日本はもちろん海外でも活躍を見せるプロゴルファー宮里兄弟の練習法として有名なのが、「30ヤードのショートスイング」です。
宮里兄弟に限らず、様々なツアープロやレッスンプロもショートスイングの練習法を薦めています。
そんなショートスイングを練習する目的と練習方法を紹介します。
効果的なゴルフ練習法とは
多くのゴルファーがどんな練習をしたら良いのか分からないので、とりあえずボールをたくさん打てば上手くなると信じているでしょう。
しかし間違ったフォームでボールを打つことに慣れてしまうのは問題です。
ゴルフ上達の近道は、自分の悪い癖を直したり、新しいことを学ぶと言ったテーマと目的を明確にしてボールを打つことです。
目的や目標がないまま練習をしていてもほとんど進歩はないでしょう。
しかし自分の悪い癖を直そうと思って練習したがために、逆に悪くなってしまったという経験をした人もいるのではないでしょうか。
そういった落とし穴にはまらないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは練習のテーマや目的、目標を設定する上で考えるべきことがあります。
全力で打つ練習はパワーと飛距離アップという目的ですが、効率の良い体の使い方やフェースコントロールと言った点から見ると効果を成しません。
このように練習の重点をどうするかを十分に考える必要があります。
そうした意味を踏まえて、ショートスイングの練習について考えてみましょう。
プロゴルファー宮里兄弟が実践するショートスイング練習法
プロゴルファー宮里兄弟が実践しているショートスイング練習法は、「30ヤードショートスイング」です。
クラブが腰から腰まで動くくらいの振り幅で、ピッチングから9番アイアンで30ヤードを打つのです。
この練習法の目的は、インパクトゾーンでの体の使い方を覚えること。
クラブヘッドが視界に入るくらいの振り幅なので、コントロールの仕方を覚えるのにも良いのです。
注意して欲しいことが、振り幅が小さいからと言って手を使わないことです。
振り幅が小さいからこそ、腹筋や背筋、意識しやすい大きな筋肉を使ってスイングするようにしましょう。
手を使ってしまうとダフったりトップしたりといったミスが起こりやすくなります。
30ヤードという短い距離であっても、しっかり腰を回しフィニッシュは目標に体が向くように意識して練習すると、手を使うことはなくなるでしょう。
また打ち終わった後も、手元が臍の前にあることを意識すれば、必ず手打ちは抑えられます。
ショートスイング練習法の応用編としては、右手、左手と片手ずつでショートスイングの練習をします。
手打ちであると、ボールに当てることすらできないでしょう。
逆に普段から体を使っている人は、すぐにクリーンヒットできるはずです。
ゴルフスイングの目的別ショートスイング練習法【ステップ1】
まずは左腕リードの感覚と体の正面でボールをヒットする感覚を養うことを目的としたショートスイング練習法です。
ゴルフクラブのシャフトはしなることでボールを飛ばすように作られています。
しかし戻りのタイミングをつかめないと振り遅れの原因になります。
クラブを握っているグリップの部分が常に体の正面にあることで、振り遅れずにボールをヒットすることができるのです。
このためのショートスイング練習法では9番~7番などウェッジ以外のショートアイアンを使います。
足幅1つ分のスタンスで立ち、ボールはスタンス中央、もしくはボール1つ分右に置きます。
最初はグリップを最も短く握りますが、慣れてきたら徐々に長く持つようにしましょう。
グリップの位置が7時から5時くらいまでの振り幅のスイングをします。
クラブヘッドの位置を目安にすると、トップで右足の外側に足の幅1つ分まで、フィニッシュで左足の外側に足の幅1つ分までが振り幅になります。
ここでは手首・腕・脚・腰の4つの関節を使わずに、肩の回転だけでストロークします。
このストロークのポイントは左腕1本でスイングすることとクラブを体の正面に保つことです。
ゴルフスイングの目的別ショートスイング練習法【ステップ2】
次に腕をターンさせることで、しっかりフェースローテンションをさせる感覚を身に付けることを目的としたショートスイング練習法です。
フェースローテーションが正しく出来るとインパクトでクラブヘッドの軌道が安定します。
するとゴルフで多い、ダフリやトップといったミスが減り、飛んで曲がらないボールを打つことができるようになります。
このためのショートスイング練習法では先ほどと同じく、9番~7番などウェッジ以外のショートアイアンを使います。
足幅2つ分を空けたスタンスで立ち、ボールはスタンス中央、もしくはボール1つ分右に置きます。
グリップは普段通りの長さでOKです。
グリップの位置が8時から4時くらいまでの振り幅でスイングします。
この振り幅であると、クラブヘッドはトップで9時、フィニッシュで3時の位置になります。
この範囲内であれば振り幅はより小さくても構いません。
脚と腰の2つの関節は使いませんが、肩の回転にプラスして手首と腕を自由に動かします。
このストロークのポイントはとにかくしっかりとフェースローテーションさせることです。
ゴルフスイングの目的別ショートスイング練習法【ステップ3】
最後に正しい体重移動の感覚を身に付けるショーとスイング練習法です。
この練習法ではゴルフスイングで言う「ハーフショット」になります。
ハーフショットではフルショットに比べて1割程度しか飛距離は変わりません。
そのためウェッジはもちろんアイアンショット全般をハーフショットにするとスコアメイクに大きく繋がることでしょう。
これはとても実践的なショット練習になるので、身に付けられるようにしっかりと練習しましょう。
スイング練習法のステップ1と2では肩の回転、手首と腕の振りを使いましたが、ここで下半身を意識して使う練習をします。
この練習法でも同様に、ショートスイング練習法では9番~7番などウェッジ以外のショートアイアンを使います。
フルショットと同じ幅のスタンスで立ち、ボールはスタンス中央、もしくはボール1つ分右に置きます。
グリップは普段通りの長さでOKです。
グリップの位置は9時から3時くらいまでの振り幅のスイングです。
クラブヘッドはトップで11~12時、フィニッシュで12~1時の位置で、どちらにしてもクラブが立った状態になるようにしましょう。
プロもする自分のスイングを客観的に見る練習
プロゴルファーもよくする練習法は、ウェッジでの片手打ちやショートスイングです。
体幹で上げるテイクバックが出来ていればさほど難しくは感じないでしょう。
狭めのスタンスで左足体重、ボールは重心より右に置きます。
慣れたらスタンスとスイングを少し大きくし、通常のスイング同様の体重移動をしても打ってください。
まずは右手で30球、左手で30球を打ちます。
それぞれの腕や手の使い方がよく分かり、フルショットで出る癖がどちらの腕や手なのかも分かります。
左右それぞれ片手打ちをすることで、客観的に自分のスイングを見ることができるのです。
片山晋呉選手も練習の一番最初にこの練習を行なっています。
このように自分のスイングを客観的に見たり、感じたりすることで、一番最初にお話した効率的な練習をするための目的や目標が分かってくるのです。
自分のスイングを良く理解していないと、どこを伸ばしていけば良いのか、どこを改善していけば良いのか分からないですよね。
ゴルフの全てはショートゲーム
ゴルフのスコアを上手くまとめられるのは、ショートゲームをいかに上手くできるかです。
ショートスイングの練習をすることで、フルショットの練習にもアプローチの練習にもなります。
ここまで聞いただけでも、ショートスイングの練習がゴルフ上達にいかに大切かが理解できるでしょう。
ショートスイングの練習は地味な上に地道な努力が必要になってきます。
しかしゴルフは練習でもラウンドでも上達でも焦りは禁物です。
自分の上達を信じて負けずに練習をがんばってください!