コース内では多用する5iですが、ゴルファーによって飛距離にかなりバラつきのあるクラブのようです。
最長のミドルアイアンが使いやすいと感じる人と、苦手意識を持つ人がいるのには理由がありそうです。
そこで簡単に習得できる打ち方と練習法について紹介します。
初心者は7iより飛距離のでる5iで始めたほうが良い理由とは
ゴルフを始める時、練習で使うクラブは7i(アイアン)が良いと言われています。
なぜなら7iはボールを身体の中心に置いて構えるため、スイングを作りやすいと考えられているからです。
ところが近年は5i(アイアン)で練習を始める人が増えてきています。
確かに長いクラブで練習を始めれば、6iや7iに苦手意識は生まれづらいものです。
またコースデビューすると、しばらくは飛距離が安定するミドルアイアンの使用頻度が多いこともあり、実践的な練習にもなると言えるのではないでしょうか。
もちろん5iで始める理由は、使用頻度だけではありません。
昔は右腕と左腕が等距離なるよう身体の中央でグリップを構えましたが、近年はハンドファーストで構える人が多くなっています。
ハンドファーストとは、ボールよりも左側でグリップを握る構え方で、一般的には左腿辺りに左手があります。
またボールポジションは通常の位置なので、5iであれば身体の中心からボール1個左側に置くのが基本です。
左腿から延びるシャフトは斜めになるため、通常の構え方よりも長さが必要になります。
この斜めにする時のシャフトの長さが、7iよりも長い5iのほうが正しい姿勢で構えることができるというわけです。
5iの平均飛距離に到達してなければ練習のしすぎ?
5iの平均飛距離は160ヤードと言われています。
160ヤードと聞いて距離が短いと感じる人は、ハードヒッターに属すると言えます。
もしかすると、普段の平均飛距離は170ヤードを超えているかもしれませんね。
一方で飛ばない人の飛距離は、140ヤード程度と言われています。
目いっぱい振っても飛距離に30ヤードの開きがあれば、番手としては3つも違うことになります。
この飛距離の違いはヘッドスピードが関係しています。
同じ5iを使ったとして、1人は170ヤード超の飛距離で、もう1人は140ヤードであれば、ボールに加わる衝撃の違いが飛距離の差となっているわけです。
この時のヘッドスピードとは、スイングスピードも関係しますが、それよりもスイングそのものメカニズムが分かっていないことが多いようです。
アイアンをスイングする時、スタンダードな打ち方はボールの真下にスイングの最下点が来るようにするレベルブローです。
普段、練習場などで打つ時も、一般的にはこのレベルブローで練習しますが、実際には人工芝が滑るためにダフリ気味にヘッドが入ってしまうことが多いようです。
そのままのスイングでコースに出ると、ダフリ気味に入ったクラブは芝の抵抗を受けてパワーロスになってしまいます。
スタンダードなスイングをするのであれば、しっかりミートできるように、スイートスポットを意識した練習をしておきたいものです。
5iの飛距離を安定させるダウンブローの打ち方とは
レベルブローのスイングで飛距離が伸びないのであれば、練習場の人工芝で練習をしすぎたことが原因です。
ボールの手前からヘッドが入る癖がついているので、本来であればその癖を取り払わなくてはいけません。
ただし1度ついた癖を消すのは意外に大変なものです。
そこで新しいスイング法であるダウンブローを取り入れてみましょう。
ダウンブローとは、スイングの最下点がボールよりも前方にした打ち方です。
決して鋭角的に打ち込むスイングではなく、ノーマルの最下点を少しだけ左側にずらしたスイングです。
スイングが最下点になる前にフェースとボールが接触するため、ボールを上から潰したようなイメージになります。
それだけに芝の抵抗で受けたパワーロスはなくなり、ダイレクトに強い衝撃を与えることができます。
ダウンブローの練習方法は非常に簡単です。
5iを握ったら通常のスイングで何度も休まずに素振りをすると、人工芝の同じ箇所にだけ触れるようになります。
姿勢さえ変えなければ、そこが5iのスイングの最下点のはずです。
そうやってスイングの最下点を見つけることができたら、あとは5iのボールの位置を半個だけ右側にずらすだけです。
5iの飛距離に不満?アッパーブローになっていませんか
5iで飛距離が出ないのは、ボールを上げようとしていることが原因かもしれません。
アイアンはボールを上げようとしなくても、フェースに角度がついているので、正しいインパクトができれば自然にボールは上昇します。
ところがボールを上げようとイメージすると、すくい打ちになります。
すくい打ちとは、フェースを下から上に向けて動かす打ち方です。
そのためには、ボールと芝面の間にリーディングエッジを入れるようにヘッドを動かします。
実際には、右肩を落として右肘を脇につけるようなダウンスイングをしてしまいます。
つまりインパクトでは左肩が上がり右肩は沈んだ状態です。
本来は地面に対して平行に捻転しているはずの両肩が、バランスを崩して歪んでいます。
当然、パワーロスになっていて飛距離ダウンになってしまうわけです。
このスイングを分析すると、いわゆるアッパーブローになっています。
下から上にフェースを動かすアッパーブローは、ドライバーショットで用いられる打ち方ですが、ティーアップしていることが絶対の条件になります。
芝面からのショットはダウンブローのショットにすれば、ブレのない飛距離を生むことができるはずです。
5iなどアイアンの飛距離に不満があるときの練習法
3iが苦手な人は5iを多用すると言われています。
中には3iよりも5iの飛距離のほうが上という人もいます。
これは初心者に多い「長いクラブが苦手」の意識です。
短いクラブのほうが簡単と思うのは、上手にインパクトできていない時期だけです。
クラブが短くなれば1ヤード単位、状況によっては1インチ単位の距離感が必要になり、ウェッジコントロールのほうが難しくなります。
どちらにしても、いずれはクラブの長さに慣れてくるので、長いクラブのほうが力を使わずに飛ばすことができ便利なクラブになるはずです。
ただ、その慣れるまでの期間は人それぞれで、一般的には練習量と比例します。
練習をたくさんすれば苦手意識がなくなることは、およそ想像できると思いますが、実際にどれくらい練習すると身につくものなのでしょうか。
プロの卵たちが練習を始める時、身長と腕の長さでクラブを選択しますが、1本のクラブで延々と打ち続けます。
1日400球程度を毎日打ち続けると、飲み込みが早ければ3か月くらいで振れるようになります。
スイングができあがれば、後はクラブを変え打つだけです。
冬期間などのオフシーズンに徹底的に打ち込めば、5iの距離感が安定し、しかも飛距離がアップするはずです。
5iの飛距離が確実にアップする練習のコツとは
集中的な練習をするときには、「ただ打てば良い」というわけではありません。
正しいスイングで打たなければ、単にクラブに慣れただけで終わってしまいます。
まず5iの飛距離を160ヤードに定めます。
普通にインパクトができれば飛ぶ距離なので、敢えてそれ以上飛ばそうとする必要はありません。
クラブをセットする時は、力みを抜いて手首を柔らかくした状態が大切です。
スイングはトップからフィニッシュまでが一体化した動きなので、基本的にはどこかの部分を切り取った練習法をしても意味はありません。
大きくスイングすることをイメージして、トップの高さと同じ高さでフィニッシュを迎えるようにします。
スイング自体はゆったりと、だけどヘッドスピードは加速させるように振ります。
ヘッドを走らせるコツは右腿から左腿までのグリップエンドの動きです。
5iのグリップが右腿まで下りてきた時、グリップエンドはターゲット方向を指しているのが基本です。
グリップエンドが右腿に到達したら、グリップエンドを自分の身体に向けます。
この動きでヘッドを切り返すことになり、ヘッドスピードは速くなります。
後は左腿までグリップエンドが自分を指していれば、振り切ることができるためさらにヘッドスピードは加速するのです。
この練習を3か月間繰り返すことができれば、5iの苦手意識はなくなり、飛距離が安定して信頼できるクラブになるはずです。
5iで徐々に飛距離アップする練習法は注意すること
5iの練習で注意したいのは手打ちをしないことです。
最初は振り幅を小さくして、徐々に飛距離をアップしていく練習法があります。
ミート率を高める練習法も効果はありますが、プロなどの指導者からコーチングを受けていないと手打ちになりやすく、特に5iのような長いクラブはその傾向が強くなります。
せっかく練習しても手打ちで覚えると1から出直しになるので、最初から大きなスイングで練習したほうが早く上達できるはずです。