアイアンのスライスを矯正してみてはいかがでしょう。

スライスを矯正には正しいアイアンのスイングを身につける

アイアンがスライスしても、信頼できる曲がり方であれば、それは持ち球として使えます。

問題なのは予測不可能な曲がり方や、突発的なスライスです。

もしもワンポイント矯正でも不安が拭えないようなら、正しいスイングであるインサイドインに挑戦してみましょう。