アプローチはウェッジを使わなければならないと思っていませんか?
ゴルフでどのクラブを使うのかに決まりはありません。
直ドラと言われ、ドライバーをセカンド等で使うこともあります。
ですからアプローチでも何のクラブを使っても良いのです。
状況によっては3wを使う場合もあります。
ここでは意外とアプローチで大活躍する9番アイアンに注目してお話していきましょう。
9番アイアンとは
アイアンは、1番から9番アイアンまであります。
10番アイアンもありますが、10番アイアンはPWと同じと考えてください。
故に9番アイアンとは、一番短いアイアンクラブと言うことになります。
「9番アイアンの飛距離の倍がドライバーの飛距離」と言われ、9番アイアンの飛距離を基準としています。
もちろんあくまでも目安なので一概には言えませんが、ドライバーの飛距離が9番アイアンの倍よりも遥かに飛ばないのであれば、それはスイングに問題があると考えて良いでしょう。
ウッドとアイアンではありますがスイングの基本は同じですからね。
9番アイアンのロフトは一般的に42度前後です。
最近はストロングロフト化しているので、そのようなクラブは例外になります。
アイアンの中でも最も短いショートアイアンなので、アドレスした時にフェースも開き気味になるので、ウェッジのような安心感を与えてくれます。
そして9番アイアンは様々なシチュエーションに使える便利なクラブです。
深いラフなどのトラブルショットやランニングアプローチ、20~30ヤードの微妙な距離のアプローチにも使えます。
9番アイアンを使ってのアプローチの打ち方
SWやAW、PWなどのウェッジを使ってのアプローチの打ち方については、雑誌等でも良く取り上げられていますが、9番アイアンなどウェッジ以外を使ってのアプローチの打ち方などはあまり詳しく書かれていません。
しかし実は最も初心者向けで簡単なアプローチが、9番などのショートアイアンを使ったランニングアプローチです。
ウェッジを使えば、上げるアプローチやスピンを利かせたアプローチなど様々な種類のアプローチを打ち分けることができます。
しかし打ち分けることが絶対必要かと問われると、答えは「NO」です。
打ち分けられれば、あらゆる状況に対応できるので損はありません。
でもランニングアプローチだけをしっかりと打てるだけでも寄せの名人には成り得ます。
そこで9番アイアンを使っての打ち方ですが、転がすアプローチなのでボールは右足寄りに置きます。
右足のつま先内側を目印にセットすると良いです。
グリップを左側の足の付け根付近(股関節付近)に持ってくることでハンドファーストの形にします。
体重は左足に掛け、体重移動しないように気をつけてください。
そうしたらインパクトまでハンドファーストの形を崩さないように意識しましょう。
ランニングアプローチが使えるシチュエーション
9番アイアンを使ってのランニングアプローチができれば寄せの名人に成り得ると言いましたが、もちろん使える状況と使えない状況があります。
「ランニング」はボールを転がすので、ピンまでの距離が僅かである場合には使えないのは容易にイメージできますよね。
花道からのアプローチやグリーンエッジに近いラフからのアプローチであれば問題ありません。
グリーン上を転がるだけの距離が必要で、グリーンの手前側はなるべくフラットなラインでなければランニングアプローチをする意味がありません。
難しいラインをわざわざ転がして変な所にボールを運ぶ必要はありませんからね。
またグリーン手前でピンは奥、上りのラインと言う状況はランニングアプローチの絶好の使い場になります。
ただ9番アイアンでのランニングアプローチで、どのくらいの振り幅でどのくらいの距離転がるのかと言うのをしっかりと把握しておく必要があります。
またゴルフ場によってグリーンの速さも変わってくるので、ラウンド前にグリーンの転がりをチェックしておくようにしてください。
9番アイアンでランニングアプローチの練習をしよう
これは9番アイアンを使うランニングアプローチの練習ではなく、ランニングアプローチの練習をするのに9番アイアンを使うと思ってください。
アプローチの練習にPWやAWを使うゴルファーが多いのですが、9番アイアンはボールを転がすのにも使いやすいし、100ヤードくらいの飛距離も出せます。
100ヤードはラウンドでは鬼門と思っても良いくらいコースでかなり使う距離になります。
ですから9番アイアンで思った方向に100ヤード飛ばせるようになると、あなたの強みになるはずです。
まず9番アイアンを使って腰から腰までの素振りをします。
マットの中央に線があるのであればそれに沿っているかを確認してください。
ないのであればマットの端を線にして確認してください。
最初はゆっくりで良いので繰り返し素振りをします。
軽く疲れたくらいで休憩を挟みボールを転がします。
10~20ヤードくらいの目標物を定め、そこまでボールを転がす練習をします。
「10回素振りをして、ボールを転がす」を繰り返し練習します。
上手く転がせるようになるまで、他の練習をしたくなるのをグッと我慢してこの練習を続けると、ラウンドでしっかりと使えるようになるでしょう。
初心者は9番持ってパターのように
アプローチが苦手な人や初心者ゴルファーに、アプローチのレパートリーに絶対に入れて欲しいのが「パット・チップ」です。
これは7~9番アイアンを使いパッティングに近いボールの打ち方をするアプローチです。
パットの延長線上のショットなので応用範囲も広く、大きなミスをしにくいです。
7~9番アイアンを短めに持ち、パターのグリップでパットをする時のようにストロークする打ち方です。
両肘を張るようにクラブを持ち、ヒールを若干浮かせてセットアップします。
ボールの位置はパターを打つときと同じくらいか、少し右よりに置いてください。
自分が違和感のない位置を決めておきましょう。
パターと同じで体重移動やボディーターンは必要ありません。
またこのアプローチの最大の利点は、パターでの距離感がそのまま使えることです。
このアプローチが上手くなれば、パターも上手くなりますし、その逆も然りです。
もちろん7番と9番ではロフト角が違うので転がりや飛距離は変わります。
しっかりとした距離感を練習で掴んでおくようにしましょう。
9番アイアンアプローチの応用編
9番はランニングアプローチやパット・チップだけでなく、20~30ヤードくらいのアプローチにも使えます。
このくらいの距離は、AWやSWを使うゴルファーが多いです。
しかしウェッジでざっくりやトップをしやすい人は、特に9番アイアンを使うと抜けが良くミスが減る可能性大です。
キャリーとランの比率は、4:6くらいです。
しかしグリーンが受けている時など、全体的にはキャリーラン1:1と考えると良いでしょう。
意外と20~30ヤードのアプローチは苦手なアマチュアゴルファーが多いです。
50ヤードくらいであればしっかりと打つことができますが、それよりも距離が短くなるとグリップが緩んでしまったり、スイングを減速させてしまうからです。
またこの距離に強くなっておくと、林等に入った場合のトラブルショットのリカバリーが強くなります。
ゴルフでリカバリー力が身につくとスコアがよりまとまるようになります。
またミスを怖がらなくなるのでメンタル面にも良い影響があります。
不必要なクラブならキャディバッグに入れない!
9番アイアンを使う機会はあまりないのかもしれません。
しかしショートアイアンなので実は通常のショットでも使いやすく、説明してきたようにお助けアプローチにも使えます。
キャディバッグには最大14本までしか入れることができません。
9番アイアンを抜いているゴルファーはいないでしょう。
ですから使いきれていないだけで、使えるクラブだと考え直してください。