ゴルフスイングには、ボディーターンとリストターンの2種類のスイングがあります。
このうちの1つ、ボディーターンが、体の軸を中心に足腰を使ってクラブを振るスイングです。
ゴルフには激しい運動のイメージはありませんが、練習や18ホールのラウンドでは足腰をかなり使います。
ゴルフ上達のために、上手にボディーターンでクラブを振るためのコツや足腰の鍛え方を教えます。
ボディーターンとは足腰を使ってクラブを振る運動
ボディーターンとは、手や腕ではなく、体の回転軸を中心に足腰を上手に使ってパワーを生み出し、ボールを打つスイングの手法です。
スイングの手法には、これと別に手や腕を使ってクラブを振るリストターンもあります。
手や腕を使ってクラブを振るリストターンは、ボールを遠くまで飛ばしたい場合やラフに埋まったボールを芝ごと打つ時のような、インパクトである程度の力を加えたショットを必要とする時に使います。
逆に、距離を上手に調節して打たなければならない距離の短いアプローチなど絶妙な距離感が必要となるショットの場合は、ボディーターンを使います。
ボディーターンとは、腕や手首の力を使わないようにして、肩回りや腰回りなど大きく鈍感な筋肉を使ってボールを打つことです。
常に体の近くをクラブが通過するイメージで素早く円運動するように体全体を回転させます。
ですからリストターンのスイングと比べて、最短距離を高速で通過していくのです。
腰の回転が先行して、腕やクラブは遅れてついていくので、ヘッドスピードが上がり、スイング軌道の安定性が上がります。
体の軸を安定させるために足腰を使ってクラブを振るポイント
足腰を使ってクラブを振るためには、まず体の軸を固定してクラブを振るという感覚を身につけなければいけません。
体の中心軸が安定していないと、足腰を積極的に動かした時に、スイング軌道がとても不安定になってしまうからです。
中心軸を安定させるために意識するポイントは、
・頭の位置
・背骨の角度
・両膝の位置
です。
頭の位置は、スイング中の上下運動を防ぐ必要があるからです。
背骨の角度は、スイング中の伸び上がりや沈み込みによるスムーズな体の回転の妨げを防ぐ必要があるからです。
膝の流れや上下運動は、軸ブレしたり、下半身の足裏のバランス感覚を無くすので両膝の位置を変えない必要があるのです。
足腰だけなくへその向きもポイント
足腰を使ったボディーターンのスイングでクラブを振る場合に、重要視していない人が多いのが、スイング中のグリップの位置です。
グリップエンドが向いている方向が体の中心から外れてしまうのは、腕や手首を使ってクラブを振っている証拠です。
それは体の遠くをクラブが通過するスイングショットになっているのです。
グリップエンドが向くのは、体の中心で、なるべくおへそを向けた状態でスイングするイメージを持つと良いでしょう。
最初は短い距離のアプローチショットでこのスイングを試してください。
小さなスイングでゆっくりとバックスイングし、ダウンスイングでも手元を体の中心から外さないように心がけましょう。
この練習をする時に注意することは、フィニッシュの時のおへその向きです。
フィニッシュではなるべくおへその向きが目標位置に真っ直ぐ向けて終わるのが理想的です。
腕や肩は回転しているのに、おへその位置がアドレスの時の向きと変わらない人がいます。
ダウンスイングでは、膝の流れや上下運動を防ぎつつ、膝のクッションを上手に使い、おへそが目標方向に向くフィニッシュを意識してください。
手首の使い方にも注意して振る
足腰を使ってクラブを振るためには、実は手首の使い方がとても重要になってきます。
右利きゴルファーは、ダウンスイングでアドレスの角度が崩れないように、ダウンスイングでは右脇を締めてクラブを振り下ろしてくる感覚を持つようにしてください。
右手首の角度を意識する時に、手首の関節が折れる向きに注意します。
手首は左右に向けて折らずに、必ず上下に折れるスイングを意識しましょう。
バックスイングの時の、テークバックからトップまでは、腰と肩を十分に回し、上体の捻転や回転が使えるスイングをしましょう。
ここがゴルフスイングを「体の軸を中心に足腰を使ってクラブを振る運動」と考える点です。
右利きゴルファーは、トップで左肩をアドレス時の右肩の位置に持ってくるイメージでゆっくりと回すと良いです。
意識するだけではなかなか難しいので、腕や手首ではなく、体の回転力、上体と下半身が同調するスイングを身につけるために、小さなゴムボールを使った練習をオススメします。
そのボールをアドレス時の両腕に挟み、落とさないようにゆっくりスイングをするのです。
足腰を使うスイングのための準備運動
足腰を使ってクラブを振ることについてばかりお話してきました。
しかしここで重要になってくるのが、腰の回転をよくする為の準備です。
腰の回転を良くするためには、準備運動が大切になってきます。
腰の準備運動をして腰を柔らかくしていないと、コツをつかんでいても腰を痛めてしまったり、上手くできなかったりします。
腰の準備運動は、腰を曲げたり、ねじったりするだけでは意味がありません。
いつものようにアドレスを作り、左右に大きくスイングをします。
遠心力を使って腕と腰が自然と回転するようなイメージです。
あくまでも準備運動なので、クラブの軌道や細かなスイングのポイントなどは気にする必要はありません。
次にトップの形を作り、そこからできるだけ深くフィニッシュの形まで持って行きます。これで腰の深いところまでストレッチできるのです。
準備運動をするときは、必ず左右の素振りをするようにしましょう。
右利きの人でも、左に持ち直して逆のスイングをするのです。
そうすることで左右の腰が均等に柔らかくなります。
準備運動だけでなくアフターケアも
日常生活で、足腰をゴルフスイングのように使うことはほとんどありません。
足はまだ日ごろから使っているかもしれませんが、腰はあまり使いませんよね。
特に練習場で100球打つとしたら、素振りを含めると100回以上は腰を使ってクラブを振るので、腰への負担は相当なものです。
先に紹介したような準備運動をしないで、練習やラウンドを続けていると、腰を故障することは間違いないでしょう。
大切なのは準備運動だけではありません。
練習やラウンドが終わった後の腰をケアすることも大切です。
ラウンド後であれば、入浴中や入浴後に軽くストレッチをすると良いです。
練習の後は、自宅に帰って腰だけでなく全身のストレッチをしっかりとしましょう。
ここで注意して欲しいのが、腰ばかりケアするのではなく、同時に股関節のストレッチもすることです。
腰を使うときには、股関節にも同じくらい負担があるのです。
怪我や故障をしてしまうと、どんなに上手になっても、大好きなゴルフをお休みしなければなくなるのでしっかりとケアをするようにしてください。
できるだけ足腰を鍛えるようにしましょう
ゴルフでは、下半身を鍛えることはとても大切です。
どんなにスイングのコツを覚えても、上手くクラブが振れるようになっても、下半身が安定しないとゴルフは上達しません。
それだけでなく、下半身への負担も大きいので鍛えていないと故障の原因にもなります。
ゴルフ上達をしつつ、長い人生でゴルフを楽しんでいきたいのであれば、面倒臭がらずに、足腰をしっかりと鍛えるようにしましょう!