横峯さくらのスイングの形は変則だけど問題ないのはなぜ?

最終更新日:2017/05/30

プロゴルファー横峯さくらのスイングを見て、変だなぁと思ったことがある方は結構いるのではないでしょうか。

独特なスイングですが、十分な飛距離も出る安定したショットですよね。

スイングの形はショットに関係ないのでしょうか。

なぜ彼女があのスイングでたくさんの実績を出したのか解析していきましょう。

変なスイングでも関係ない!横峯さくらが残す実績の数々

最近何かと話題の韓国人選手たちは、まるでゴルフマシーンのようにみんな同じようなスイングをしています。

対して日本人選手の多くは、個性のあるスイングをします。
中でも横峯さくら選手のスイングは、かなり独特です。
その独特過ぎるスイングスタイルを変だと思う人も少なくはないでしょう。

韓国選手たちの教科書のようなスイングではないのですが、彼女はしっかりと実績を残しています。

ゴルフ好きの父の影響で8歳からゴルフを始めています。

2004年にアマチュアでしたが、再春館レディースで不動裕理選手らとプレーオフにまで持ち込みました。
同年プロテストに2位で合格しました。

デビュー戦から上位やステップアップツアーで優勝などをし、翌年にはシード権を獲得しました。

2005~2008年まで、年に1~3勝はするといった安定はしているけど、賞金女王にはなれない成績でした。

しかし2009年にメジャー1勝を含む年間6勝を挙げ、念願の賞金女王に輝きました。

現在アメリカツアーに参戦中で思うような結果を残せていませんが、日本では輝かしい実績の数々を残しています。

変だと思われる横峯さくら選手のスイングの特徴

横峯さくら選手は、アマチュア時代からプロになってもスイングを大きく変えていません。

自分のリズム、タイミングが現在のトップの位置だと本人が語っています。
変だと思われているそのトップの位置こそが彼女のスイングの特徴なのです。

長尺クラブを使用し、テークバックでヘッドが地面を突き刺しそうになるほどの極端なオーバースイングです。

スイングの基本として、オーバースイングだとスイング軌道が安定せず、ボールが捕まらないと言われています。
しかしこのスイングで、155cm、55kgと小柄ながらドライバーを250~270ヤードくらいは飛ばします。

このようなスイングになったのは、彼女にゴルフを教えた父親がゴルフを生業としていなかったからだと言われています。

しかし彼女のスイングは、素人だけでなく他のプロゴルファーも真似できない変則スイングだと言われています。

ところが彼女自身は、オーバースイングだと言う自覚はないようです。

実際一般的に理想とされるトップの高さにクラブを収めると、ハーフスイングのような感覚になり、気持ちよくスイングできないと話しています。

横峯さくら選手のスイングを分析

ドライバーが長尺でスイングプレーンがフラットなので、グリップが体から結構離れます。

オーバースイングですが、悪いオーバースイングと違い、トップで右脇以外の緩みが全くありません。 

右膝不動、左踵べた足です。

シャフトは、オーバースイング中もオンプレーンなので、ダウンスイングでもシャフトに横方向のねじれは生じません。

トップで右脇が空く以外は全く問題のないオーバースイングと言えるのです。

腰の動きにも注目してみましょう。

グリップが肩の位置で腰は約45度右に向き、そこからトップまで全く動きません。

オーバースイングとともに腰が入っています。
腰を入れることによって、軸を維持し、スエーを防いでいるのです。

腰は右45度から左45度でインパクトを迎え、その後飛球線方向に向きます。

インパクトで左足の蹴りによる引きが激しく入り、上体がバックし一瞬左足が浮いて動いています。
そのため押し込みが一瞬止まっているように見えますが、左が引けて右が出て行き、完全に左に乗り切っています。

腰の押し込みと左膝伸ばしによる引きが、横峯さくら選手のパワフルなスイングの源となっていると言って良いでしょう。

そして変則オーバースイングであっても不動の軸であることが安定したショットを生み出しているのです。

変でも良いスイングと悪いスイングがある

横峯さくら選手は、オーバースイング過ぎる変則であっても全く問題ありません。

しかしアマチュアがオーバースイングだと問題がある場合があります。

同じオーバースイングでも良いものと悪いものとの違いはいったい何でしょう。

良いオーバースイングは、

①体の芯がずれていない
②上半身をしっかりと捻転できている
③リズムとテンポがきちんと出来ている
④柔軟性があるからこそ可能になる

オーバースイングであっても、これらの条件に当てはまり、ミスが少ないのであれば、オーバースイングを見直す必要はありません。

対して悪いオーバースイングは、

①体の芯がずれ、最悪スエー状態
②下半身も一緒に回転している
③手先でクラブを上げ、腕と身体が同調していない

このようなスイングをしていると正確なインパクトが出来ず、再現性低くミスの多いショットになってしまいます。

悪いオーバースイングは、時間を要してでも矯正しなければなりません。
これは初中級者がやりがちなので、鏡やスイング動画で一度自分のスイングを客観的に見てみましょう。

悪いオーバースイングの原因とは

横峯さくら選手のオーバースイングは、それでも問題ないようにしっかりと出来上がったものですが、そうでないオーバースイングにはもちろんそれなりの原因があります。

最も多いのが気持ちや意識から起こること。

それは「飛ばそうとする気持ちや意識」です。

変に飛ばそうと思うとどうしても腕を大きく振り上げてしまい、スイングが大きくなってしまいがちです。
また飛距離を悩みにしていると、なお更その意識が高まりどんどんスイングが大きくなってしまうのです。

次に体重移動を意識しすぎることで体の軸までも左右に流れてしまうことです。

軸がしっかりしていないと、体と腕は動き放題になってしまい。スイングを余計に腕に頼ってしまう結果になります。
それがオーバースイングを引き起こしてしまうのです。

そしてトップの位置で手首が緩んでしまうと、手首が甲側に折れてしまい、オーバースイングになってします。

これは女性ゴルファーに非常に多いです。

手首が折れること自体は問題ないのですが、そこまで保っていた手首の角度がキープしきれていないのが問題なのです。
これはアドレスでグリップがしっかり出来てないことが一番の要因と言えます。

ショットが安定しない人は、これらをセルフチェックしてみましょう。

プロゴルファー横峯さくらと父の伝説

変と言われるくらい独特な横峯さくらのスイングは、父よって出来上がったものだと言われています。

そんな仲良し親子には様々な伝説が存在しています。

スイングも独特ですが、その練習法も独創的なのです。

故郷の鹿屋市に山林を切り開いて作った専用練習場で、全長20m・幅5cmの竹をドライバーで打って割る「竹割り特訓」が有名です。

また彼女が高校生の時に、選手生命を脅かすようなほどの靭帯断裂する大怪我をしてまともに練習が出来なくなったことがありました。
その際に父親はゴルフを止めて治療に専念させるのではなく、立ってスイングが出来ないのなら椅子に座って打てばいいと言う発想に至ったようです。

結果として上半身の使い方がとても上手くなり、治癒後にはドライバーの飛距離が20ヤード伸びたと言われています。

この腰掛けスイング練習法も今では結構有名ですよね。

それからデビュー当時から、ツアー移動はマイクロバスを改造した自作キャンピングカーで移動し、車内で寝泊りしていました。
高い宿泊費を浮かすためにしていたのです。

口うるさい父親がキャディだったことで、公然とウザいと言ったり、試合後に大喧嘩して父親を蹴る姿も目撃されています。
そんな2人のやり取りはゴルフ中継の名物にもなっていました。

しかしホームページの師弟関係の所には「父」と書いており、極端に嫌悪しているわけではないのが伺い知れます。

スイングのポイントを押さえていれば問題なし

韓国選手のようなきれいなスイングに憧れる気持ちは良く分かります。

自分のスイングを動画で客観的に見たときに変なスイングだったときのショックは結構大きいですよね。

しかし、横峯さくら選手のようにスイングの基本的な部分をしっかりと押さえていれば、スイングの形は関係ないのです。

ミスショットがほとんどないのであれば、それはそれで問題ありません。
しかしミスショットが3割以上であれば、スイングを見直す必要ありでしょう!