ゴルフにおける手首の痛みと言うのはよくある話です。
プロやアスリートだけでなく、アマチュアゴルファーであっても手首を痛めることはもちろんあります。
むしろアマチュアだからこそ痛めやすいと言っても良いでしょう。
手首の痛みを軽く見て湿布を貼るだけにしてませんか?
甘く見てはいけません。
それ、骨のヒビや骨折の可能性も大いにありますよ!
ゴルフに多い手首の痛み、骨折やヒビ
ゴルフで手首を痛める人は非常に多いです。
プロゴルファーでも有村智恵選手が手首を痛め長い間ケガに苦しんでいました。
また松山英樹選手も手首を痛めて米ツアーを欠場していた時期がありましたね。
つい最近結婚して話題になった元賞金女王の古閑美保選手も手首の故障を原因に引退しました。
専属トレーナーなどを付けて、体のケアに相当気を付けているプロゴルファーでも手首を痛めることは多いのです。
ですからマッサージやストレッチなどで体のケアをしていないアマチュアが痛めるのは無理もない話です。
硬いクラブで硬いボールを打ち、場面によってはボールの先の芝を削りとるようなショットをするのですから、手や手首にかかる負担は大きいでしょう。
そう考えるとゴルフで手首を痛めるというのは不思議ではないのかもしれません。
ある程度ゴルフ経験を積んだアマチュアゴルファーであっても、明日の練習で手首を痛めるかもしれません。
手首に限らず、スポーツで発生するケガは、いつでも、だれでも、どこで起きてもおかしくないのです。
ただそのケガを自己判断で軽く見てしまうと、骨折やヒビであった場合に後々大変になるので注意しましょう。
ゴルフで起きる手首の痛み、骨折やヒビの原因
ゴルフで起きる手首の痛みの原因は主に2つです。
ボールの手前を叩くダフリとボールの上を叩くトップやチョロです。
ボールの手前の地面を叩くダフリでは、ボールではなく地面を叩くのですから、その衝撃は全て手に返ってきます。
それが打ちっぱなし練習場だと考えてください。
人口芝の下はコンクリートです。
手首の骨折やヒビの原因になるのは避けられないですよね。
またボールの上を叩くトップやチョロは、ボールを打って振り抜いているので手首の負担は少ないように感じるかもしれません。
確かにダフリのように地面を叩くよりは衝撃は少ないです。
しかし芯を食わないトップやチョロもボールの硬い衝撃が手首に返ってくるのです。
硬さで言うと、打ちっぱなし練習場の床と大差はありません。
とくにチョロの場合は衝撃は同じくらい返ってきて、手首への負担は大きいと考えてよいでしょう。
つまり、ダフリでもトップでもチョロでも、ボールの芯を食わないショットは手首に相当な負担がかかってしまうと言うことです。
ですからミスショットの多いアマチュアゴルファーは手首を痛めやすいのです。
骨折やヒビになるほど手首が弱い理由とは
骨折やヒビと言うと、足や肋骨、腕と言ったイメージがあります。
しかし人間の体で一番弱いのは、曲がる部分なのです。
そしてたちの悪いことに、治りにくいのも曲がる部分なのです。
スポーツでの使いすぎによって痛めるのは、ほとんどが手首・肘・膝・腰・肩などの曲がる部分です。
曲がる部分というのは、腱や筋肉で繋がれていて、その腱や筋肉が外部からの衝撃を吸収したり、衝撃の力を利用して力を生み出す役割をしています。
そのため、外部からの衝撃に曲がらないように頑張りすぎて、腱や筋肉にかなりの負担がかかるのです。
その負担が限界を超えると炎症を起こしたり、その筋肉や腱が付着している骨が骨折やヒビになってしまうのです。
体の曲がる部分というのは、普段の生活でも曲げ伸ばしをするので、ゴルフをしばらくお休みしたとしても相応の負担はかかります。
ですから、手首のような曲がる部分は治りにくいのです。
しかし逆に骨折やヒビであれば、ギプスで固めてまったく動かない状態にしてしまうので、ただ痛めた時よりは治りやすいでしょう。
ゴルフでの手首骨折やヒビはだいたい有鉤骨の鉤骨折
ゴルフで起こる手首の骨折やヒビは多くが有鉤骨(ゆうこうこつ)の鉤骨折です。
ゴルフクラブを握って何回も振ると、手の関節の小指側に腫れと痛みが出ます。
これは手根骨の1つである有鉤骨という骨の骨折やヒビによって起こります。
有鉤骨には鉤と呼ばれる突起があり、この部分が折れたりヒビが入ったりするのです。
有鉤骨の鉤骨折には大きな問題が1つあります。
それはこの骨の解剖学的位置からレントゲン写真で骨折が見えにくいことです。
ですからレントゲンだけでは見逃されることが多く、ほとんどはCT検査で診断されます。
ただ転んで手を着いて骨折するということもありますが、ほとんどはゴルフクラブを長期間振り続けた結果起こる、疲労骨折とダフリなど一度の衝撃で骨折を起こすものとがあります。
手のひらの小指側を押すと痛みがあり、ゴルフクラブを振るとエンド部分が当たり痛みが強くなります。
この治療法は、手術して骨折片を摘出するのが一番早期復活を望めます。
しかし前述したように、なかなか判断が難しく見落としがちなので、湿布だけして悪化する一方となるケースも少なくはないので気を付けるようにしましょう。
手首を痛めないための対策①
手首を痛めたり、骨折やヒビなんてことが起きないようにしっかりと対策をしなければなりません。
また、休養や治療をしてせっかく治ったのに手首の痛みが再発してしまったら元も子もないので、しっかりと再発防止対策を覚えておきましょう。
まず手首を痛めないためには、「フックグリップ(ストロンググリップ)」にするとよいです。
スクエアに握ったときに、ボールをインパクトする瞬間にかかる衝撃は手の甲側からになります。
手首は横よりも縦に曲げやすく、また曲がりやすいです。
曲げやすく、曲がりやすいということは、曲げないための負担がかかってしまうのです。
そのために、ボールをインパクトするときに手首にかかる負担は、フックグリップよりもスクエアグリップの方が大きいのです。
フックグリップだと手首が固定され、手首が頑張る力はスクエアグリップよりも軽減されます。
これは実はテニスから得たヒントです。
テニスプレーヤーにもいろいろなタイプがいますが、強いボールを強く打ち返そうとするときには、手首を甲側に曲げて手首を固定させた状態で打ち返すのです。
ゴルフボールほどではないですが、硬式テニスボールを打ち返すときに手首を固定しないと、向かってくるボールの勢いに負けてしまいます。
テニスでも手首を痛める選手は多いので共通する部分があるのです。
手首を痛めないための対策②
まだまだ手首を痛めたり、骨折やヒビを避けるための対策はあります。
近年のゴルフはクラブの進化が著しいです。
それもあって、点で捕らえる打ち込むショットよりも、線で捕らえる払い打ちの方が良いと言われています。
打ち込むショットであると、クラブフェースがボールの斜め上から鋭角に入ります。
どういったことかと言うと、これはボールの先のターフを削り取るショットになるのです。
先に話したように、こういったショットが手首を痛める大きな原因の1つです。
ボールだけを打つ払い打つよりも当然手首の負担はかなりのものになります。
実際の芝であれば、多少負担は軽いかもしれませんが、ほとんどのアマチュアゴルファーは、人工芝の下がコンクリートである打ちっぱなし練習場で練習するので、その負担はかなりのものになるのです。
もちろん、ラウンド中であれば深いラフなど打ち込むショットが必要になる場面もあります。
しかしラフであれば、打ち込んだとしても激しいダフリでない限り負担はかからないので問題ありません。
普段から払い打ちを意識して練習すると、手首への負担は軽減されますし、ショットの精度も上がるので、一石二鳥の効果が望めるでしょう。
勘違いだけはしないでください
身体のどこかを痛めたら、「練習をがんばった勲章」だと勘違いする人がいます。
それは勘違いであることを覚えておいてください。
オフの間、プロゴルファーは打ち込む練習の際は、1,000球ほど打つ日もあります。
でもどこかを痛めるなんてことはありません。
練習などでどこかが痛くなるのは、勲章ではなく、間違ったスイングが原因なのです。
ですからその時は、まずは自分のスイングを見直しましょう。