ゴルフのショットでは、フルスイングのデメリットは意外と多いです。
なぜならフルスイングをするとミート率は下がるからです。
女子プロゴルファーのツアートーナメントをよく見てください。
フルスイングでショットをしている選手はほとんといません。
ゴルフの上手い下手の基準は、いかに少ない打数でホールアウトするかです。
そこでゴルフのフルスイングについて一緒に考えていきましょう。
女子プロゴルファーがフルスイングしないのは
女子プロゴルファーは特別な場合を除いて100%のフルスイングをしません。
それはどうしてなのでしょうか?
その理由は、日々のトレーニングやトーナメントなどでボールを打ち続け、再現性の高いスイングを維持している女子プロゴルファーであっても、思い切りフルスイングをすると曲がってしまうからです。
ショットが曲がると飛距離も落ちますし、次のショットが良い状況で打てるところへボールを運ぶことができなくなります。
一打一打に生活がかかっている女子プロゴルファーは、そのようなリスクを絶対に避けます。
ツアートーナメントにアマチュアゴルファーが参加していますが、プロとの差が大きくでるのが、そこでしょう。
常にアンダーで回るような女子プロゴルファーですらそうなのですから、アマチュアゴルファーが力任せにフルスイングをしたところで、得をすることはありません。
もちろん、アマチュアですから、一打一打に生活がかかっているわけではありませんが、それでも良いスコアでラウンドできたときやコンペで優勝したときの喜びは大きいですよね。
女子ゴルファーに多い再現性を維持できないフルスイング
ゴルフで安定したショットを打つためには、スイングの再現性の高さが重要です。
再現性の高いスイングとは、常に変化する状況の中でもいかに同じスイングができるかということ。
しかしフルスイングをすることは、その再現性を最も維持できなくするのです。
なかなか飛距離を望めない女子ゴルファーが陥りやすいのが、少しでも飛距離を稼ごうと無理にフルスイングをしてトラブルが発生することです。
飛距離に欲を出し、フルスイングをすると、
・飛ばそうとフルスイングして力んでしまう
・どんな場面でもフルスイングをしてしまうので、スイングリズムやテンポが変わる
・結果体がついてこないで手打ちになってしまう
となっていませんか?
「力む」「リズムやテンポが変わる」「手打ちになる」と悪の三拍子が揃ったり、そのうちの一つでもしてしまうと、ミスショットになることは間違いないですよね。
レッスン番組や雑誌等で絶対やってはいけないことに入っている項目です。
故に、フルスイングをすると、ボールをしっかりクラブフェースの芯でとらえることが難しくなるということなのです。
そして芯をとらえられないと、もちろん飛距離は落ちてしまいます。
女子だからこそ気を付けたいフルスイングによる体への負担
フルスイングとは、どんな状況でもティーショットやセカンドショットで目いっぱいのスイングをすること。
そうすると腰や肘、背中や首など、とくに上半身への負担が大きくなります。
筋力や柔軟性が十分でない、アマチュアゴルファーがフルスイングをすれば、ケガや故障につながる可能は高いです。
男子ゴルファーよりもさらに筋肉が十分でない女子ゴルファーであればなおさらです。
それを続けていると、慢性的な腰痛や肘痛に悩まされるということまで起きてしまいます。
フルスイングに限らず、スイング自体への負担は大きいのです。
ほとんどフルスイングをしないプロゴルファーであっても、体の故障に悩む選手は多いです。
あのタイガー・ウッズは左膝の故障、グレッグ・ノーマンは強い腰痛、片山晋呉は背筋痛を抱えています。
もちろんアマチュアと違い練習量も比較にならないほど多いですが、それだけスイング自体に体への負担が大きいことがあると考えざるを得ません。
それがフルスイングともなるとさらに大きな負担になることは容易に考えられます。
やはり長く楽しくゴルフを続けていくには、体に優しく、無理のないスイングが必要なので、健康面を考えてもフルスイングは良くないと言えるでしょう。
フルスイングをしない女子プロはミート率が高い
ゴルフにおいて、ミート率の高さ=飛距離なのです。
女子プロゴルファーのヘッドスピードは40m/s~45m/sくらいです。
これはアマチュアの男性のヘッドスピードと同じくらいでしょう。
男性アマチュアで250ヤード飛ばせば、飛ばし屋と言われるでしょう。
しかしそれくらいのヘッドスピードを持ってもなかなか250ヤードは飛ばないのが現実です。
そこがヘッドスピード×ミート率の高さが関係しているからなのです。
女子プロゴルファーはアマチュア男性とほぼ変わらないヘッドスピードでも、ミート率が高いので効率よく飛距離を出しているのです。
ミート率が高ければ高いほど飛距離を得ることができます。
ミート率とは、ドライバーヘッドがボールに当たったインパクトの瞬間、ヘッドからボールにきちんとエネルギーを伝えられているかどうかの指標です。
ヘッドスピードの1.5倍までボール初速を出せると言われています。
故に、女子プロゴルファーをお手本に、効率よくボールにエネルギーを伝達するには、フルスイングは必要ないということです。
フルスイングでヘッドスピードを上げるよりも、ミート率を高める練習をした方が、より正確で飛距離の出るショットを打てるようになれるのです。
フルスイングでなければどのくらいなの
ゴルフに限らず、何事でも常に全力で100%のパワーを出し続けるのは、精神的にも肉体的にも疲れますよね。
ゴルフのスイングも同様に、100%の力でフルスイングするといろいろなミスを誘発する上に体力も消耗していきます。
とくに男子よりも体力のない女子であれば、100%でラウンドするとハーフくらいで力尽きるかもしれません。
もちろん個人差はあるかもしれませんが、90~95%くらいが程よい力加減でしょう。
例えばあなたが力いっぱいにフルスイングしたときのヘッドスピードが35m/sだったとすると、90~95%の力加減であれば、30~33m/sくらいのヘッドスピードになります。
これくらいで十分ではないでしょうか。
実際に練習場でやってみると分かるのですが、ドライバーでハーフスイング、もしくはスリークォーターくらいの振り幅で、しっかり芯をとらえることができれば、簡単に180ヤードくらいは飛びます。
8番アイアンならハーフショットで90ヤードくらいはキャリーで飛ぶでしょう。
これを体感すると、いかにフルスイングが必要ないかというのは分かるはずです。
ちょっと肩の力を抜いて95%くらいのスイングを心がけると良いですね。
フルスイングに関係しているグリップ
フルスイングをするときに、あなたはどのくらいの力加減でグリップしていますか?
ギューっと力いっぱい握りしめていませんか?
速く、思い切りスイングしなければいけないと思うあまりに、ついついグリップを力強く握っている人が非常に多いです。
ドライバーだと、グリップを強く握れば握るほど、スイングに大切な遠心力を利用することができなくなります。
そうするとヘッドが走らなくなり、飛距離も伸びないのです。
ヘッドを走らせるにはグリップを軽く握ることは絶対です。
軽く握ることで、手首も柔らかくなり、クラブヘッドが収まるところへ収まって、美しい軌道のスイングに繋がるのです。
女子のスイングでは、柔軟性を有利に使うことが重要になってくるのでより注意するようにしましょう。
グリップ圧の目安はクラブを体の正面で構えるようにして、斜め45度くらいの高さで握ったときに支えられる強さが適度な握り加減になります。
グリップを握る力が適正でもフルスイングをしてしまうとスイング軌道は壊れてしまうので、前述した通りに95%を意識してください。
ここで注意して欲しいのが、ほどよくグリップを握ることですが、インパクトの瞬間はギュット握るように気を付けてください。
フルスイングとのお別れ会は練習場で
フルスイングがゴルフにとってほぼ必要ないというのは分かったでしょうか?
フルスイングで良い結果を生むのは、熟練したプロに限るのです。
それよりも再現性の高いスイングでミート率を上げ、ミスショットを減らす方がよりスコアアップに繋がります。
いつもフルショットをしていた方が95%にすると、緩んだショットになってしまい逆効果になるので、まずは練習場でハーフスイングから徹底的に練習しましょう!