上級者だけではなく初心者の中にも、左方向にドライバーショットが飛ぶことで悩んでいる人がいるようです。
左方向へのショットの原因は単純なもの、簡単に修正することができるので、いくつかの原因とその確認方法と修正法を紹介します。
プロのドライバーは左に飛ぶことが多い?
ドライバーのショットが安定しないと悩んでいる人は多いようですが、もともとドライバーでインパクトされたボールは、意に反して真っ直ぐ飛ぶことは少ないものです。
これは初心者だからというわけではなくプロゴルファーでも起こる現象です。
ただしプロゴルファーの場合には、意図するポイントからの外れる範囲がアマチュアと比べると狭いと言うだけです。
ドライバーショットが意図する方向に飛ばないのは、打ち出しから違う方向に飛ぶ場合と、ボールに横回転がかかり軌道から曲がっていく、つまりフックやスライスをする場合の2通りがあります。
アマチュアゴルファーの約8割は、スライスボールに悩みを抱えているそうです。
一方でプロゴルファーの場合にはフック系の曲がりが多く、ターゲットよりも左に飛ぶことが多いようです。
この違いはインパクトの前の手首の使い方に原因があります。
本来、インパクトの瞬間のフェースは、飛球線に対してスクエア(直角)であるべきですが、スライスする場合にはヒール(根元側)が先行してボールに右回転をかけています。逆にフックする場合には、トゥ(先端側)が先行してボールに左回転をかけているわけです。
グリップよりもヘッドが遅れるとスライス、逆に先行するとフックになるため、プロは左に飛ぶことが多いと言うことになります。
ドライバーが左に飛ぶのは捻転不足
プロに多い左方向のフックボールですが、アマチュアの中でも約2割の人が悩んでいるそうです。
どうしてフックボールになるかは前項で説明していますので、ここではドライバーのフックボールを止める打ち方について説明します。
左に飛ぶスイングで考えると理由はたくさんあります。
グリップの握り方、スタンスの取り方、スイングプレーンのゆがみ、手首の使い方、まだほかにもたくさんありますが、すべての対処法を説明することは無理なので、代表的な理由とその対処法を通じてフックボールを止めるようにしたいと思います。
1つ目は、ドライバーをテークバックするときの身体の捻転です。
身体を十分に捻転していないために、いわゆる手打ちになっています。
手打ちとは、テークバックでグリップをトップの位置にしたとき、両肩が飛球線に対して平行、またはそれに近い姿勢をとっている状態です。
本来であれば、左肩と右肩を結ぶ線が飛球線に対して直角となる捻転を状態のはずが、腕だけでクラブを持ち上げているわけです。
この状態では左腕の力が消えてしまい、右腕主導でダウンスイングをすることになります。
結果的に右脇を開いてスイングするため、ヘッドの先が先行してしまい、ボールに左回転を与えることになります。
テークバックの時には、右肩を後ろ側に引くようなイメージで捻転すると、正しいスイングができるはずです。
ドライバーが左に飛ぶのは手首の折れが原因
2つ目は、ドライバーを振るときの手首の返しです。
インパクトのとき、手首が甲側に折れています。
折れた状態というのは、身体の中央でパターを構えたときにできる手首の角度です。
パッティングでは手首の折れに問題ありませんが、ドライバーショットでは修正しなくてはいけません。
テークバックでトップの位置になったとき、理想は左腕と左手甲は一直線のフラットな状態です。
もしも手首が甲側に折れていたら、オーバースイングになっているので、まずはそこを修正します。
このフラットな状態はインパクトまで変わりません。
なぜならアドレスしたときボールの位置は、左足内側のくるぶしの延長線状にあったはずだからです。
そのアドレスしたときの手首はフラットだったはず、だからインパクトの時も同じようにフラットでなければいけません。
実際のダウンスイングでは、グリップエンドを先行するイメージでクラブを下ろします。
右ももまで来たときに、グリップエンドを自分のおヘソに向けるようにします。
そうすれば、手首を折らずにフェースはスクエアになり、ボールは真っ直ぐに飛ぶはずです。
ここで大事なことは、この動きが早すぎるとプロゴルファーのように、ヘッドスピードが上がりトゥ側が先行してしまうことです。
左回転を与えないために、あくまでも手首を返さないことを意識してスイングすることが大切です。
ドライバーが左に飛ぶのはクローズスタンスにある
3つ目は、ドライバーを構えときの足の位置です。
いわゆるクローズド・スタンスになっています。
スタンスがクローズとは、左足のつま先だけが前に出ている状態を言います。
本来は飛球線に対して両足のつま先が平行な状態です。
クローズは左足だけ少し前に出ている状態、反対にオープンになると左足が後ろに下がった状態を言います。
極端なクローズド・スタンスをとると、スイングプレーンはインサイドを通りインパクト後にアウトサイドに抜けることになります。
ヘッドの軌跡を考えると、飛球線に対して左から右に擦った状態で動くことになります。ただし、インパクトのとき飛球線に対してスクエアなフェースであることが条件になります。
本来であればインサイドアウトのスイングでは、フェース面は外側に開いているので右方向に真っ直ぐ飛ぶことになります。
ところが意識的にフェースをかぶせて(左方向)アドレスすると、インパクトの時にはスクエアな状態になるわけです。
この場合には、飛球線に対して平行(スクエア)なスタンスをとり、ヘッドをかぶせないようにグリップすれば、真っ直ぐ飛ぶようになります。
ドライバーが左に飛ぶのはグリップの握り方が原因
4つ目は、ドライバーを握るときのフックグリップです。
名前からしてフックボールが出る握り方ですが、スクエアなスタンスでスクエアなスイングプレーンであっても、ボールは左方向に飛ぶ握り方です。
ドライバーをダウンスイングするとき、本来は飛球線に対してフェース面をスクエアにインパクトします。
でもフックグリップではトゥ(ヘッドの先端)が先行するので、ボールに対してフェースは斜めに当たることになります。
この状態でインパクトすると、ボールに左回転がかかりフックして飛ぶことになります。
では、フックグリップについて確認しましょう。
通常のグリップは、対面者と左手で握手をしたときの角度でグリップを握ります。
このとき左手の甲を見おろすと、通常はナックル(第三関節)が2つ見えますが、フックグリップだと3つ以上見えています。
つまり左手の甲が上を向いているわけです。
左手甲が上を向いていると言うことは手首が折れているということ。
この状態でフェース面をスクエアに合わせているのに、インパクトで手首がフラットになれば、フェースは閉じてフックボールが出るわけです。
この手首の動きに慣れがあるようなら、短期間だけフィンガーグリップに変更します。
テンフィンガーとも言われていて、10本の指で握る方法です。
当然、フックグリップはできませんし、簡単にフェースをスクエアに合わせることができます。
ドライバーの打ち出しが左に飛ぶのはスイングプレーンにある
ボールが回転して左側に飛ぶだけではなく、打ち出しで左に飛ぶことがあります。
いわゆるターゲットよりも左側に真っ直ぐ飛ぶボールです。
理由は左に打ち出しているからです。
ドライバーを構えたとき、ターゲット方向の飛球線に対して、右側から左側にスイングしているわけです。
つまりスイングプレーンが左側を向いているため、当然ボールは左に飛ぶことになります。
テークバックのときにターゲットに対して飛球線の右側に引いています。
トップの位置からインサイドに振り下ろすため、斜め切りのようなスイングフォームになっています。
もしフェースがスクエアであればスライスボールになりますが、フェース面がスイングに合わせて左を向いているので、インパクトで左に打ち出すことになります。
これを止めるためには、トップの位置を右耳の上にあること、ダウンスイングで左腕が左胸を擦っていることが実感できるようにします。
これでインサイドのスイングになっていますので、あとは自然にフォローをとればインサイドアウト、もしくはインサイドインのスイングになり、左への打ち出しは解消されます。
すべて基本に忠実であれば起きない現象なので、「おかしい?」思ったときは基本のスイングに徹すると早く修正できるはずです。
ドライバーショットが曲がって飛ぶのは自然なこと
ドライバーの方向性はゴルファーの永遠のテーマだと思います。
どんなに調子が良くても、上手になっても、左に曲がるときや右に曲がるときはあるものです。
ただ曲がったときに修正する方法を知っていれば、その場で真っ直ぐ飛ばすことができるはずです。
そのためには基本のスイングを習得すること、これが一番簡単にできる修正法だと思います。