ドライバーのスライスはスイング矯正よりグリップをチェック

最終更新日:2018/04/11

ドライバーだけ球筋が安定せず、スライスボールが頻発するようなら、矯正するポイントはスイングではなくグリップかもしれません。

飛距離が出るようにと、グリップの握り方や構え方を変えていることが多いようです。

そこでスライスしないグリップの握り方と構え方について紹介していきます。

ドライバーがスライスしたらグリップの矯正から始めよう!

ドライバーショットがスライスする時は、グリップの形を間違えていることが多いようです。

スタンダードな構え方は、スタンスを肩幅に広げ、膝と腰を軽く曲げて、背筋を伸ばして前傾します。

肩から下がる腕を真っ直ぐに下ろし、両手を合わせたところでグリップを握ります。

つまり身体の中央でグリップを握るのです。

一方でドライバーの場合には、ボールの位置が左足踵の延長線にあるので、グリップは左股関節の前で構えます。

左手を真っ直ぐに下ろすと、左手よりも先を握る右手は届かなくなるので、右肩を下げて右手を近づけてグリップすることになります。

ところがドライバー構える時に、左足に体重を乗せて、身体の中心軸を左側に移動することがあります。

こうすれば、グリップまでの両腕の間隔はほぼ均等になり、右肩を落とす必要がなくなります。

しかしスイング中に右肩を下げる最初の姿勢になったとしたら、フェースは開きスライスになる可能性が高くなります。

そこでグリップ位置を矯正するか、もしくはアドレス時の体重(軸)移動を矯正する必要があると考えられます。

グリップの構え方を矯正してドライバーのスライスを治す

ドライバーのアドレスでグリップを左腿の前に構えると、左腕の長さに比べて右腕が足りません。

その足りない間隔を埋めるためには、右肩を前に出してオープンな姿勢をとることになります。

下半身はスクエアで、上半身がオープンな構えであれば、テークバックからトップまでの捻転でそのオープンな姿勢は解消されています。

つまりダウンスイングでは、アドレスの姿勢を解除して、両腕が均等になる身体の中心でインパクトするスイングをすることになります。

このスイングだとボールよりもかなり前で、ヘッドは最下点を迎えることになるでしょう。

そしてボールまでの足りない距離を合わせるためには、上半身を左方向に移動することになります。

ただしスイングの最中に上半身が左方向に流れると、左肩と左膝が沈むことになり、結果的にフェースが開いてスライスボールを打ち出すことになってしまうのです。

この場合は難しく考えずに、ハンドファーストの構えを止めてハンドレイトに矯正していきます。

ドライバーのグリップとスイングを矯正すればスライスは治る

ドライバーのグリップ位置をハンドレイトに矯正すると、身体の中心でグリップを構えるので、ヘッドがグリップよりもターゲット側に置かれます。

普段ハンドファーストのグリップ位置でゴルフをしていると、かなり不自然な気がするかもしれません。

しかしティーアップするドライバーに限って考えると、ハンドレイトのグリップ位置は飛距離にとっても好都合なスイングになるはずです。

ティーアップしたボールは、芝の上のボールとは違い、フェースが上を向いた時にインパクトするものです。

ボールの手前でスイングの最下点を迎え、その後ヘッドが上がり始めたところで打ち出すわけです。

この時のフェース面が上を向くほど、ロフト角の小さなドライバーを選ぶことができます。

ロフト角が1桁の8度や9度のドライバーは、パワーヒッターが使うものではなく、アッパーブローでバックスピン量を落とせるゴルファーが使うものです。

女子プロゴルファーに使用者が多いのは、ここに理由があるでしょう。

フェースが下から上に動けば横回転はかからず、一石二鳥でスライスが矯正でき飛距離アップもできるはずです。

ドライバーのスライス矯正はグリップだけではダメ?

ドライバーのスライスの原因がハンドファーストであれば、グリップ位置を矯正するだけでストレートボールになるはずです。

しかしハンドレイトに矯正してもスライスが出るようであれば、ヘッドアップが原因かもしれません。

元々ヘッドアップはパッティングのイメージを指す言葉なので、ドライバーのスイングには関係はありません。

「カップインの音を耳で聴きなさい」といった意味の言葉を意訳して、「ヘッドアップ」としたようです。

ですからドライバースイングのための言葉ではありませんが、スイング中にヘッドアップ、つまり身体を起こすのであれば、打ち出すボールはスライスになる可能性が高くなります。

ヘッドアップは頭を上げることですが、それは首を後ろ側に曲げて顔を起こすわけではなく、上半身が起き上がるということです。

上半身が起きると、左肩の位置が高くなり、ボールとの距離が遠くなります。

このようなスイングは良くあることです。

特にボールの側面を打とうとする、レベルブローのスインガーに多く見られます。

レベルブローで振ろうとするのは、ドライバーのスイングを誤解しているから起こる、初期的な症状なので、なるべく早く矯正したほうが良いでしょう。

グリップを矯正してもドライバーショットがスライスする理由

ドライバーのスライスの原因が、レベルブローのスイングであれば、スイングのイメージをアッパーブローにするだけでも効果はあるはずです。

上手くタイミングが取れないようなら、練習場で何度も素振りをしましょう。

ドライバーのソールが人工芝を擦るように素振りを繰り返すと、スイングの最下点が分かります。

後はその最下点の少し前にティーアップしたボールがあれば、アッパーブローのスイングはできるはずです。

こうして最下点の取り方を矯正できたら、次にグリップの握り方と左手甲の関係を確認しましょう。

スライスするゴルファーは、グリップをストロング(フック)グリップ気味に握っていることが多いようです。

本来であればフックボールが出るはずの握り方ですが、逆のスライスするボールが出るのは左手甲の向きが間違っているからです。

そこで、ドライバーショットの時のストロンググリップについての考え方を確認する必要があります。

グリップで左手甲の向きがドライバーのスライス矯正ポイント

アドレスで左手甲を上に向けたグリップをストロンググリップと言います。

これはインパクトの時に、左手甲がターゲット側を向くことを期待したグリップの形です。

そのまま左手甲を上に向けてインパクトを迎えると、フェース面は開いてスライスします。

まず左手甲をターゲット側に向けることの重要性を確認できたら、次にストロンググリップで左手甲をターゲット側に向ける矛盾を確認しましょう。

普通にグリップした後に左手甲をターゲットに向けると、グリップは半回転します。

その回転に合わせてフェース面は左側を向きますが、同時に下方にも向くことになります。

ドライバーのスイングはアッパーブローが基本ですから、フェース面が下方を向くとボールの打ち出し角が取れません。

つまり弾道は低くなり失速してしまいます。

防ぐ方法は、ボールの位置を左足踵よりも左側に置いて、さらにティーを高くすることです。

これだと打ち出し角は上がりますが、今度は身体が左側に流れてスライスになる可能性が高くなります。

これを簡単に矯正する方法は、左手甲を上に向けるストロンググリップを止めて、左手甲を最初からターゲット側に向けるスクエアグリップにすることです。

正しいグリップに矯正すればドライバーのスライスは治る

ドライバーの飛距離を伸ばそうとして、ストロンググリップにするとスライスの原因になることがあります。

ひとつひとつを矯正するよりもスクエアグリップで構えて、アッパーブローをイメージしてスイングすれば、バックスピンのない高弾道のボールを打ち出すことができるようになるはずです。