ヘッドスピードが遅いのは、ドライバーの振り方に問題があるという人もいれば、ゴルファー自身に問題があるという人もいます。
ヘッドスピードの遅い人のスイングやスタイルの問題点とその解決法、また違う原因についても紹介していきます。
ドライバーのヘッドスピードが遅いのはパワーが原因?
ゴルファー誰もが「飛距離が欲しい」と思うもので、そのニーズに合わせて毎年「よく飛ぶドライバー」が発売されています。
同じドライバーを使っても、人によって飛距離が違うのは「パワー」によるものという考え方があります。
一方で、テレビのゴルフレッスンなどで、小柄な女子プロゴルファーが大きな男性をオーバードライブしている映像を見たことがあると思います。
どう見ても男性のほうがパワーはありそうです。
そういった点から飛距離はパワーよりもスピードが大事という考え方もあります。
ヘッドスピードの速さがドライバーの飛距離を左右していると考えられています。
確かに小柄な女子プロゴルファーのヘッドスピードは速そうに見えますし、大柄な男性ゴルファーのヘッドスピードは遅いと感じてしまいます。
では腕力のありそうな男性のヘッドスピードがなぜ遅いのか、その原因を探ることで飛距離アップの方法を考えていくことにします。
ドライバーのヘッドスピードが遅いのは肩回転に問題あり!
ドライバーのヘッドスピードが遅い理由の1つに、肩を回しているつもりが回っていないという捻転不足があります。
自分のスイングイメージでは左肩をしっかり回して、理想に近いトップの形を作ることができていると感じているはずです。
しかし実際は左肩が十分に回っていないことから、円の動きをするスイングプレーンが崩れて、遠心力が働かないスイングになっているかもしれません。
ヘッドスピードが遅い原因はスイングの弱さにありますが、その元となっているのは肩が回っていないことです。
プロゴルファーであれば、スイングチェックをしてくれる専属コーチがついていますが、アマチュアゴルファーは自分でチェックするしか方法はありません。
そこでスマホを使って、前面と飛球線の後方から動画を撮って確認してみましょう。
トップの位置で、背中がターゲットの方に向いていれば捻転しています。
もしも、アドレスしたときと同じ方向であれば、捻転不足なので左肩を意識してテークバックをするようにしましょう。
ドライバーの動きを理解していないからヘッドスピードが遅い
ドライバーのヘッドスピードが遅いもう1つ理由に、スイングプレーンが間違っていることがあります。
いわゆる「手振り」でスイングしています。
手振りの理由にはいくつかありますが、腕力があって、しかもテークバックのスピードが速い人に多いようです。
手振りの症状の多くはアップライトなスイングになっています。
アップライトとは、本来の右耳の後ろに引くグリップを、真っ直ぐ引き上げてしまうことです。
アドレスで構えたグリップの位置を基点に、縦の円を描いて真上に引き上げるようなテークバックです。
このテークバックをするのは、ボールの後ろに向かって真っ直ぐ引こうとする意識が強すぎることに原因があります。
真っ直ぐ引けば、インパクトでスクエアなフェースになると思い込んでいるのではないでしょうか。
しかし実際のスイングプレーンは斜めの円盤なので、後頭部の辺りにあるグリップを、前方のボールに向かって振り下ろしていきます。
このとき大事なことは、ドライバーのヘッドは弧を描いていることです。
真っ直ぐ振り下ろすアップライトに比べて、弧の先端はグリップの動きよりも速く、スイングスピードも上がることになります。
遅いヘッドスピードはドライバーのテークバックに問題がある
ドライバーのヘッドスピードが遅い3つ目の理由は、速いテークバックにあります。
急激に引き上げた勢いのあるテークバックは、トップで止まりきれずに左手首が外側に折れたり、左手小指が離れてグリップが緩んだりします。
いわゆるオーバースイングの状態です。
そんなオーバースイングの欠点は2つあります。
1つ目はヘッドの動きに歯止めが利かずに行きすぎてしまい、ダウンスイングを始動するときにヘッドが遅れてくることです。
当然、インパクトゾーンでも遅れてしまい、ヘッドスピードに影響を与えます。
2つ目はヘッドの勢いに釣られて右肘が上がり、右脇が開いてしまうことです。
テークバックで右脇が開くと、身体は斜め左に曲がり、ダウンスイングでは開いた右脇を閉めて右肩が下がり、身体は右に曲がります。
この窮屈な姿勢が原因でヘッドスピードが遅れてしまいます。
速く振ろうという想いがテークバックでマイナスになり、結果的にダウンスイングでは遅いヘッドスピードになってしまうわけです。
ドライバーのヘッドスピードが遅い人は上半身が揺れている
ドライバーのヘッドスピードが遅い4つ目の理由は、上半身の揺れにあります。
強く振ろうという想いから、身体を捻り左肩を回すわけですが、左肩は左サイドに移動しただけで回ってはいません。
左肩を身体の中心に移動させると、右肩もさらに右側に移動して、上半身が右側に傾きます。
背骨を中心軸にして、軸が右足の上に移動するのであれば、スイングプレーンは楕円形になるだけで問題ありません。
でも上半身だけが右側に傾くとスイングプレーンが乱れてしまいます。
そうして右側に傾いた状態でダウンスイングに入ると、右肘が身体にくっついて右肩が沈む姿勢でインパクトを迎えます。
すると右手のパワーを伝えることができず、左手だけのインパクトになるので、ヘッドスピードが遅いスイングになってしまいます。
本来は強い振りを目指していたのに、逆に右サイドが窮屈になりヘッドスピードが落ちることになります。
さらに、右肩の沈みはダフリの原因にもなるので、ヘッドスピード以前にまともに当たらないということもありえるのです。
基本のスイングでドライバーの遅いヘッドスピードを改善
ドライバーのヘッドスピードが遅い理由は他にもありますが、その多くは基本の姿勢・基本のスイングでないことが原因です。
両腕を前方に差し出すような形でグリップ、いわゆるハンドアップにすると、ヘッドスピードの遅いスイングになります。
またスタンスを狭くすると、捻転した分のパワーを伝えることができず、ヘッドスピードの遅いスイングになります。
このように遅い理由が分かれば、それを変えるだけで速いヘッドスピードになります。
例えば両手を差し出すグリップを修正するときは、基本の姿勢を基準にします。
肩幅に両足を広げ、腰から上半身を前傾します。
両手をだらりと下げて、拳2つ分でグリップできるところまで前傾します。
この姿勢でグリップすれば、ハンドアップは一瞬で修正することができます。
またスタンスの幅が狭い場合には、ティーアップしたボールの前で両足を揃えて立ちます。
左足を足幅分1個外側(左)に移動、右足で両脇の外側になるまで開きます。
左足内側のくるぶしの延長線上にボールがあれば、ベストポジションです。
このように腕力に頼ることなく、基本に戻すことでスムーズなスイングができ、結果的には遅いはずのヘッドスピードも速くなっていくはずです。
ドライバーのヘッドスピードが遅い人は初心に戻る
すでにスイング改造に取り組んだ経験があると、修正点が分かりにくくなっています。
ドライバーのヘッドスピードが遅い人は、早くするためのスイングを取り入れるよりも、スイングを基本に戻すだけで、意外に簡単に改善することができることもあると知っておきましょう。