パターに決まりはない。だから「目線」にも決まりはない!!

最終更新日:2017/02/26

パターでは上体の前傾角度が深くなるので、視線を真っすぐ地面に落とす形になります。
そうすると目標となるカップはほとんど視界に入らなくなります。

どの方向に、どのくらいの強さで打っていくのか、自分自身ではっきり決めて動きださなければならないのがパターの難しいところです。

パターのスタイルに決まりは無いのですが、安定したパターのために目線をどう意識すれば良いのか考えましょう。

パターでのアマチュアとプロの目線の違い

アマチュアゴルファーのほとんどは、パターのときにほとんどの人がボールに目線がいきます。

しかしプロやパットの名手と言われる人たちのほとんどは、ボールを見ずにクラブフェースを見ているのです。

とくに彼らは、ボールを打つ瞬間にボールの先の4~5cm先に目線が行き、そこでクラブのフェースがターゲットラインに対してスクエアになるように意識を働かせているのです。
パターに関してのレッスン動画や雑誌等では、ボールを追いかけないことを意識することがとても重要だとしつこく語っています。
しかし、打ったボールを目で追いかけてしまうのは悪い癖ではありますが、ボールがあった場所をいつまでも見つめているというのも良い癖とは決して言えないのです。

その両方をうまくこなすためには、両目を結んだ目線を打ち出していく方向と一致させることが大切です。

そのためには、ボールは目線の真下にセットすると良いでしょう。

パターで目線の真下にボールを置くことで、ストローク軌道が安定しやすく、ボールをターゲット方向へ打ち出しやすくなるでしょう。

 

1m以内のパターは目線が大事

1m以内のパターはショートパットだけれども苦手という人が結構います。

苦手で上手くいかない原因は「目線」です。

目がどういう風にカップに対して動いてしまうかで、結果が大きく変わるのです。

「パッティングは耳で聞け」という名言があるのですが、それが大変ポイントを得ています。
それほどストローク中に目を動かしてはいけないということです。

パターを苦手とする人の多くは、構えてボールを見ているときに視野の中でホールカップまで見てしまっているのです。

視野の中でホールカップが見えてしまうと、カップに向かってストロークをしてしまうという致命的なミスを犯してしまいます。

とくに大きく左右に曲がるようなパターの場合にホールカップに向かってストロークしてしまうと、変なスピンがかかってしまったり、予想しない方向へボールが向かってしまったりします。

 

パターの一番のポイントは、1m以内のような短いものでも、「印を目指して」打つことです。

ホールカップ近くに印を置いても、目玉を動かすことになります。
目玉を動かすと自然と頭も動いてしまうのです。

ですから目が動かない範囲に印を置くと、目線は必ずボールの近くになるでしょう。

 

ジョーダン・スピースはパターで目線をカップに

ジョーダン・スピースと言えば、強気なパターでバシバシカップインしてくるイメージが大きいです。

パターとは、カップを見てラインを確認し、アドレスをしてからパターのフェイス面をしっかりとボールにコンタクト出来るように頭を動かさず、ボールとパターのフェイスを見て行うというのが一般的です。

しかしジョーダン・スピースはこれらの一般的な動作とは全く違って、ボールを見ずにパッティングをします。
ボールを見ないで、カップに目線を置いたままパターをするのです。

一般論を完全に覆すパッティングではありますが、見たところにボールを転がすと考えると理にかなっているのかもしれません。

確かにボールを見たままパッティングをするのは、ボールを転がす先を見ていないので、見ていない方向にボールを転がすこと自体が難しいというのは間違いないです。

頭を動かさないように目線をボールとスパットに向けるというのは、ある意味パターを難しくしているのかもしれません。

パターには決まりはないと良く言うので、このスタイルでマスターズで優勝したのですから、悪いスタイルではないのでしょう。

しかしこの方法が誰にでも合うとは限りません。

興味のある方は一度挑戦してみると良いでしょう。

 

目線を意識した岡本綾子選手のパター練習法

それは一升瓶をホールカップに見立てての練習法です。

岡本綾子選手は、一升瓶をホールカップに刺したまま打ってみたそうです。

実は一升瓶の直径(10.4cm)とホールカップの幅(10.8cm)はほぼ同じなのです。

一升瓶に当てたボールがまっすぐ跳ね返ってくるようなボールが打てると、ホールカップど真ん中に打てていることの証明になります。
そうすると、カン!カン!と言う音をさせてどんどん一升瓶に当たるのです。

この練習は、強めのパットが打てるようになる効果があります。

岡本綾子選手自身、目線が違うのだろうと自己分析していましたが、実際にやってみると、確かに見ている場所が変わります。
立っている一升瓶を目標にすることで、地面にあるカップよりも、目線が髙くなるのです。

目線が高くなるということは、目線が地面にあるカップより遠くに向くのです。

これが何を意味しているのかと言うと、自然と強めのパットが打てるということにつながります。

パターでいつもショートしてしまう人、とくにショートパットを打ち切れないという人にオススメしたいパター練習法です。

 

パターのライン読みで重要な目線

ラインを読むときには下準備が必要です。

それはグリーンに上がる前に、グリーン全体の傾斜を把握しておくことです。

グリーンの傾斜は、少し離れた所から確認した方が高低差が分かりやすいのです。

まずはカップに向かってボールの後方からボールとカップを結んだラインをチェックします。
この時、できる限り目線を低くしてラインを読むようにしてください。

高い目線でラインを読むと、微妙な傾斜が、全体の傾斜に消されてしまうからです。
目線が低ければ低いほど、微妙な傾斜が読みやすくなります。

次に、ボールとカップの高低差を比べて低い方から、目線を低くしてラインを確認します。

ラインは、傾斜の高いところより低いところからの方がはっきり見えます。

カップからボールを見たラインの後方からも同様に目線を低くしてラインを確認します。
じっくりとラインを読みたいでしょうが、もしそのような余裕がない場合は、傾斜の低いところから読むだけでも、グリーンの微妙な傾斜やアンジュレーションが見やすくなります。

パターのラインを読むときに必要な目線とは「低くする」ということだけ忘れないようにしてください。

 

パターのスタイルは様々

上記してきたようにパターでの目線の位置には基本的な考えはありますが、やはり人によって違います。

パターを握る方法では、一番オーソドックスと言われているリバース・オーバーラッピング・グリップです。

右手から握り、その上に左手の人差し指が乗るように握ります。

それから左手が下で、右手がグリップエンドに来るスタイルの逆ハンド・グリップがあります。
これは多くのゴルファーが採用していますね。

さらに最近では、右手がペンを持つように左手の下にくる、クロー・グリップというスタイルもあります。

もちろんこれも基本的な握り方のパターンであって、プロ選手たちのパッティングを見ると分かるように、それ以上に様々な握り方があります。

片山晋呉選手が、パタースタイルをいろいろと変えているのが有名です。
パター自体も様々なものを使いますし、グリップの握り方や目線、ラインの読み方やルーティーンなど日々研究中と言って良いくらいに変幻させていきます。

それでもロングパットをバシッと決めるなど、彼もパットの名手の一人です。

パッティングスタイルに決まりがないと言うのを、自ら証明している選手と言っても良いでしょう。

 

結果3つの要素を極めること

パッティングはラウンドでの約半分を占めるショットです。

カップインする確率を高めるには、ラインを読めること・フェースをしっかり目標に向けられること・芯に確実にヒットできることの3つを極めることです。

はっきり言って、それが上手くできるのであれば、目線もグリップもスタンスもどうだって良いのです。

練習を重ねる中で、どのスタイルが自分のパタースタイルに合うのかをがんばって見つけましょう!