アイアンを構えるときトップブレードで合わせると、フェースの向きがフックフェースに見えます。
アマチュアゴルファーの8割がスライスに悩みを持っているそうなので、フックフェースで構えるほうが安心感を持てるかもしれません。
そこでボールに対するフェースの合わせ方を確認していきます。
アイアンをセットするときトップブレードで向きを合わせる?
アイアンは方向性と距離感が重視されるクラブです。
方向性を決めるとき大事なポイントとなるのは、クラブをボールの後ろにセットしたときです。
フェースの向きが合っていれば、そのままボールをインパクトするだけで、意図する方向つまりターゲットに向かって飛び出していきます。
そこで大事なことは、フェースの向きをどこで確かめるかということです。
その方法は3つあります。
1つ目はフェース面です。
確かにフェース面でボールを捉えるのですから理にかなっていますが、漠然と広い面を基準に方向性をとることは難しいと思います。
2つ目はリーディングエッジです。
いわゆるアイアンの刃といわれるところをラインに見たてて、仮想する飛球線に対して直角(スクエア)を作れるようにヘッドを構えます。
3つ目はトップブレードです。
アイアンの最上部の厚み幅の部分で、ラインとしては一番しっかりしていますが、トップブレードをスクエアに合わせるとフックフェースになります。
この3つの合わせ方の中で、3つ目のトップブレードで合わせる方法を今回は検討していきます。
アイアンがスライス気味の時トップブレードで向きを合わせる
まずは構えるときを確認します。
一般的には地面にソールしてシャフトの角度(ライ角)に合わせてグリップを握ります。そのままボールの後ろにセットすると、リーディングエッジを基準とした構えができているはずです。
確かにリーディングエッジはスクエアになっていますが、フェース自体は若干開いているようにも見えます。
これはフェース面のネック側が小さくトゥ側が広がっているための目の錯覚なのですが、実際にスライス気味のプレイヤーにとっては構えるときの不安材料となります。
そこで再度握り直してトップブレードをスクエアにして構えます。
明らかにフェースの向きは左方向を指していますし、このままスイングすればフックボールが出そうな気がするはずです。
でも、その状態でゆっくり素振りをしてみてください。
ゆっくりテークバックしてインパクトゾーンに降ろしてきたとき、不思議とフェースの向きはスクエアになっているはずです。
この理由はスライスするアイアンのショットに原因があります。
トップブレードで向きを合わせるとフック系のアイアンになる
アイアン自体はスライスしても、一定の曲がり方をしていれば問題ありません。
ターゲットの位置を意識的に左向きに移せば、飛距離は若干落ちますが番手を上げれば問題なくターゲットの場所にボールを運ぶことができます。
ただし、スライスする原因は重要です。
スライスする理由はいくつかありますが、代表的なところではアウトサイドインのスイングプレーンです。
ヘッドが飛球線よりも外側から振り下ろされて、インパクト後には内側に入るカット打ちになっています。
するとボールを右から左に擦るように当てることになり、右回転のスピンがかかってスライスボールになるわけです。
アウトサイドインで振り下ろしたとき、フェースは根元(ネック)側が先行しているのでフェースが開いてボールをインパクトします。
つまりそこで最初にフェースを閉じた状態でクラブを握りスイングすると、インパクトのときに丁度よいスクエアのフェースになっているわけです。
でも、これだとアウトからインに擦っているヘッドの動き自体は変わっていません。
そのためスライスボールがまだ残ります。
そこでさらにヘッドを被せて左方向にフェースを向けようとする方が多いです。
しかし本来であればこの行為でボールは左方向に飛び出していくことになりますが、実際には右方向に飛び出していくゴルファーが多いのは、腰が左側に移動するからです。
左方向にストレートボールが出るはずなのに、ダウンスイングの勢いで腰が左側に移動するため、身体が右に折れた「く」の字の姿勢でインパクトしているから右へ飛んでいくということです。
トップブレードで向きを決めるとフライヤーの心配がなくなる
基本的にはスクエアにスイングするべきです。
でもシャフトの硬さとスイングスピードによってヘッドの動きは変わってくるので、一概に正しいスイングをしたからと言って正しいフェースの向きになるとは限りません。
特にアイアンの場合には、ボールの置かれている状況によっては打ち方を変える必要があります。
例えばラフからのショットでは、予定する飛距離以上に飛ぶフライヤーに気をつけなくてはいけません。
飛距離が伸びることを想定して、番手を落としてショットすることもあるかもしれません。
またダウンブローで鋭角なショットでボールをとらえて、フライヤーを抑える打ち方をするかもしれません。
いずれにしても、ヘッドをボールの後ろに置いて「ライの改善」を行うショットはできないので、空中に浮かせた状態でアドレスすることになります。
このときリーディングウェッジで合わせると、トップしたショットになるイメージが強くなります。
しかしそこでトップブレードでスクエアに合わせると、フェースが閉じていることもあってフライヤーのイメージがなくなってスムーズにアドレスに入れると思います。
アイアンの向きをトップブレードで合わせて失敗する事もある
ここまで話してくるとトップブレードで構えると良いことばかりのようですが、場合によっては不都合なこともあります。
それはダウンスイングがインサイドアウトだとフックする可能性があることです。
セットアップのときトップブレードで向きを合わせるとフックフェースになります。
そのフックフェースのアイアンをテークバックしたとき、イン側からアウト側にスイングするとボールに左回転がかかるので、さらにスピン量が増えて強いフックボールになるわけです。
スイングプレーンがインサイドアウトであることには問題はありません。
ただテークバックでイン(内側)に引いたときに右肘が下がり、さらに右肩が下がるとインパクトでグリップの先を押し出すようなスイングになります。
いわゆる「右手を返す」スイングなので、右手甲が上向きになっているはずです。
フックフェースにインサイドアウト、それにフェースをかぶせるのですから、フックどころかもしかするとチーピンになるかもしれません。
アイアンの向きを合わせるときは、自分のスイングプレーンと合っているかを見極めることが大切です。
アイアンのコントーロルショットでは有効か
でもやはりトップブレードで構えると良いことがあります。
コース内でアイアンを使用するとき、常に平らな場所で打てるとは限りません。
深いラフやバンカー、樹木の中からのショットなどコースレイアウトによって打ち方を変えることがありますし、左下がり・右下がり・前下がりなどのときは微妙にスタンスで修正することがあると思います。
特に多いのはオープンスタンスではないでしょうか。
アイアンで打つとき、ティーショットはクローズドスタンスになることもあるかもしれませんが、セカンドショット以降はピンポイントに落としたいと考えてオープンスタンスを使うことがあります。
オープンスタンスとは、飛球線と並行に立つ両足のうち、左足を踵側に下げて体を開いた状態で構えること。
ただしそのまま振るとカット打ちになるので、クラブは通常通り飛球線の後方線上に引くことが大切になります。
身体が開いていることから左肩の外転が少なくなり、楽にテークバックすることができるので、無理な体勢のときでもスムーズに引くことができます。
ただこのとき、リーディングエッジで向きを定めると、「スライス」が頭によぎるかもしれません。
そこで足先を開いたオープンスタンスにして、ハンドファーストに構えます。
そしてトップブレードで向きを定めると、スクエアなショットになるはずです。
ちなみにロングアイアンは合わせやすく、ショートアイアンは合わせにくいことがあります。
なぜならショートアイアンは縦振りになることが多く、フックフェースのままでインパクトしてしまうからです。
あくまでも自分のスイングに合わせて、アイアンの向きを調整することが大切です。
トップブレードで向きを合わせたらアイアンの飛距離が変わる
トップブレードでアイアンの向きを合わせるとスライス防止に役立つので、スライス気味のゴルファーにとっては便利な合わせ方だと思います。
ただし変更前にリーディングウェッジで合わせていたのであれば、幾分か飛距離が伸びることもあるので、練習場などで自分の飛距離と番手を確認しておくことをオススメします。