ゴルフスイングにはリズムやタイミングが大切です。
日によってゴルフスイングの調子が悪い…なんて経験がある人は多いでしょう。
その原因は、タイミングの変化です。
タイミングやリズムに大きな影響を与えるポイントは「ゴルフスイングの始動」なのです。
その始動を図るきっかけについてお話していきましょう。
ゴルフスイングで構えてから始動までの最適な時間
ゴルフスイングを始動させる際に何かきっかけとなる合図や決まりを作っていますか?
そんなものは考えたこともない!なんて人もいるかもしれません。
アドレスに入ったけれど、いろいろ考えてしまってなかなかショットが打てなかったり、ゴルフスイングを始動させるまでにどうしても時間が掛かってしまう人って結構多いです。
これはスロープレーに繋がり、下手するとペナルティにもなるので気をつけなければなりません。
そしてスイングに限らず、パターのストロークなどでも共通することなのですが、構えてから実際にスイングやストロークするまでの時間と言うのは出来るだけ一定であるほど再現性が高まります。
また、構えてから打つまでの時間をあまりにも長く取ると、イメージが薄れてしまいます。
素振りなどでできたイメージそのままを実際のショットに活かすには、7秒以内に打つと良いと言われています。
ここ1年パターが好調の野村敏京選手は、構えてからストロークするまでを3秒以内と決めてからパターの調子が良いようです。
プロたちのゴルフスイングに必要な始動のきっかけ
トッププロたちのゴルフスイングをよく見てみてください。
テークバックを始める前にちょっとした動きをします。
①ジャック・ニクラウス:頭を傾かせます。
②タイガー・ウッズ:スイングを始める前にクラブヘッドを浮かせ、それをボールの真後ろにセットします。
③グレッグ・ノーマン:ボールをクラブフェースのトゥの部分にセットし、そのクラブヘッドを前にスライドさせます。
ゴルフは、完全に静止した状態からスイング始動します。
静止した状態から突然テークバックをスタートさせるよりも、始動のきっかけを作った方がリズムがとりやすいのです。
もちろんその「きっかけ」に決まりはないので、人によって違っていても構いません。
そんなきっかけの例を紹介しましょう。
・グリップを親指で軽く押さえる
・膝を軽く一度曲げる
・足踏みをする
・両手をターゲット方向へ押し出す
などです。
アドレスに入った後から、スイングを始める直前に行なって下さい。
決まりはないのですが、頭の中でイメージするのではなく、実際に身体の一部を使って体感できるものにしましょう。
そしてこの動作は1回のショットにつき1回だけ行なって下さい。
ゴルフスイングに必要なダウンスイング始動のきっかけ
ダウンスイングの始動のきっかけはもちろん下半身です。
ここで考えるのは、ダウンスイングをどこから始めるかです。
◎ダウンスイングを肩から始める方法
①アドレスで両膝に力を入れる
②肩を回しても膝を伸ばさない
③膝が伸びるのはインパクトの後
これが意外と楽にスイングができるようになるのです。
◎ダウンスイングを腰から始める方法
①グリップがアウトサイドに流れないようにする
②腰を切ってもグリップは上下運動する
③左膝はインパクトまで我慢する
初心者ゴルファーが腰を切ってダウンスイングすると、アウトサイドインになりやすいので気をつけてください。
◎ダウンスイングを手から始める方法
①グリップを下ろすと下半身が先に動く
②体重が右足に残りやすい
③スイングがインパクトで終わりやい
このようになりやすいのであまり良いとは言えません。
スイングが途中で止まるようになると意識的に大きく振ろうとしてタイミングに狂いが出るのです。
このようにならないようスイングでゆっくり大きく振るにはどうすれば良いのかしっかり考えましょう!
小さな動きをスイング始動のきっかけに
腕のパワーで急にクラブを振り上げたり、突然グリップを強く握り締めるような動きはできるだけ避けてください。
プレショットルーティンから始まる一連の動きの流れの中に、スムーズな動き出しを求められています。
プロゴルファーの多くは、周囲の人から気づかれるような動きは必要なく、他人には見えない部分的な動きを自分の中で行なう方が良いと考えています。
周囲の人から見てどこを動かしたのか分からないと思われるぐらいの小さな動きを自分のものとして、ゴルフスイングの始動のきっかけにするのが基本の姿です。
イメージとしては、重いものが坂道をゴロゴロと転がり落ちていく感じです。
最初はゆっくりと動き始めた石が、坂道を転げていきながら、徐々に重力によって加速されていくイメージです。
ゴルフスイングをそのようなイメージでとらえてみてください。
このように細かなこともゴルフスイングの基本を覚えていく上ではおろそかにしないようにしてください。
アドレスをルーティン化させよう
ゴルフスイングの始動のきっかけを行なうのに重要なのはアドレスです。
アドレスと言うと、どうしても全体的なフォームに意識が行ってしまいます。
しかしどういう手順でボールに向かって構えるかによって球筋は決まるのです。
ですからアドレスがゴルフスイングそのものに大きな影響を及ぼします。
その理由は、第一にメンタル面でのプレッシャーを和らげる効果があるからです。
心理的プレッシャーを強く受ける状況ではミスも出やすくなります。
またほんの少しの心の迷いがミスショットを生み出す原因となるのです。
普段と変わりない動作をすることは、ミスを起こさないための非常に大事な手段です。
ティーグラウンドに上がった瞬間から、いつもと同じリズムで同じ動作になるように身体に覚えこませましょう。
自分の体に染み込ませてルーティン化した手順で動くようにすれば、大きなミスはグッと減るのです。
アドレスから始動のきっかけまで全てをルーティン化しておけば、自ずとスイングの再現性も高くなるでしょう。
イップスというゴルフ病を防ぐ
ゴルフスイングの始動のきっかけやアドレスでのルーティン化にはイップスというゴルフの病気を防ぐ効果もあります。
イップスとは、これから打つショットが失敗するかもしれないという不安から、動作が固まってしまう精神的なゴルフの病気です。
この現象や症状は強く緊張する場面に起こります。
何球でも好きなだけ自由に打てる練習では、緊張することもないので、バックスイングもスムーズに上がっていくのですが、ラウンドや試合などではそうもいかないようです。
実はこれはアマチュアゴルファーに限らず、多くのプロ選手も悩んでいます。
前に何度か記述しましたが、ゴルフスイングは完全に静止した状態から動き出します。
人は完全に静止してしまうと思考力が高まります。
逆に、深く考えているときは、動作は完全に静止しますよね。
ですから自信がないときに深く考えることと言ったら「ミスしたどうしよう」といった不安や失敗してしまうイメージです。
アドレスでのルーティン化で心を落ち着かせ、スイング始動のきっかけで静止状態を避けることで、結果極度の緊張状態を避けることができるのです。
良いスイングの目安として
良いスイングの目安は、「再現性の高さ」と「動作の均一感」です。
ルーティン化やスイング始動のきっかけで良いリズムが作れると、スイングの形も良くなります。
そうなると何度でも同じ動作を正確に繰り返すことができるのです。
現在持っている能力を大事な場面で十分に発揮できることが、一番大切だということを心に留めておきましょう!