スイングプレーンはフラットとアップライトどっちが良いのか

最終更新日:2018/04/22

スイングプレーンには「フラットスイング」とがあります。

どちらが正しいのか、どちらが良いのかと、練習場やゴルフのテレビ番組等で良く論争されています。

もちろんどちらにもメリットもデメリットもあります。

重要なのは自分にはどちらのスイングプレーンが合っているかと言うことなのです。

スイングプレーンとは

フラットやアップライトなスイングプレーンの説明の前に、そもそもスイングプレーンとは何なのかを説明します。

あのゴルフの神様ベン・ホーガン氏がゴルフスイングのメカニズムを説明するために用いた言葉が「スイングプレーン」です。

まず肩からクラブヘッドにかけて一枚の板(面)があると想定します。

この面を理想のスイングエリアとしての概念を説明する為に用いたのがスイングプレーンの始まりです。

そしてヘッドがプレーン(面)上にあるのが理想です。

またそれを「オンプレーン」と言います。

もちろん常にオンプレーンなのが理想ですが、それはプロでも難しいことです。

ですから多少外れても大きな問題ではないのですが、大きくスイングプレーンから外れないように、なるべくフェースの向きが安定するように意識することが大切です。

そしてこのスイングプレーンをフラットとアップライトの2つに分けたのです。

これらは分かりやすく大きく2つに分けたものであり、上級者向けには更に細かく分けて考えることもあります。

フラットなスイングプレーンとは

フラットなスイングプレーンとは、簡単に説明すると「横振り」です。

横振りと言っても野球のようなスイングではなく、背骨を軸にヘッドが半円を描き、体の回転と遠心力を使うスイングです。

比較的コンパクトなスイングプレーンになります。

フラットのスイングプレーンの特徴は、右脇を締めてテークバックをするのと、トップの位置が低めなところです。

実はフラットなスイングプレーンは、ここ数年「再現性の高さ」から海外で注目されています。

それはスイングプレーンがコンパクトなことと、右脇を締めることで腕を密着させて振ることで、体がブレずに安定した動きができるからです。

パッティングやアプローチで考えてください。

これらは正確なショットを必要とします。

そしてこれらのショットでは、両脇を締めて体を密着することでショットの再現性を高めています。

正にこの考えから生まれたのがフラットなスイングプレーンなのです。

こうしてみると良いこと尽くめなようですが、もちろんデメリットもあります。

フラットなスイングプレーンのメリットとデメリットについては後で説明します。

アップライトなスイングプレーンとは

アップライトなスイングプレーンとは、簡単に言うと「縦振り」です。

ヘッドを体の前で振り子のように動かし、体重移動を利用してボールを飛ばします。

特徴は、フラットなスイングプレーンの真逆と考えて良いでしょう。

フラットなスイングプレーンと比べ、大き目の振りになります。

トップの位置は高めで、右脇が適度に開いています。

プロゴルファーの多くはアップライトなスイングプレーンを採用しています。

しかし基本的にコンパクトなスイングをする韓国人プロゴルファーは、フラットなスイングを採用しています。

もちろん横峯さくらプロや福嶋晃子プロのような型にはまらない独特なスイングをする選手もいます。

それでも確かに特徴は一致しませんが、スイングプレーンはアップライトになっています。

そう考えるとフラットなスイングプレーンは比較的新しく見出されたスイングプレーンなので、まだ採用しているプロが少ないだけかもしれません。

その証拠にジュニアゴルファーやトップアマチュア等は、フラットなスイングプレーンを採用している人が多いようです。

フラットなスイングプレーンのメリットとデメリット

フラットなスイングプレーンのメリットは、安定したスイングができることです。

先に話したように、フラットなスイングプレーンは、体の回転と遠心力を使ってショットするので、体重移動を使うアップライトなスイングプレーンと比較すると、スイング動作はかなりシンプルなものになります。

そうしたシンプルな動きは、再現性を高め、安定したスイングを身につけることができます。

正確な距離感、方向性を必要とするゴルフにとって、スイングが安定することは最大のメリットです。

対してフラットなスイングプレーンのデメリットは、飛距離でしょう。

正確性を優先させるスイングプレーンのため、スイングがコンパクトになるので、ヘッドスピードが出づらく、思うように飛距離が伸びません。

また背筋を軸にヘッドが半円を描くような軌道になるので、インパクトゾーンが短くなります。

アップライトのスイングプレーンに慣れている人は、そのインパクトゾーンの短さに慣れるまでは、真っ直ぐなショットが打てない可能性があります。

アップライトなスイングプレーンのメリットとデメリット

アップライトなスイングプレーンの特徴は、フラットなスイングプレーンとほぼ真逆でした。

実はメリットやデメリットもほぼ真逆だと言えます。

アップライトなスイングプレーンのメリットは、インパクトゾーンが長いことです。

インパクトゾーンが長いことで、ショットの方向性が良くなります。

フラットなスイングプレーンは円を描く軌道ですが、アップライトなスイングプレーンは楕円形を描く軌道になるのでインパクトゾーンが長くなるのです。

そんなアップライトなスイングプレーンのデメリットは、スライスボールが出やすいことです。

その原因は、トップを高めにしてしまうことにあります。

トップを高くすることで、ヘッドが開きやすくなり、アウトサイドイン軌道になってしまうからです。

方向性が良くなるのがメリットなのに、スライスボールが出やすいと紙一重なところが、悩ませるポイントでもあります。

ただ元々スライスボールに悩んでいる人が、アップライトなスイングプレーンにするのは間違いなく危険かもしれません。

日本人はアップライトよりもフラット向け

フラットなスイングプレーンもアップライトなスイングプレーンも、それぞれにメリットとデメリットがあります。

そのため自分がゴルフに何を求めるかで選択肢は変わります。

しかし実のところ、日本人にはアップライトなスイングプレーンよりもフラットなスイングプレーンの方が合っています。

元々フラットなスイングプレーンとは海外で注目され始めました。

一目瞭然なのですが、海外の人と日本人の体格には大きな差があります。

もちろん中には海外の人と変わらない体格の人もいるでしょう。

しかし基本的には日本人の方が小柄なはずです。

そのため、フラットプレーンのほうがスイングを乗せやすいのです。

そんなフラットなスイングプレーンのデメリットにも上げましたが、飛距離を出しづらいスイングプレーンです。

対してメリットは再現性の高さなのですが、小柄な日本人ではインパクトゾーンが少なくなってしまうので、そのメリットが有効化しません。

飛距離も出づらい上に、再現性まで低くなったら、フラットなスイングプレーンを選択する意味はないのかもしれません。

もちろん全ての人にこれが当てはまるわけではないので、これはあくまでも参考にしてください。

自分に合うのかどうかが一番大事

多くのレッスン番組やゴルフ雑誌ではフラットスイングを薦めています。

一見魅力的なことばかりのようですが、それが確実にあなたに合うかどうかは分かりません。

特に体格や筋力、身体能力によって自分に何が合うのかをしっかりと判断する必要があります。

合わないものであれば、逆にスイングを崩してしまうこともありますし、体を壊してしまう可能性もあるということは肝に命じておきましょう。