近いけれど難しいアプローチショット10ヤード以内の打ち方

最終更新日:2018/03/21

ゴルフのアプローチショット。

30ヤードや50ヤードの距離は上手く打てるけど、たったの10ヤードが苦手なゴルファーも多くいるようです。

10ヤードのアプローチと言えば、ほぼ間違いなくグリーン周りからなるでしょう。

近いからこそ求められる最低ラインが高く、その結果、ショートやオーバーと感じてしまうのです。

またラフやティフトン芝からになると難易度は増します。

そこで様々なシチュエーションを想定した打ち方を紹介します。

10ヤード以内のアプローチは手首を動かさず肩のストロークで

10ヤード以内のアプローチで多いのはオーバーさせてしまうことです。

そうさせないためには、手首の動きを抑えることです。

手首の動きを抑えることでインパクトの打点と入射角が安定します。

距離を出さずに方向性と距離感を安定させることができるのです。

その打ち方は、グリップをギュッと強めに握り、クラブをコンパクトに振ります。

ボールを打つと言うイメージより、ラインに押し出すイメージで打つと良いでしょう。

10ヤード以内でハーフスイングほど大きく振る人はいないでしょうが、手首を動かしてしまうと自分が思っているよりも大きな振り幅になってしまいます。

するとイメージしているポイントよりもオーバーしてしまう上に、ボールが転がると更に先に行くことになります。

折角ピンまで10ヤードの距離に近づけたのに、それ以上のロングパットを残すことになってしまいます。

また手首を使ってボールを打つと打点も安定しませんので、パッティングのように肩を使ってボールを払うように打つと良いでしょう。

手首ではなく肩でストロークするとアプローチに重要な再現性が高まります。

10ヤード以内のアプローチは下半身が大事

10ヤードのアプローチでは、オープンスタンスに構えます。

短い距離の場合、オープンスタンスに構えると狙った方向へ正確に打ちやすくなるのです。

例えば、ゴミ箱に右手で何かを投げる時にあなたは体をどの方向に向けていますか?

ほとんどの人がゴミ箱に正対するよう体を向けているでしょう。

つまりアプローチやパッティングは右手でボールを投げる感覚で行うと良いと言われています。

それは距離感もそうなのですが、方向性や転がりを知るにも良いからです。

またオープンスタンスに構えると、フォロー側にスペースができます。

するとスムーズに振りやすくなり、詰まってザックリのミスが出る人にはより効果を感じることができるはずです。

しかしオープンスタンスにしても下半身を動かしてしまったら意味がありません。

短いアプローチでは下半身を固定して動かさないようにしてください。

手首を動かさないの同様、打点が安定します。

短いアプローチは飛距離を出す必要がありませんので、下半身の動きを抑えて良いことはあっても、何かの妨げになることはありません。

ピンを大幅に超えるアプローチを防ぐには

10ヤード以内の短いアプローチで、ピンを大きくオーバーするミスを減らすにはどうすれば良いのでしょうか。

オーバーすることを恐れてランニングアプローチを避ける人がいますが、実はランニングアプローチをした方が良いのです。

しかし通常のランニングアプローチと構え方が若干違うので注意しましょう。

まずボールの近く立って、ヒールを浮かせた状態で構えてください。

ヒールを浮かせると、ソールと地面との接地面積が小さくなります。

そうなるとヘッドが突っかかりにくくなります。

またトゥが地面に当たってしまっても、フェースが開くだけなのでオーバーのミスは防げます。

このアプローチでの注意点は、アウトサイドに振り抜かないことです。

通常のランニングアプローチでは、ボールを右に置きインサイドアウトに振り抜きます。

しかし10ヤード以内の短いアプローチでは、ボールを真ん中に置いてパターのように打つので、ヘッドはシンプルに目標方向に出してください。

またシャフトは地面と垂直になるように構え、ソールを滑らすように意識します。

ただしアドレスでハンドファーストが強くなり過ぎないよう気をつけてください。

10ヤード以内のアプローチを極める練習

アプローチの練習、特に10ヤード以内の短いアプローチは、天然芝の上でするのが一番です。

そんなことは皆さん知っているのですが、それを実現させるのは現実的に難しいですよね。

そこで練習場の人工芝でもできる練習方法を紹介します。

それは「1ヤード練習」です。

50ヤードや70ヤードのアプローチが難しいと言われますが、実は短い距離ほどごまかしが効かないので、10ヤード以内のアプローチはそれ以上に難しいです。

少し緩むだけでザックリやトップのミスが出やすくなります。

何よりボールを飛ばさずに距離感を安定させるためには、インパクトが緩まないことが必須です。

しかし短い距離だと、打つ瞬間にオーバーしたくない気持ちが働いてしまい緩んでしまうことがしばしばあります。

それを防ぐには何よりも距離感に自信を持つことです。

そこでまずは1ヤードをきちんと打てるようになる練習をします。

そこから1ヤード刻みで距離を伸ばす練習をしてください。

この練習自体が非常に難しいのですが、これができるようになれば10ヤード、20ヤード、30ヤードのアプローチが簡単に感じられるようになれるでしょう。

地道な練習に飽きた時はゲーム感覚の練習を

10ヤード以内のアプローチでは確実に狙った場所にボールを落とすことが大事です。

先に紹介した1ヤード刻みの練習も距離感を養うのに適した練習になります。

ただ確かに身になる練習ではあるのですが、実は忍耐も必要な練習とも言えます。

ですから時には息抜きに別の練習を取り入れると良いでしょう。

1ヤード刻みの練習と内容は変わらないのですが、それをゲーム感覚にする練習方法です。

1打目は1ヤードを狙います。

そして2打目は1打目のボールの少し先を狙ってみましょう。

その先、その先、またその先と打ったボールの先を狙い少しずつ距離を伸ばしていくのです

50ヤードまでたくさんボールを打てたら、かなり刻めて打てたことになります。

1ヤードから始まり、50ヤードまで5球しか打てなかったら、10ヤード刻みの距離感しかないと言うことになります。

50ヤードまでいかにたくさんのボールを打てるかがゲームの目的です。

そして打ったボールよりも手前になったら、1からやり直しというルールです。

ゲーム感覚で行う練習ですが、距離感を養うのにとても良い練習なので是非挑戦してみてください。

レッスンの神、ハーヴィー・ぺニック

スコアを急激に減らすためには、考え方や練習方法自体を根本から変更しなければなりません。

例えば、1か月間、ウェッジ以外使わないような方法です。

そしてさらに、練習内容も9割はチップショットや先程紹介したような練習に時間を使い、残り1割だけフルショットに充てるといった感じです。

それだけで、100切り、90切りが叶うでしょう。

この考え方はレッスンの神様と呼ばれたハーヴィー・ぺニックのものです。

チップショットとはランニングアプローチのことを言います。

また彼は、「急激な進歩を遂げたいと思うなら、練習の9割をショートゲームに割り当てる」とも話しています。

折角練習場へ行くのですから、ドライバーやアイアンをフルショットで打ちたい気持ちは同じゴルファーとして良く分かります。

しかしレッスンの神が言うのですから、進歩するためにも彼を信じてアプローチの練習に徹してみてはどうでしょう。

練習場では10~70ヤードまでの距離のアプローチを、そして自宅に帰ってパッティングの練習に時間を使ってみましょう。

ショートゲームは毎日しても足りないくらい

アプローチやパッティングの練習は欠かさず行うことが大切です。

毎日練習場へ行くのが無理でしょうが、ショートゲームの練習は、練習場へ行かずとも自宅でもできます。

特に10ヤード以内の練習であれば、広いスペースは必要ないので、自宅のちょっとした場所でもできます。

毎日繰り返し練習することで、スイングリズムも距離感も体にしっかりと染みつくことでしょう。