パッティングで迷いが生じるのは、正しいラインの読み方ができていないからかもしれません。
芝目と傾斜によってボールの転がりは変わってくるものです。
そこでゴルフ場におけるグリーンの状態と、芝目や傾斜の読み方などを紹介します。
グリーン外からパッティングラインの読み方は始まっている
ゴルフでは300ヤードのティーショットも、わずか1インチのワンパットも同じ1ストロークです。
スコアメイクには、300ヤードのティーショットを身につけることも大切ですが、グリーン上のパッティングを上手くなることが早道ではないでしょうか。
パッティングが上達するためには、イメージ通りに打てる技術と、そのイメージを作るためのパッティングラインの読み方が重要です。
芝目や傾斜などグリーンの特性を理解すれば、誰でも簡単にパッティングラインを読むことができます。
まずはグリーン面のパッティングラインを読む前に、グリーンの外から傾斜を見ることにしましょう。
全体的な形状が縦長ならば、縦の傾斜がきつく、2段グリーンや3段グリーンなども考えられます。
また横長のグリーンの場合には、アンジュレーションがきつく、S字スラロームのようなパッティングラインが考えられます。
また奥行きが狭いことから、急激な斜面になっている可能性があります。
グリーンに上がる時は、エプロンから入らずに、どちらかのサイドから入ると縦の傾斜を読むことができます。
パッティングラインを知るには芝目の読み方が大事
グリーンの傾斜は「いかにも」という急勾配もありますが、一般的には打ってみてから初めて気がつくように造られています。
まさに設計者のマジックに、引っ掛かることのないよう注意が必要です。
外からグリーンを見ることで全体的な傾斜は分かるので、次にグリーン面の芝目の読み方を覚えましょう。
グリーンの芝は、根から芝草が真っ直ぐ伸びているように考えがちですが、実際には太陽や水源に向かって葉先が傾きます。
芝目はほかにも風が通る方向やグリーン刈りの機械の填圧によっても付きます。
葉先の向いている方向が順目、手前側に向いていれば逆目と言います。
陽の光が当たると順目は白く光、逆目は深い緑色に見えます。
また草刈が終わったばかりの早朝は機械の通った跡に芝目ができます。
一方ですっかり乾燥した午後になると、種類の違う芝などが混じっていることや、個々の芝の伸びの違いでラインに関係なく跳ねることもあります。
このようなゴルフコースの特性を知っておけば、パッティングラインを読みやすくなるでしょう。
パッティングのラインは高麗とベントで読み方が変わる
芝目はゴルフ場全体を考えると、谷側に向いて葉先が流れます。
グリーンの傾斜が上りでも、その向こう側に谷があると、芝目の強いグリーンではボールが傾斜通りに転がらずに上ることがあるのです。
このような目の強いグリーン芝は高麗グリーンと言われていて、関東以南のゴルフ場に多いです。
一方で芝目の影響が少なく、パッティングラインを傾斜主体で読むのがベントグリーンと言われて、関東以北のゴルフ場に多いグリーンです。
高麗芝は暑さに強く寒さに弱い品種で、逆にベント芝は暑さに弱く寒さに強い品種です。
ところが種苗の品種改良が進んだことで、九州でもベントグリーンのゴルフ場があるので、現在は一概に地域で区分することはできません。
高麗グリーンの芝目は、日頃からコースコンディションを見続けているハウスキャディ以外は、パッティングラインの読み方を分かることはないとまで言われています。
そんな理由もあって、トーナメントコースを設定する時は、地元有利にならないように、概ねベントグリーンのコースで開催されています。
ちなみにベントグリーンのライン読みは傾斜が重視されるので、比較的アンジュレーションをつけたポテトチップスのような形状が多くなっています。
ショートとミドルのパッティングラインの読み方
では傾斜と芝目を理解したとして、グリーン上のパッティングラインの読み方ですが、これはボールの位置からカップまでの距離によって若干違いがあります。
傾斜の角度にもよりますが、ショートパットはガツンとボールを打って、カップの反対側に当てて落ちるイメージを持つと良いでしょう。
強めに打つことから、基本的にはストレートラインで読みますが、この時大事なことは「外したらどうしよう」とは考えないことです。
OKパットを「サンキュー」と言いながらポンと弾くように打つような、あのストロークをすれば外さずに入るはずです。
そしてミドルパットは、最初に全長のラインを眺めます。
その後でボールからラインを読むのではなく、カップのほうからラインを読んでいきます。
途中で傾斜や芝面でラインが切り替わるようなら、そこで一旦立ち止まりましょう。
自分のパッティングラインを踏まないように気をつけながら、パターを構えてそこからのパッティングをイメージするのです。
その後でボールの位置から、途中でパターを構えたところまでイメージできれば、3パットになることはないはずです。
問題なのはロングパットの読み方です。
パッティングラインの読み方は一緒でも狙いは違う?
パッティングの基本はカップを狙うことですが、ロングパットは距離が長ければ、寄せたほうが良い場合があります。
つまりパッティングはしますが、アプローチと位置づけてカップに寄せる打ち方をすることになります。
もちろんチャンスがあればカップインを狙いますが、距離感を間違えると3パットの可能性があり、結果的に痛いミスに繋がる恐れもあるので、寄せるか入れるかを判断しなければなりません。
寄せる場合には、次のパットを確実にするために、傾斜の下につけるのがセオリーです。
この一般的に下につけるパッティングは、ショートと同じことになります。
パッティングラインに乗せて打ちますが、実際にはボールに勢いがなく、途中から傾斜の影響を受けて曲がっていくようなイメージです。
一方でカップを狙う場合にはラインに乗せて強めに、少なくとも30センチ程度はオーバーするように打ちます。
もしもカップの手前で切れるようなことがあれば、ショートしているのと同じで「届かない球は入らない」ということになるでしょう。
どちらもパッティングラインの読み方は一緒ですが、打つ時の強さが違うだけです。
パッティングのラインの読み方を先生から教えてもらう
ゴルフ場の特性を知っておくとパッティングラインの読み方も分かりやすいかもしれません。
早く読み方を知る方法としては、最初にキャディ付きでプレーをして、キャディから直接読み方を教えてもらうと良いでしょう。
最近はセルフプレーのコースが多くなり、キャディの読み方を間近で見る機会がないので、いつまで経ってもパッティングラインが分からないというゴルファーが増えてきています。
しかしキャディ付きコースであれば、ボールを拭いて渡してくれる時に、芝目や傾斜を教えてくれるものです。
ベテランキャディになると、「カップ2つ左を狙ってください」と的確にアドバイスしてくれる場合もあります。
一方で新人キャディは、外した時にラインを踏まないようにと、ピンを持つ時に傾斜の上側に立つことになっています。
芝目の状況や傾斜の見方などを、現地のグリーンを見ながら教えてもらえれば、他のグリーンでもきっと役に立つはずです。
このようなパッティングラインの読み方は「経験がモノをいう」と言われているので、たくさんプレーをするか、もしくはラインを読むのが仕事のキャディに教えを請うかが、確実に習得できる方法と言えます。
大自然がパッティングのラインの読み方を教えてくれる
パッティングラインの読み方を勉強するのであれば、早朝ゴルフがオススメです。
グリーン刈りがされていない早朝のグリーンは、朝露で覆われています。
その上をパッティングすると、ボールの転がりで朝露が消えて線を描いてくれます。
自分が想像しているラインと比較しながら実際の転がりを確認すると、傾斜の読み方が分かってくるはずです。