日本女子OP堀琴音選手のレイアップ”ゴルフの難しさを痛感!”

最終更新日:2016/12/11

ゴルフはやっぱり難しいですよね。

”たら””れば”を言い出したら切りがありません。

今年の日本女子オープンは史上初のアマチュア畑岡奈紗選手の優勝で幕を閉じました。

あの試合で言われるのが、首位だった堀琴音選手の17番のセカンドショットのレイアップ。

あそこでツーオンを狙っていたらどうなったのだろう?

様々な意見がありますが、レイアップという選択肢、皆さんはどう考えますか?

堀琴音選手がレイアップを選んだ状況

今年の日本女子オープンで堀琴音選手が17番ホールを迎えている頃に、畑岡奈紗選手は18番で難しい下りのパットを見事沈め、バーディーをとって堀琴音選手と並んでいました。

17番ホールは490ヤードのパー4。

第1打のドライバーはナイスショットでしっかりとフェアウェイを捉えました。

ここからが運命の別れ道、グリーン手前に大きな池があります。

そこを越えてグリーンに乗せなければなりません。

堀琴音選手が迎えた状況は、「打ち上げでピンまで220ヤード。グリーン前の池を越えるまで190ヤード強」でした。

堀琴音選手は迷わずレイアップを選択し、3打目勝負でパー狙いと決めました。

結果は、微妙な距離のパーパットを残し、それを外して刻んだ結果のボギーとなってしまいました。

池に入ることを避けるためのレイアップですね。

池に入ればダブルボギーになる可能性はグンと増します。

もし池に入らなかったとしてもグリーンに乗らなければアプローチで寄せるのが難しい設定になっていました。

しかも堀琴音選手より飛距離で上回る畑岡奈紗選手が2打目を3Wでギリギリ届いたのですから、堀琴音選手が2打目で狙っても届かない可能性が高かったです。

そもそもレイアップとは?

堀琴音選手が日本女子オープンで運命の別れ道で選択した”レイアップ”とは、ラウンドのときにグリーンまで距離がある場合、次のショットが打ちやすいところに距離を抑えて打っていくことです。

自分のショットの飛距離やハザードの危険性などを考えて無理にグリーンを狙わない!と決めたときに行ないます。

良いスコアを狙うため、スコアをまとめるためにこういった戦略的な判断が必要です。

ラウンドをしているとレイアップした方が良い場面というのは結構あります。

ライの状態が悪いときや、残りのヤード数が明確でないとき、次のショットで目標地点まで届く自信がないときなどは、無理をしないでレイアップを選択しましょう。

ゴルフコースと言うのはそういった場所にだいたいバンカーや池を作っているのです!

パーオンしたいと焦って、結果大叩きしてしまうよりは、飛距離を抑えて安全なところにボールを置く方が少ない打数で済むことがあるのです。

このようなコースマネジメントができるかどうかも上手さを左右します。

堀琴音選手の飛距離とクラブセッティング

堀琴音選手の飛距離はドライバーで240ヤードです。

クラブセッティングは、

ドライバー
 ブリヂストンゴルフJ815ドライバー ロフト9.5度
シャフト:フジクラプロトタイプ(S)

フェアウェイウッド
 ①キャロウェイコレクション3Wロフト15度 7Wロフト21度
シャフト:フジクラスピーダー661EVOLUTION2(SR)

②ブリヂストンゴルフJGR 5W ロフト18度 7Wロフト21度
シャフト:フジクラスピーダー661EVOLUTION2(SR)

ユーティリティー
 ブリヂストンツアーステージX-DRIVE GR U4 ロフト23度 U5 ロフト25度2012モデル
シャフト:MCH60(S)

アイアン
 ブリヂストンゴルフJ15CB 6I-PW
シャフト:MCI80(R)

ウェッジ
 ブリヂストンフォージドウェッジ無限52度 58度
シャフト:NSPRO950GH(S)

パター
 オデッセイVERSA ROSSIE BLACK

ボール
 ブリヂストンゴルフTOUR330X

です。

ウェアはアドミラルゴルフで、シューズはフットジョイです。

ちなみに日本女子オープンでのクラブセッティングではFWは②のセッティングになっていました。

故に3Wは入っていなかったのでレイアップしか選択肢がなかったとも言えるかもしれません。

堀琴音選手とは反対にツーオンを狙った畑岡奈紗の凄さ

日本女子ゴルフオープンの17番、堀琴音選手とは正反対の選択をした畑岡奈紗選手。

ティーショットは力強くフェアウェイを捉えました。

ピンまでクリーク越えになる210ヤードでした。

堀琴音選手よりもティーショットは10ヤード先に運んだことになります。

風はアゲインストでした。

畑岡奈紗選手は4番ウッドを手にしました。

レイアップでなくピンを狙いにいったのです。

やや左足下がりのライでしたが、ボールは一直線に飛びグリーンを捉えました。

そして2パットのパーに抑えました。

実に大胆な戦略でした。

その大胆さは18番ホールでもありました。

プロ選手たちが3パットを避けてピンから遠いグリーン右手前を狙う中、畑岡奈紗選手は7番アイアンでピン奥4mにつけました。

最も難しいホールロケーションで3パット選手も多かった位置です。

はずしてしまえば3~4mは転がってしまう下りのラインでした。

それを見事沈めてバーディー!

17、18番の彼女のマネジメントの大胆さは本当に凄いものです。

プロだったら絶対に出来ないことでしょう。

石川遼選手のアマチュア時代がそのようなプレースタイルでした。

彼は攻めるゴルフの代表でした。

それが絶大な人気を得た理由です。

一般ゴルファーがやってみたい攻め方の理想を見事やってのける!

あの日の畑岡奈紗選手のプレーがまさにそうだったのです。

あなたのゴルフにレイアップという選択肢はある?

レイアップを消極的とか妥協とか思う人がいます。

それは大きな間違いです。

日本女子オープンでの堀琴音選手のレイアップに関してもネット上では賛否両論でした。

しかしあの判断は間違いではありませんでした。

もちろん畑岡奈紗選手の判断も間違いではないのです。

それぞれ自分のその日のショットの精度、飛距離を分かった上での判断です。

レイアップとは「欲を捨てる」ということです。

これはゴルフではとても大切なことです。

初心者やまだゴルフ経験の浅い人なら、ただひたすら前に進む!というゴルフでも問題はありません。

しかしゴルフ経験がある程度になってきたら、前に進むだけのゴルフではスコアアップしません!

レイアップという選択肢を持ってコースマネジメント・スコアメイクをしていかなければなりません。

パー4でティーショットをミスしたから取り戻すぞ!と3Wを持っていてはダメです。

3Wで100%グリーンに乗せる自信はありますか?

ないのならバンカーに入ったり、難しいライのアプローチを残したりとトラブルが待ち受けているだけです。

得意な距離を残しましょう。

そこでアイアンを持っても100ヤード以上は前に進みます。

確実にフェアウェイに運び、3打目でグリーンの狙った所に球を運ぶ方が最悪ボギーで済みます。

100%の自信が無ければそれは冒険にしか過ぎないのです!

初中級者がレイアップを覚えたらスコアアップにつながるのか?

自分のしたラウンドをスコアカードとコースレイアウトを見ながら思い返して下さい。

どこで、どうして大叩きしてしまったのかを考えるのです。

もちろんその時のクラブ選択も思い出して下さい。

そうすると必ず「レイアップすればよかった!」というホールが出てきます。

レイアップすれば最悪ダブルボギーというホールが出てくるはずです。

初心者の人はまだ自分の飛距離も正確にわからないでしょうし、得意な距離というのもわからないと思うのでレイアップという判断に至るのは難しいかもしれません。

しかし、どう考えてもライが悪すぎる!という場合に前に出そうとして大きな番手を持たずにウェッジ等のショートアイアンで”フェアウェイに出すだけ”というレイアップは必要です。

フェアウェイでのショットはラフの何倍も優しいので必ずスコアアップに繋がります。

また中級者の人は欲を捨ててレイアップを試みるようにしましょう。

無理に飛ばそうとするとトラブルに繋がるだけです。

極端かもしれませんが、FWでグリーンを狙うのは危険です。

UTもしくはアイアンならグリーンを狙うという選択肢はアリです。

FWでしかグリーンに届かないのなら、得意な距離を残すことのできるクラブを選びましょう。

確実にピンに近付けることで必ずスコアアップに繋がります!

攻めと守りを組み合わせて!

「レイアップ」というのに注目してツアートーナメントを見て下さい。

ミスショットなんてほとんどないようなプロでもかなりの確率でレイアップしているはずです。

堀琴音選手のレイアップもプロだからこそ!の判断でしょう。

プロになるとアマチュアとは1打の重みが変わってきます。

1打で数百万円変わってきますし、1年を左右するランキングにまで関わってきます。

スコアをまとめるためにはそれだけレイアップというのは必要なのです。

攻めるゴルフも確かにかっこいいですが、畑岡奈紗選手みたいに攻めて結果を残せれば…の話です。

レイアップの結果、ベタピン→お先にパット!も十分かっこいいですよね。

自分のスコアの動き、ショットの調子などを考えて攻めたり、守ったりしてスコアアップさせましょう!