シャフトを立てるスイングでスライスが直るのはなぜ?

最終更新日:2018/04/09

フォロースルーでシャフトを立てるとスライスを防ぐことができます。

ここではスライスの原因はインパクトの前の動作にあるのに、インパクト後の動作で防止できる理由と、一方で気をつけなければならないことについても紹介します。

スライス防止のシャフトを立てるスイング

スライスする原因は2通りあります。

1つ目はインパクトの時のフェースの角度が開き、カット打ちになっていること。

フェースが右横を向いてしまうために、ボールを擦るように打ってしまいます。

これはヘッドの先端が開くことで、インパクトの時にカット打ちと同じ状態になっているわけです。

2つ目はスイングそのものがカット打ちになっていること。

テークバックでトップの位置までグリップを引き上げたのに、ダウンスイングで右手が右肩よりも前に出てしまい、アウトサイドインのスイングになってしまっているのです。

スイングを上から見ると、右前方から左後方に向けてヘッドが動く、カット打ちのスイングになっています。

どちらも場合もスイングを見ると、インパクトよりも前の動作に原因があります。

その動作を改善すれば、スライスを防ぐことはできますが、もっと簡単に改善する方法があります。

それはインパクト後に、シャフトを立てるフォローの形を取るだけで、スライスが改善することができるのです。

シャフトを立てることでスライスの原因の左肘は逃げなくなる

最初にスライスの原因を紹介した通り、ボールを捉える前の動作がカット打ちになっているから横回転で打ち出すことになっているわけです。

ですからフェースの向きを直すか、もしくはスイングの軌道を変えるのが、スライス防止の常道です。

フェースの向きが開くのは、たくさんの理由があり、ゴルファーによって違います。

代表的な例では、ハンドファーストで構えているのに、ヘッドの返しができていない場合です。

グリップエンドがボールよりも左側を指してインパクトを迎えていると、フェースは開きカット打ちになります。

またアウトサイドインのスイングの場合は、左肩を回してしっかり捻転しても、ダウンスイングの始動の時に、グリップが身体よりも前に出てきます。

身体だけが先に回転してしまい、グリップが遅れて右肩が前に出るため、斜めに振り下ろすカット打ちになってしまうのです。

一度でも左肘の逃げるスイングを身につけてしまうと、なかなか元に戻すことはできません。

この悪い癖を直せるのが、フォロースルーで「シャフトを立てる」スイングなのです。

スライス防止でシャフトを立てる2つの理由とは

フォロースルーでシャフトを立てると、スライスが治まります。

本来はインパクト後の動作によって、インパクトの瞬間のフェースの向きやダウンスイングの軌道に影響を与えることはありません。

しかしシャフトを立てるフォロースルーのイメージを持っていること、また事前に練習でシャフトを立てるスイングをしたことで、身体がスライス防止のスイングを覚えてしまいます。

実際にスイングをしてみると分かるのですが、インパクト後にシャフトを立てるためには、左肘を折らなければなりません。

いわゆる「左手をたたむ」スイングができることで、左肘が外に逃げることはなくなるのです。

そしてシャフトを立てることでスライスを防止できるもう1つの要因は、フォロースルーからフィニッシュまでの姿勢が連動できることです。

フォロースルーでシャフトを立てることで、身体はターゲットのほうを向きます。

シャフトを立てることで、グリップを握る右手を前に出す必要があります。

そのためには身体の向きをターゲット側に向けて、右手の自由度を確保することになります。

インパクト後にシャフトを立てることで、左肘は外に逃げることなくインパクトを迎えて、スライスを防止できます。

シャフトを立てるとスライスする場合もある?

フォロースルーでシャフトを立てるとスライス防止になりますが、一方でダウンスイングの時にシャフトを立てるとスライスすることがあります。

強いインパクトを与えようと、ボールめがけてグリップエンドからグラブを振り下ろすと、ヘッドの返りが遅れてフェースが開き、擦るインパクトになってしまうからです。

この時の右手の角度のことをヒンジと呼びますが、インパクトではこのヒンジをアドレスの時と同じように「伸びた」状態にしなくてはなりません。

右肘が曲がった状態で、しかもヒンジがほどけていないうちに、インパクトゾーンにグリップが到達すると、残りの時間でヘッドを返すことは難しくなります。

つまりヘッドが遅れた状態でインパクトを迎えるしかないのです。

なぜシャフトを立てるダウンスイングをしてしまうのでしょう?

もちろん強いインパクトを望んでいるからですが、実際には身体の動きが硬直化しているのが理由だと考えられます。

「強く打ち込む=力み」となって、グリップを必要以上に強く握っています。

そのため手首が固まってしまい、ヒンジを解くことができなくなってしまします。

強く振ることよりもヘッドの返しを良くすることの方がボールは飛びますし、なによりもスライスを抑えて方向性も良くなるはずです。

スライス防止のシャフトを立てるスイングはシンメトリー?

ダウンスイングはシャフトを立てるとスライスしますが、ダウンスイングとフォロースルーはシンメトリー(対称)がスイングの基本と言われています。

ダウンスイングがフラットなスイングで、フォロースルーはアップライトなスイングだとアシンメトリー(非対称)になってしまいます。

そこでシャフトを立てる縦のスイングではなく、斜めにスイングするイメージを持つことにしてください。

斜めのスイングプレーンをイメージしてスイングすれば、ダウンスイングではヒンジを解きやすくなります。

またフォロースルーでは、右足のつま先をターゲット側に向けて、踵を上げるだけで身体はターゲットの方を向けます。

この時シャフトを立てる動きをとっても、スイングはすでに終わってフィニシュへの連動なので、アシンメトリーにならないはずです。

あとはスムーズにヘッドを動かすことができれば、フェースはスクエアになりインパクトで擦ることはなくなるでしょう。

スライスが出たらシャフトを立てるスイングでリセット!

シャフトを立てるスライス回避法は、あくまでも簡易的なものであって、根本的には正しいグリップの形や位置、正しいスイングプレーンを身につけることです。

正しいスイングを練習する時は、グリップエンドをお腹に付けて、シャフトの先端側を握ります。

身体の中心にグリップエンドを付けて構えると、身体が捻転しないとスイングはできません。

この時ヘッドの動きは、斜めの円盤をイメージしたスイングプレーンです。

捻転の感覚が身体に染み込んだら、あとは徐々握る位置をグリップ側に近づけて、最後にグリップを握っても同じスイングができるようにします。

これで弧を描くスイングができるようになるので、スライス防止のためにシャフトを立てるスイングをする必要はなくなるはずです。

ただし身につけたとしても、シーズン中には何度もスライスやフックは出るものです。

そんな時は、数回シャフトを立てる素振りの練習をすると、リセットできるはずです。

簡易的なスライス対策がシャフトを立てるスイング

スライスを簡易的に防止できる、シャフトを立てるスイングですが、根本的なスライス対策とは言えません。

特にアウトサイドインのスイングは、手打ちになっています。

左肩の回転不足については、シャフトを立てることで補うことはできませんので、正しいスイングを身につけるまでの対策法として試してみてください。