日本での賞金王や中日クラウンズでの世界最少スコアなど、石川遼選手は輝かしい実績を引っ提げ挑戦した米ツアーですが、まだ思うような結果が残せていませんね。
日本に帰ってきて参加する単発の日本ツアーでは優勝したりと、これだけ実力のある選手なのに米ツアーでは実績がついてきません。
決して米ツアーで通用しない様なゴルフスイングではないはずです。
石川遼選手のゴルフスイング動画を観ても軸のしっかりしたアマチュアゴルファーが見れば惚れ惚れする様なスイングと言えます。
では、なぜ石川遼選手は米ツアーで活躍できないのか、その理由を考えてみましょう。
石川遼選手のゴルフスイング動画を見れば世界一流だと分かる
石川遼選手のゴルフスイング動画を見ると、個性的なスイングの選手が多い米ツアーにあって、軸の安定度やスイングリズムなど他の選手に引けを取らない、またはそれ以上のスイングをしていると思われます。
ドライバーの平均飛距離も300ヤード近くと、決して米ツアーで戦えない距離ではないと言えます。
動画でもよく分かるのですが、石川遼選手のゴルフスイングの良い点は何といってもスイングリズムです。
バックスイングからフォロースルーまで流れるようなスイングリズムとなっており、腕が体と一体となって振られます。
スイングの中に無駄な動きが一切なく、非常にきれいなスイングと言えます。
フォロースルーもI字型に収まり、スイングに無理が無い事がその結果から見て取る事ができます。
左足のずれもなく、素晴らしいフィニッシュです。
どちらかというと米ツアーで活躍する選手のスイングというのは個性的な方が多いので、石川遼選手のスイングは一級品と言う事ができると思われます。
石川遼選手のダイナミックなゴルフスイング動画を観る
身長や体が大きい方ではない石川遼選手ですが、飛距離は飛ばし屋の部類に入ります。
その理由としては、体全体のパワーを無駄なくボールに伝える事ができるスイングだからですね。
ワイドスタンスにしてバックスイングでは上半身と下半身の捻転差を大きくし、ねじり戻しの力を使ってスイングスピードを上げています。
体格差からくるパワーの劣りを捻転差の大きなゴルフスイングでカバーしています。
下半身の使い方も上手く、インパクトゾーンでヘッドが加速する様に右足の上がりを我慢しています。
ヘッドと体が引っ張り合う力を最大化させています。
この動きはゴルフスイング動画のスローモーションを見るとよく分かるのですが、フォロースルーを大きくとっているにも関わらず右足の上がりが遅い事が見て取れます。
すぐに右足かかとが上がってしまうゴルファーには参考になる動きです。
石川遼選手のゴルフスイングは、大きな捻転差と大きなスイングアークで作られている為、他人が見るとダイナミックな感じがします。
石川遼選手が他のパワーヒッターに引けを取らない飛距離を出せるのは、日頃の鍛錬とこのスイングがあるからなのですね。
石川遼選手のゴルフスイングが変わった事が動画から分かる
米ツアーに挑戦中の石川遼選手ですが、日本ツアーを主戦に戦っていた時とはスイングが変わった事が彼のゴルフスイング動画を見ると分かります。
日本にいた頃は、フェースローテションをフルに使ったスイングだったのが、米ツアーに挑戦中の現在では、ローテーションが抑えられています。
フェースローテーションはバックスイング時にフェースを開きインパクトに向けて閉じていく動きなのですが、この事で得られる一番のメリットはスイングスピードの加速です。
バックスイングでフェースを開いていくと深いトップが作りやすく、ダウンスイングではフェースを閉じていく必要があり、閉じる為には体の左サイドの開きをやや抑え気味にする必要があります。
この動きで得られるのがスイングスピードなのですが、クラブヘッドが手元を追い越していくスピードを最大化させる事ができます。
しかし、米ツアーを戦う今ではバックスイング時のフェースの開きが少なく、構えた角度のままスイングする傾向にあると思われます。
恐らくこれは、米ツアーの過酷なセッティングに対応する為だと思われますが、フェースローテーションを使わない分、飛距離が犠牲になります。
なかなか結果を出せない中、石川遼選手の苦闘を伺い知る事ができる現在のゴルフスイングです。
石川遼選手のゴルフスイングはボールを上から捉えるのが難しい
米ツアーの大柄な他のプロと比べて石川遼選手の身長はどちらかと言うと低い方に入りますよね。
米ツアーのラフは日本ツアーと違い深くてタフです。
芝生の種類も粘りのある洋芝の為、クラブに絡みつく様な感じがします。
日本でも洋芝を採用しているゴルフコースに夏行くと、ラフに入れると苦労します。
洋芝の葉は柔らかい為、フェアウェイでもボールが少し沈みます。
米ツアーのゴルフスイング動画を見ると分かります。
こういった事から、クラブをボールの上からきっちり入れないとその性能を発揮できないのですね。
そして、特にラフに入れた時、身長差というのが顕著に現れるのですが、身長の高い選手はクラブを縦に振って洋芝の絡みを少なくしています。
これは入射角度が鋭角なゴルフスイングと言えます。
しかし、身長が低い選手だとクラブの入射角度がどうしても緩やかになる分、クラブヘッドが芝に絡みます。
実際、その差数センチなのですが、この数センチが1年を通じてみた時非常に大きな差となって現れるのが米ツアーです。
ラフからグリーンオンできるかどうか、1ツアー数回としても年間で数十回の差となって現れます。
石川遼選手が苦戦する理由ですが、そもそものゴルフスイングから見ると、どうもこの辺にあるのではないでしょうか。
ゴルフスイング動画を見るとパワー不足の感もある
石川遼選手のゴルフスイングのパワーについて見てみましょう。
ドライバーの飛距離は負けていないと言えるのですが、大柄な選手が多い米ツアーで見ると、そのパワー不足感は否めないと思われます。
ドライバーショットの際はクラブヘッドとボールが直接コンタクトする為、抵抗を意識しなくても良いのですが、ラフに入るとそうはいきません。
洋芝の大きな抵抗がスイングの邪魔をします。
そのためラフから飛ばすにはパワーが必要になります。
また、石川遼選手は細身の為、ここぞという時のパワーを出す事というのは難しい体つきであると言えます。
同級生である松山英樹プロの体格と比べると一目瞭然ですよね。
松山選手は過酷な米ツアーで戦う為に、体を大きくしています。
彼のゴルフスイング動画で見ると、体幹の太いスイングと言えます。
松山英樹選手が米ツアーで結果を残せている事から見ると、パワーという要素がいかに必要なのかが分かると言えますよね。
石川遼選手も練習量と技術面は負けていないと思われます。
しかし、ここぞという時のパワー不足からくる影響が、グリーン上でのパッティングにも影響していると思われます。
現在の石川遼選手のゴルフスイングについて
米ツアーで苦戦中の石川遼選手のゴルフスイングについて、日本ツアーで戦っていた時よりもフェースローテーションを抑えたスイングになっている事に触れました。
また、スイングスピードについても、ドライバーショットならフェアウェイを外さない様に幾分抑えて振っている事がゴルフスイング動画を見ると分かります。
ラフに外したくないからですね。
しかし、現在の米ツアーはパワーゲームの色合いが強く、コースの長さも長くなっています。
米ツアー、他のシード選手はガンガン振って飛ばしていますし、ラフに入れてもパワーでグリーンまで持っていきます。
こんな中において、調整されたスイングで戦っていける程、米ツアーのコースは甘くないと言えます。
モンスターホールと呼ばれる様なコースがあることも珍しくなく、現在の石川遼選手のスイングで結果を残すのは難しそうです。
しかし、米ツアーで戦う為に現在ゴルフスイングの見直しを行っているでしょうし、適応できれば結果も残せる実力の持ち主である事は間違いありません。
米ツアーで活躍する日本人プロが増える事を願います。
プロは結果がすべて。最近メディアで見かけなくなった石川遼選手
米ツアーで思うような結果を残せていない石川遼選手ですので、最近メディアで見かける事も少なくなりました。
結果が全てのプロの世界ですから仕方のない事です。
しかし、石川遼選手が活躍すれば日本のゴルフ界も盛り上がるでしょうし、一時期石川遼選手の活躍があって日本のゴルフ業界が盛り上がったのも事実です。
米ツアーで戦っていくのは並外れた努力が必要になるでしょうが、石川遼選手の活躍を信じて応援していきたいですね。