ゴルフレッスンや指導法で”股関節を入れる”という表現が使われることがあります。
一体この意味を正しく理解しているゴルファーはどれだけいるのでしょうか?
股関節は入れたり出たりするものなのか、どういった意味合いなのかを正しく理解すれば正しいスイング技術が身に付くかもしれません。
そこで今回は”股関節を入れる”を詳しく説明していきます。
ゴルフにおいての股関節を入れるとは一体なに?
股関節を入れるをイメージすると「テークバックで身体を捻転した時に、右の股関節に体重をかけて、グッと押しこむ」と考えてしまいがちですが、それは間違いです。
股関節に体重をかける必要はありません。
だとしても股関節を入れるとはなかなかイメージできないものです。
まずは体感してみることをオススメします。
スイングとは少し考えを離してみて下さい。
直立した状態で股関節を入れるのを体感してみます。
直立した状態でテークバックを取ります。
その時に股関節の向きに注目してみてください。
おへその下の下腹部が右斜め45度を向いていますか?
もし向いていればそれが正しく股関節が回転できているということです。
その状態からボール方向へとゆっくりと前傾してみてください。
右の股関節に入れ込んだ感覚がわかるでしょう。
この前傾姿勢をオーバー気味にしてみると更にはっきりとわかります。
それが股関節を入れるということなのです。
この感覚をしっかりと覚えて股関節を入れるスイングに挑戦してみてください!
股関節を入れることでどんなメリットがある?デメリットは?
ゴルフで股関節を入れることは絶対条件!のようにネット、雑誌、レッスン番組で必ず言われています。
それだけ大きなメリットがあるのです。
クラブは手や腕だけでは持ち上げられません。
結果、上体のターンでテイクバックできます。
右膝が動かず、上体のスエーが起きません。
故に常にブレのないトップを作ることができます。
トップでブレてしまうとスイングの崩れは大きいです。
もちろんインパクトにも狂いが出てくるので飛距離、方向性ともに安定しません。
股関節を入れることで安定したスイングが出来るようになるということです。
股関節を入れることで技術的なデメリットはないのですが、腰や股関節を痛めてしまう可能性は大きいです。
かなり鍛えているプロでも股関節や腰を痛めてしまうことがあります。
股関節がどれだけ強くても痛める可能性は大いにあるということです。
ですので、練習の前後に十分なストレッチをすることをオススメします。
股関節を入れることにメリットは多いですが、デメリットというのはほとんどありません。
ですので、スイングのときに股関節を意識してみてください。
股関節を入れる感覚を養うゴルフメソッド①
股関節を入れる感覚を養う方法として、宮里藍選手が幼いことにやっていた練習で、「座り打ち」です。
椅子に座って打つと身体の動きが制限されて、手打ち練習になるようなイメージを持ってしまうでしょう。
しかし実際に座って打ってみるとわかりますが、手打ちでは大きく振ってもボールに当たりません。
逆に小さく腕を振る感覚で打つと上手くボールにあたります。
座って打つと、腕の使い方はもちろんですが、胴体を上手く右に向けて左に向ける、身体の股関節と肩を上手く連動させ小さな動きで打てるようになります。
それだけ効率的なスイングになるということです。
座り打ちでは、身体の動きがかなり制限されるので股関節を入れて上手く捻転しないと綺麗に打てません。
またコンパクトスイングなので負担が少なく、たくさん練習しても股関節や腰を痛める心配は普通のスイングよりも軽減されます。
練習場で椅子を使うのが恥ずかしいという方は、家で鏡の前で座り打ちの空スイングをするとよいでしょう。
股関節を入れる感覚を養うゴルフメソッド②
股関節を入れる感覚は身近な方法でも養えます。
直立してお尻を左右に振ります。
そのまま背筋を伸ばして股関節を意識してお尻を左右に振りながら歩きます。
パリコレなんかでモデルがすまして歩く姿をイメージして下さい。
猫背になってしまうと意味がないので注意してください。
正しく股関節を使った歩き方が出来ていれば、頭が上下左右に動きません。
これを普段の生活やラウンド中に実践してみてください。
自然と股関節を入れるという感覚が養われます。
スイング中に頭が動く人は、きちんと股関節を入れていないということです。
ゴルフの理想は常に同じスイングが出来るということです。
故に何度も繰り返して身体に覚えさせることが大事です。
皆さん普段の生活でもゴルフでも日頃歩くことはたくさんあるでしょうから、「歩く」というのが一番繰り返すことが出来る動きです。
スイング行き詰ったときは、この股関節ウォーキングで散歩してみたら、息抜きもできて、股関節を入れる感覚も再認識してよいかもしれません。
股関節の可動域が狭いゴルファーはストレッチが重要!
股関節の可動域が狭いとスイングのときに股関節を入れるという動きはかなり負担になります。
ですから、日頃からストレッチを心がけるようにしてください。
股関節の可動域を広げるストレッチはたくさんあります。
一番おすすめなのは、可動域を広げる上に足腰も鍛えられる「開脚スクワット」です。
ツアープロは負荷をかけてやっている選手もいます。
無理のない範囲で開脚してゆっくりとスクワットをしてください。
練習前などはスクワットではなく、開脚して腰を低くすることで股関節のストレッチになります。
またお風呂上りとかに開脚して足のストレッチをする方法がありますが、その時に、足の付け根から回すようにすると、股関節の可動域を広げるストレッチにもなります。
下半身強化のための筋トレも大事ですが、股関節の可動域を広げるためのストレッチもかなり大事です。
股関節が柔軟になると、下半身が上半身を引っ張りゆっくり大きなスイングが完成するのです。
結果的に上半身に力を入れず無理のない理想的なスイングが出来るようになります。
股関節を使えば飛距離も方向性もレベルアップ!
股関節を使うのは、バックスイングの際に右膝を意識的に内側に入れてみましょう。
そして右足裏の内側で踏ん張ってください。
そうするとグッと右股関節が入る感覚が分かると思います。
そうすると右膝が絶対に流れません。
流れないと動きに制限がかかるので腰も途中で止まります。
そうなると自然と肩の動きも途中で止まります。
「○○過ぎる」動きがことごとく制限されます。
その中の限界まで回せたところが最大のトップということになります。
無駄な動きがない分スイング軸も決して動きません。
ここまでの流れをイメージしてください。
スイングプレーンから全く外れていないですよね。
故にミート率は確実に上がります。
また捻転の効果でパワーの蓄積があるので、回転速度を上げずともゆっくりなスイングで飛距離はアップします。
また力いっぱい振っていないし、全体的にブレというのが全くないので、安定したボールが打てるようになります。
安定したボールが打てるということは、方向性の安定に繋がります。
スイングは股関節の使い方次第!
普通の生活で股関節を意識して使うなんてほとんどありません。
ですから股関節を意識して使え!と言われてもなかなか難しいですよね。
しかしゴルフではとても重要な動きなのでがんばって身に付けて欲しいです。
もちろん股関節を間違った使い方をしてしまったら、スイングが崩れるだけでなく、身体も痛めてしまう可能性が出てきます。
ですから、いきなりゴルフスイングで股関節を意識して使うのではなく、ストレッチやドリルなどで徐々に股関節の動きを上手く使えるようにすることをオススメします。
身体が硬くあまり柔軟性のない方は特に気をつけてください!