ゴルフはボールをカップに入れる競技ですから、ゴルフボールは重要なものです。
競技に重要なボールですが、もしもピンク色のカラーボールを男性が使っていたら違和感はないでしょうか。
カラーボールの沿革と現在の状況、そしてピンクのカラーボールが注目される要因について紹介します。
女性に人気のピンクのゴルフボールは男でも使ってOK?
昔は「飛ばないボール」と言われたカラーボールですが、今は主力商品の色違いとしてパステルカラーのボールが増えてきています。
カラーボールのメリットは、誤球を防げることやロストボールになりにくいことなどがあり、特にセルフプレーのときには便利との声が多いようです。
またカラーバリエーションが豊富になったことで、ちょっとしたお洒落に繋がって、女性ゴルファーの使用率は高くなってきました。
カラーボールの代表的なゴルファーと言えばポーラ・クリーマーです。
自身のイメージカラーでもあるピンク色のゴルフボールを使ったことで、多くのプレイヤーも使い始めたようです。
一方でピンク色のゴルフボールは、女性ゴルファーに人気が高いこともあって、女性だけのラウンドでは、色がかぶってしまうようです。
敢えてピンク以外の色のゴルフボールを使うほど人気があるようです。
でも「男性は?」というと、カラーボールの使用率は相変わらず低いままです。
今ではカラーボールが飛ばないといった偏見はなく、逆にラフに入っても見つけやすいし、白色のボールが多い中、マイボールは一目瞭然と愛用している人もいます。
現に、数年に1度ですが、ピンクのゴルフボールを使う男性が急激に増えることがあります。
ピンクのゴルフボールを男が使い始めたのはアイドルが原因?
男のゴルファーでもカラーボールが使われるようになったのは、海外旅行でゴルフをするようになったからかもしれません。
海外では日本と違ってセルフプレーが一般的なので、カラーボールは普及しています。
タイトリスト社のピナクルの原色や蛍光色の目立つボールは、コース内で目立つためセルフプレーの強い見方となっています。
日本のプレイヤーは、そのカラフルで安価なボールをお土産にしたこともあって、ジワジワとカラーボールの存在は国内にも広がっていったのではないでしょうか。
一方で国内のゴルフボール市場もカラーボールの販売を開始します。
国内メーカーの独占状態でしたが、量販店が安価な輸入ボールを扱い出して、徐々にカラーボールも浸透していきます。
ただし国内メーカーもカラーボールを製造販売しますが、広がりをみせることはなく、販売・撤退を繰り返して、人気の商品となることがなかったようです。
バブル崩壊後にセルフコースが急増しニーズが高まったことから、主力商品として販売を始めたのはキャスコからだったと認識しています。
少し遅れてブリヂストンから宮里藍モデルのパステルカラーバージョンが出て、ここから一般ゴルファーのスタンダードなボールとなっていきます。
そんな中、人気アイドルがテレビ収録でピンクのゴルフボールを使い、別な意味で大炎上することになります。
ピンクのゴルフボールを流行らせた男はあの人だった!
芸能人の使ったグッズが売れるのは、業界では常識と言われています。
でもピンクのゴルフボールは人気にはなりますが、決して男のゴルファーの売れ筋商品となったわけではありません。
このピンクのゴルフボールには、少し長くて複雑な歴史があります。
その複雑な歴史を作ったのが「国民的アイドルグループ」です。
キー局がニュース速報を打つほどの衝撃を残して、アイドル5人は別の道を歩むことになり、3人は事務所を退所し「新しい地図」つまり「ニューマップ」として活動を開始します。
事務所に残った2人も司会と役者、それぞれの道を歩み始めていますが、その残ったうちの1人、中居さんがピンクのゴルフボールを広めた「張本人」なのです。
彼らはアイドルでありながらバラエティに出演したことから人気が出た、当時としては珍しいアイドルグループでした。
初期のバラエティ番組でそれぞれのカラーが決まり、中居は青色、稲垣はピンク、ちなみに香取は緑にしたようです。
時代は進みます。
稲垣にアクシデントが起こり謹慎することとなり、当時人気番組だったビストロスマップで「稲垣を忘れないために」と、中居が稲垣のピンクカラーの服を身につけます。
やがて稲垣は復帰しますが中居はそのままピンクを、稲垣は青のコック服を着用することになります。
稲垣ファンにとっては「ピンクを盗った中居」になってしまったわけです。
そんな論争がコアなファンの中で沸いているとき、中居がピンクのゴルフボールを使ったテレビ放映で、「火に油」の状態になったのです。
男が使っても便利な3種類のピンクのゴルフボール
人気アイドルのお陰で、ゴルフを知らない人にもピンクのゴルフボールは広まり、また何年かに1度は、この中居VS稲垣のカラー対決の話がぶり返してきました。
さすがに解散したので消えるだろうと思ったら、稲垣・草なぎ・香取が新しい活動を始めたとき、中居が別番組で緑のネクタイを締めてことから、「香取を応援している」とカラーの話題は再燃していたようです。
ゴルフをしない人達にとっても、カラーボールが認知され、しかも男でもピンクに違和感がないと思われたのはアイドルたちの論争のお陰だったのかもしれません。
ところでピンクのゴルフボールは、蛍光カラー、ショッキングピンク、パステルカラーの3種が多く出回っています。
蛍光カラーは目立つのでロストボールの心配はありませんが、日光が強いときは遠近感が失われる恐れがあります。
海外では日光が強いときにはサングラスを着用していることが多く、気にならないのかもしれません。
それからショッキングピンクも目立つことから、ロストや誤球の心配はなさそうです。
また、枯葉の多い時期でもボールを特定できるメリットも考えられます。
一方で方向性を良くするためにゴルフボールに線を入れても、確認しにくいというデメリットもあります。
そしてパステルカラーのピンクは、刺激的な色合いでないことから、平常心でゴルフに向き合いたいゴルファーにとっては「落ち着いた色合い」と感じることができます。
一方でピンクが薄い場合には、白色がくすんだように見えて、ボールを見つけにくいというデメリットがあります。
男性が使いにくいピンクのゴルフボールを作った理由
ピンクに限らず男性にもカラーボールは普及してきています。
当初の目的だった「捜しやすさ」からも変わってきたように思われます。
そもそも淡い緑色のゴルフボールは、開発の企画段階から見つけにくいことは分かっていたはずです。
例えば淡いピンクは、天候や季節によってスタンダードの白色ボールよりも見つけにくいことがあるものです。
では、なぜメーカーは使いにくいと感じるゴルフボールを作ったのでしょうか?
1つ目は、機能面を重視して開発を続けて3ピース・4ピースと高水準の製品ができたことから、あとは差別化を図るしかなかったのでしょう。
つまり販売戦略として、カラーボールを作ることにしたのだと考えられます。
2つ目は、視覚から感じられる「軽く見える」というイメージです。
淡い色合いのゴルフボールは軽く見えることから、力まずにショットができると、その効果を期待したからと考えられます。
いずれにしろ、「探しやすい=カラーボール」というコンセプトではなさそうです。
赤帽子やピンク服の男性がいるのだからゴルフボールも!
そもそも、男の人が赤やピンクを使ってはいけないとか、違和感があるという時代ではなくなりました。
世界的に有名な赤い帽子の愛用者と言えば米国のトランプ大統領ですし、ウェアは松山英樹や石川遼など人気のプロゴルファーもピンクを着用しています。
ただし、男子のプロゴルファーの多くは、カラーボールを使用していません。
彼らは「専属のキャディをつけていること」「ショットのブレが少ないこと」などの理由で、ロストや誤球の心配をしていないはずです。
また使用するボールは専属契約をするので、メーカーからの支給品を使っているわけです。
裁量権はもちろんあるでしょうが、「使用率NO.1」を欲しいメーカーとしては、同種ボールの使用を勧めますし、また使用したいゴルフボールにカラーがなければ、敢えて色にこだわるプロがいないということでしょう。
もしかすると、男子プロがゴルフボールの色にこだわって「○○の色を使ったらショットが安定した」なんて優勝コメントを出したら、爆発的にヒットするかもしれませんね。
男性でなくてもピンクのゴルフボールに違和感はある?
男が使うピンクのゴルフボールについて考えてきましたが、そもそも論で考えると、緑の芝の上にピンク色のゴルフボールが合うのかという考えもあります。
色彩感覚が間違っていなければ、合わないような気がします。
でも、敢えて自然色と対比して違和感のあるものを使うことで、ボールにとっては適しているという考え方もありなのかもしれません。
結局、使う人が良ければ何色でもOKということになりますね。