アプローチは、20ヤードの距離を練習するとスコアアップに繋がると言われています。
グリーンの直径の半分が20ヤードですから、エッジからピンを攻めることができる距離です。
そこで攻めるのに効果的で、しかも安全・安心なアプローチ法を紹介します。
グリーンエッジからのアプローチの距離は20ヤード
アマチュアゴルファーがアプローチする距離を調査した人がいます。
真贋は別として、興味深いのは40ヤード以下というデータです。
圧倒的にアプローチする距離は40ヤード以下なのだそうです。
もちろん20ヤードや10ヤードも含めたデータ値ですが、残念ながらそれらの飛距離に合ったクラブは持っていないはずです。
つまり一番多いアプローチは、プレイヤーがコントロールしなければ、ピンに近づけることができないわけです。
ここで問題なのは、ボールからピンまでの距離でどのくらいピッチ(空中)なのか、着弾後の転がる距離との配分をどうやって決めるかということです。
ロブショットのようにピンポイントでボールを落とす場合には、ランを考えないのでピッチの距離感で近づけることができます。
では、この時のピッチの距離はどのくらいなのでしょう。
丸い形のグリーンの中央にピンが立っていた場合、グリーンエッジからピンまでの距離は、およそ20ヤードです。
果たして、20ヤードのロブを上げるだけの技量を持ち合わせているでしょうか。
20ヤードのアプローチができるウェッジは持っていない
20ヤードのロブショットはかなりの難易度で、プロゴルファーでも正確に刻める人は極わずかだと考えられます。
このような距離の場合には、点でターゲットを定めるよりも、線で捉えたほうが確実に寄せることができます。
ボールを転がすことでピンに近づける、いわゆるランニングアプローチが効果的です。
ボールを転がすアプローチは、ミスショットが少なく安全性が高いことから、初心者からプロゴルファーまで使われています。
プロと言えどもピンポイントに落とすショットはリスクが伴いますし、何よりもランニングアプローチはカップを狙えるというメリットもある実践的なアプローチ法です。
そこで最初に覚えたいのは、このランニングアプローチです。
ボールを転がすアプローチを総称したのが「ランニングアプローチ」ですが、実際にはいくつかのアプローチの仕方に区分されています。
そこでグリーンエッジからの20ヤードを転がす、アプローチの仕方を掘り下げてみます。
8番アイアンを使ったアプローチで20ヤードを攻める
まずはもっとも安全性の高いアプローチで、数回練習すれば誰でも簡単に20ヤード先にボールを運ぶことができる打ち方です。
芝が短く刈り込まれているグリーンエッジやエプロンなどから、ピンを狙ってアプローチをします。
8番アイアンを握り、パターと同じように構えます。
ショットというよりもパッティングのストロークをイメージして、パターヘッドのようにスライドさせてボールを打つのです。
狙う箇所は5ヤード先です。
1ヤードが約90センチなのでおよそ4.5メートル先、もしくは大股で5歩先を狙います。
8番アイアンの転がる距離は、飛球1に対して転がり4なので、5歩先に落とせばあとは勝手にピンに向かって転がっていきます。
同じ20ヤードの距離でもピッチングウェッジを使うと、飛距離と転がりの割合は1対1なので、10ヤード先で着弾させると同じようにピンそばにつくはずです。
ただ難易度を考えると5ヤード先にポイントを置いたほうが簡単です。
まずは安全で簡単なアプローチの中で、さらに安全なクラブを選択することがミスのないアプローチに繋がるはずです。
お馴染みのアプローチは20ヤードの半分がターゲットポイント
誰でも一度は聞いたことのあるアプローチと言えば、「ピッチエンドラン」ではないでしょうか。
ピッチエンドランは、基本的にはピッチ(空中)とラン(転がり)が均等になるようにショットします。
前項で紹介したように、ピッチングウェッジを使えば、飛球と転がりは1対1の割合になります。
20ヤードの距離であれば、丁度半分の10ヤード地点にボールを落とせば、ピンに向かって転がり出すでしょう。
打ち方はいくつかありますが、一番安全にインパクトできるのは、手首を使わず左腕を振り子のよう動かせるように、腕とシャフトが一体になるイメージで構えることです。
ヘッドをボールの真後ろにセットして、そこを振り子の最下点にします。
逆さまにした分度器の「90度」がボールの位置になるようにして、その分度器の外周をヘッドが動くイメージです。
力を入れずにヘッドの重みを感じながら振り子を動かせば、フェースがボールを捉えてくれます。
後は振り子の幅を変えることで距離が決まるので、事前に距離感が掴めるように練習しておく必要があります。
20ヤードのアプローチでチップインを狙う?
ピッチエンドランのアプローチと同じように、飛球と転がりでピンそばを狙うことができるのがチップショットです。
同じ20ヤードの距離あるボールですが、グリーンエッジの境目に止まっていると、インパクトでラフの芝が邪魔になります。
パッティング式のアプローチやピッチエンドランのようなやさしい打ち方だと、上手くインパクトができないことがあります。
そんな時は少し強めにインパクトができるチップショットが便利です。
もしかするとピッチエンドラン以上に聞いたことがあるかもしれません。
直接カップインを狙えるショット、「チップイン」のアプローチ法です。
スタンスを狭くとり、若干オープンに構えます。
ボールは左足のかかとの延長線上に置き、コックを使ってテークバックをします。
腕の振りというよりもコックでヘッドを上げて左手を意識してダウンスイングしてください。
右手で押さないように注意すれば、トップの心配もなくラインに乗せたアプローチが可能になります。
ピンまでの20ヤードにバンカーがある時のアプローチ
アプローチで20ヤードの距離の間に、バンカーなどの障害物があると気になるものです。
本来はバックスピンの効いたチップショットが打てれば、スレスレで越えても問題はありませんが度胸と経験が必要です。
一方でフェースを開いて高いボールを上げるロブショットは、難易度が高くしかもロフト角の大きな60度程度のロブウェッジが必要になります。
そこで通常備えているクラブを使います。
ある程度高い球筋が打てて、しかもグリーンに落ちてからピンの方向に転がるアプローチの打ち方を確認しましょう。
大抵はサンドウェッジを使います。
スタンスを小さく取りオープンで構えます。
左足に体重を乗せて、ロフト角に合わせてスイングしましょう。
この時サンドウェッジの底で、ブラシを掛けて擦るようなショットをすると、適度な角度でふわりと飛び出し、下手から放り投げたような球筋でグリーンを捉えるはずです。
アプローチには様々な打ち方がありますが、安全・安心のショットがミスをなくしてくれて、スコアアップに繋がるはずです。
20ヤードのアプローチを制してスコアアップしよう!
グリーンの形や大きさはまちまちですが、平均的な面積はおよそ300坪と言われています。
単純に計算すると直径は35ヤード程度なので、グリーン周りからのアプローチであれば、約20ヤードの距離がもっとも多いはずです。
「20ヤードを制するものは……」、世界を制することはできませんが、スコアアップに繋がることは間違いありません。