ゴルフ場の高いプレー費を安くする方法の一つがキャディなしのセルフプレーです。
自分たちだけで気軽にまわるのも楽しいですしね。
でも、ちょっとしたコツでそのコースの専門家であるキャディさんを味方につけ、いいスコアで回れるようになったらより楽しいラウンドになると思いませんか。
セルフプレーにも劣らないコストパーフォーマンスでラウンドできるかもしれません。
ゴルフ場におけるキャディの役割とは
キャディの最大の任務は『ゴルフコースの案内と進行』です。
加えて、サービスの側面からは『気持ちよくラウンドしていただくために努める』ことです。
なぜ、「気持ちよく」という言葉を使ったかというと、ゴルファーがその日のラウンドに望むことは一人ひとり違うからです。
いいスコアで回りたい人(これが大多数ですが)プラス、緑の中でゆったりと回りたい人、接待する人、接待される人、更には彼女にいいところを見せたい人まで。
4~5時間のラウンドをどう過ごしたいかは人それぞれです。
正確で安全な案内を肝に銘じ、かつ、そこにはかなり神経を使って、キャディさんは日々がんばっているのです。
初めてお会いしたゴルファーとの一期一会を感じつつ、お互いにいい一日になるように祈りつつ、というのがキャディの正直なところです。
そんなキャディさんと最高のラウンドにするにはコツがあるので、このあとお話していきますね。
気持ち良くティーオフするためのちょっとしたコツ
やはり、最初の第一印象は重要ですね。
挨拶、クラブ確認、きちんとしてほしいなと思います。
キャディはこの時にパーティーのキーマンとなりそうな人の目星をつけます。
先に「今日はあの人がお客様だからよろしく頼みます」などの情報をいただけるととても助かりますし、その人のフォローをしてさしあげようというモードになります。
ほかには「アプローチのときはこれとこれの2本を渡してくれたらいいから」などの希望を伝えておくのもキャディーさんのフォローを引き出すコツと言えますね。
実は、キャディはその前からゴルファーの観察をしているのです。
まず、道具。
どんなクラブを使っているか、手入れはしているか、その他の道具類はどうか。(スコアやプレースタイルがうかがえます)
次に服装。
性格やプレイ頻度(ゴルフ愛好度)などが想像されます。
スタート前の練習グリーンなども見ています。
とはいえ、そんなに厳しい目で評価しているわけではありません。
要注意な人がいないか、ぐらいのチェック度です。
キャディの力量を知るための会話のコツ
スタート前から、キャディの経験年数やゴルフの腕前などを聞き出そうとするのはちょっとぶしつけな印象ですね。
2~3ホール目くらいでちょっと聞いてみるのはいいかもしれません。
そのころにはキャディもゴルファーの力量をほぼ把握しているので、それに合わせた答えが返ってくるはずです。
キャディの経験豊富を伝えてくる場合は、コース案内をしっかりすることでスコアアップに協力させてください、というメッセージ。
逆なら、グリーン上でラインはあまり訊かないでほしいな、って感じでしょうか。
そんなキャディには途中の距離だけ尋ねるというのも一つのコツです。
ゴルフの腕前については、「します」と言い切るキャディは実際上手なんでしょうが、人によってはゴルファーに技術的なアドバイスをはじめてしまうので実は要注意です。
研修生、練習生についてはもちろんこの限りではありませんが。
「しますが、下手です」とか「始めたばかりです」と答えるキャディは、その心配はないといえるでしょう。
その上、クラブ選択、とくにグリーン回りのクラブの変更(実は進行上、ちょっと面倒なひと作業)などの予測や対応が適切にできる場合が多いです。
初心者では気づかず、大ベテランでは手を抜く人も無きにしも非ず、ですから。
ゴルファー心理を理解する、という点では自身もプレーするキャディがいいのでしょうね。
スコアをあげるためにキャディに協力してもらうコツ
キャディが実は一番気にしているのが、進行スピードです。
進行スピードに関わる要素は、たくさんあります。
まず、スコア。
単純に考えて打つ回数が増えれば進行は遅くなると思いますよね。
でも、実はそれほどでもありません。
それ以外の要素、たとえば、スタート時間に遅れる、茶店から出てこない、など時間管理に関すること。
プレー自体では、自分の番なのに速やかに打たない、アドレスが以上に長すぎる、さらにはレッスンを始めてしまうなどなど。
そういったことの積み重ねが全体の進行に大きく影響します。
遅延行為は重大なマナー違反です。
他のゴルファー、他の組のゴルファーのリズムまでも狂わせてしまいます。
速やかな進行を気にかけ、できる範囲でいいので協力してくれるゴルファーには本当に感謝します。
そう、これが、『コツ』なのです。
クラブを常に2~3本持っていってくれる人。
誰かが打っているときは静かに、打球の行方を追っているキャディの邪魔をしないとか、手が空いていれば一緒にボールを探すとか。
ちょっとした気遣いを感じたら、キャディからきっと「ありがとうございます」の一言が聞けるでしょう。
その人にはとくに、いいスコアであがってもらいたいな、なんて密かに思ったりしてしまいますね。
無意識に(あくまでも無意識に)アドバイスに差が出るかもしれません。
こんなゴルファーは嫌われます
キャディから嫌われるのは、ずばり、マナーの悪い人です。
前述した遅延行為はもとより、他の人のスイングの邪魔をする(声を出す、視界内で動くなど)迷惑行為。
キャディの指示、制止に従わず打つ、前の組に打ち込むなどの危険行為などが代表的でしょうか。
ゴルフは個人プレーですが、集団プレーの一面ももっているのはご存じのとおりです。
また、スコアやOBボールのごまかしなども、やはり感心できませんよね。
キャディは全員のスコアを知っています。
もちろん自分から口にすることはありませんが。
実際、自分が何打打ったかわからなくなってキャディに尋ねる人は結構います。
ゴルフは紳士のスポーツと言われています。
正直であろうとするゴルファーに対しては、ゴルフが好きなんだなって好感を持てるものです。
また、これは言わずもがなですが、セクハラや下ネタの会話にキャディを巻き込むなんていうのは論外です。
開放的な気分にも限度が求められるのは当然。
紳士はそんなことしませんから。
コツをつかんでキャディとうまくコミュニケーションをとることもある意味マナーと言ったら言い過ぎでしょうか。
ゴルフ場ではキャディは天気と同じ?
ゴルフは屋外でするスポーツです。
天気の変わりやすい山間部にあることが多く、季節によってもプレー条件は全然違いますよね。
さらに、ゴルフ場ごとにコースコンディション、グリーンの速さなどもさまざまです。
全く同じ条件で再びプレイできることはまずないといえるでしょう。
キャディも同じです。
つまり、その日どんなキャディがつくかということは、風の強さや向きと同じ不確定要素なのです。
一つ例を挙げてみます。
「キャディが言ったところに打ったにもかかわらずパットを外した」という場合どうしますか。
キャディを全面的に責めるのはちょっと的外れなのではないでしょうか。
キャディの知っているラインとゴルファーのイメージするラインがピタリと合い、かつイメージ通りにパットできて(これが肝心!)やっと、ボールはカップに吸い込まれるのです。
気象条件やコース条件と同じく、キャディ条件をどう活かすか(もしくは悪条件をはね返すか)、そういったコツをつかんでいくこともスコアを上げるために課せられたミッションといえますね。
天気に文句言っても変わってくれません。
フェアウェイの水はけが悪いと嘆いても、その日はそれを我慢するしかないのです。
すべては自分の責任、がゴルファーに求められる基本的な姿勢でしょう。
キャディもチームの一員
キャディはそのパーティーというチームの一員だと自負してラウンドに望んでいます。
サポート役として、ゴルファーが一番いいリズムでプレーできる進行、環境づくりに努めるためです。
黒子と同じでその存在が邪魔にならず、すんなり運べばまず満足です。
さらに。最強のギャラリーのつもりでもいるので、すばらしいショット、ナイスなパットは見ているだけでうれしくなるのです。
だから、もしキャディさんとフィーリングが合い、そのアドバイスがいい結果をもたらしたなら、ちょっとだけ褒めてあげてください。
その一声が、キャディのモチベーションとスキルアップに効果を発揮するのは確実ですから。