フックグリップでハンドファーストに構えるとダウンブローに

最終更新日:2018/04/05

アイアンショットでスピンを利かせ、グリーン上でピタリ!

そんなプロのようなショットを打つことに憧れている人は多いでしょう。

あのプロたちのショットは、ダウンブローで打つことが必須です。

そのためにはフックグリップにし、ハンドファーストで構えなければなりません。

そのための練習法とポイントを紹介していきましょう。

覚えるべきハンドファースト

まず理解しておくべきハンドファーストとは、ボールよりグリップ位置を左側、つまりターゲット側で構えることを言います。

左側と言ってもそこまで極端な位置ではなく、左足の太もも前くらいの位置になります。

そして番手が小さくなるとボールの位置は右に寄っていきます。

アイアンは番手が小さくなるとスイングアークが小さくなり、早く下りてくることを踏まえておきましょう。

当然これらはあくまでも目安であり、スイングスタイルや体格によってボールの位置には個人差が必ずありますので、練習する中で自分に合う位置を確認してください。

ハンドファーストのアドレスは、ボールを上から打ち、スピンを利かせるための構え方に他なりません。

この時、体重は少しだけ左足体重で構えます。

試してみると良く分かるのですが、ハンドファーストの構えをとると、スクエアグリップでは難しいと感じられるでしょう。

シャフトが斜めになるために、フックグリップにしなくてはなりません。

ここで注意して欲しいのが、ハンドファーストの構えはアイアンの構えに適していますが、ドライバーなどウッド系のクラブでは使用することはありません。

ハンドファーストに構えるにはフックグリップが最適

先程少し触れたように、ハンドファーストに構えることは、ダウンブローで打つために必須です。

間違ったアドレスでは、まずダウンブローで打つことは限りなく難しくなります。

アドレスでスクエアグリップにした上でハンドファーストに構えると、左手が手のひら側に折れてしまうため、インパクトが早くなっています。

これが原因でダフリのミスが出てしまう可能性が高まるので、絶対に避けましょう。

そこでフックグリップでハンドファーストに構えるには以下の5つのポイントがあります。

①左手甲が上を向くように握る
②両手のV字が右肩を向く
③右手のひらを目標に向ける
④アドレスは左足体重
⑤両膝に軽く力を入れ緩みを無くし固定させる
⑥グリップの位置は左太もも前

このアドレスでグリップ位置を真ん中にすると、インパクトは正確に元の位置に戻るので、当然ボールの手前に入ってしまいダフリます。

アドレスはボールの後ろにヘッドをセットしますが、インパクトはボールの前にヘッドを入れるので、ハンドファーストに構えるのです。

つまりハンドファーストの構えでグリップは左足内側が定位置になりますから、その位置に戻すと自然にダウンブロースイングになると言うことです。

フックグリップにすればボールとグリップの位置は決まる

フックグリップでハンドファーストが最適と先程から話してきましたが、実はフックグリップにすれば、自然とボールとグリップの位置はハンドファーストになるはずです。

多少身長の高さで変わりますが、フックグリップにしたら、基本は左手を垂直に垂らしたところがグリップの位置になるでしょう。

そしてボール位置はその決まったグリップの位置から自然とアドレスしたところです。

ボールがフェースのどの位置にあるか確認し、慣れるまで毎回ボールの位置を調整し適切な位置を確認すると良いでしょう。

フックグリップにしているのにも関わらず、ハンドファーストの構えにならなかったり、ボールの位置が正しくないのは以下のような原因が考えられます。

①体のエイミング(狙いを定める様子)が悪い
②右肩が前に出ている
③猫背になっている
④グリップが体から遠い

フックグリップにすることで、ボール位置もグリップ位置も自然と正しい位置に来るはずなのに、そうでない場合は他のところに悪いところがあるはずと考えてください。

練習場などで何球も打っていると、最初は意識できていても段々と無意識に悪くなっている場合があります。

ボールを打っている間はなかなか気づかないので、特に練習場では毎回アドレスが正しいかを確認しましょう。

フックグリップでのインパクトはハンドファースト

フックグリップのインパクトは基本的にアドレスと同じになります。

故にハンドファーストに構えるのですから、インパクトもハンドファーストになっていなければなりません。

ご存知の通り、インパクトは一瞬です。

左手の甲はリストターンの後にフェースと一緒にボールを向きますが、それも一瞬です。

ダウンスイングはリストターンを考えてスイングしますが、リストターンをしたら一気にフィニッシュまでいきます。

フェースがボールを向いている時間はわずかで、目視するのは困難です。

目視できるのはリストターンの後の右手のひらくらいでしょう。

その時右手のひらは体の後ろを向いていなければなりません。

上手くダウンブローに打てず、スライスが出てしまう人は、インパクトでハンドファーストに戻っていないことが原因です

タイミングが合わず、フェースがいつまでもボールを向いていたり、リストターンが不完成であったり、ボールに当てることに終始しているのでしょう。

フックグリップにすることで、リストターンをしやすくなり、ハンドファーストに構えることでフェースがボールに向いている時間が一瞬になるのです。

フックグリップでハンドファーストのインパクトの練習法

フックグリップでハンドファーストにアドレスしてボールの前にヘッドが入らないのは、アドレスの位置にグリップが下りてきていないからです。

そこでアドレス位置に下ろすためには、左腰が安定していなければなりません。

またインパクトが正しいかどうかはフィニッシュを見れば分かります。

プロのトーナメント等で解説者が良く言うのが、「フィニッシュができていないから今日は球が安定していないですね」です。

フィニッシュはスイングの正しさを表しているものです。

正しいインパクトはフィニッシュで胸が左後方を向きますが、そうでない場合は胸が目標方向もしくは右を向いてしまいます。

そのための練習では、左:右7:3の体重で、頭をスタンスの真ん中に置き、膝に力を入れて上半身を捻転させます。

トップまでは膝に力を入れて腰を回すように意識してください。

この4点を意識して練習することで、正しいインパクトを身につけることができるでしょう。

両足を閉じ、ハーフスイングにすると、よりその4点を意識してスイングすることができます。

その際は、ボールに当てることを考えず、飛距離を出すことも忘れ、正しいインパクトを迎え、芯を捉えることだけを考えてください。

自己流を貫くプロもいる

ハンドファーストに構えるにはフックグリップが最適、むしろそれ以外はダメと話してきました。

しかしハンドファーストに構えるのですが、フックグリップではないプロゴルファーがいました。

女子プロの大迫達子選手です。

彼女はハンドファーストに構えるのですが、スクエアグリップで握ります。

自己流を貫くことで日本で45勝、内メジャー8勝も挙げ、日本プロゴルフ殿堂入りまで果たしています。

ゴルフは基本を押さえておけば、こうだと言う決まりはないと言うことを彼女は証明しています。

彼女は、スクエアグリップでフェースを目標に対して45度かぶせて握り、フェースを目標に向けます。

この場合、右手はフェースが目標に向いてから握り直すのですが、実は結果的に同じ握り方になります。

スクエアグリップでスタートはするものの結果フックグリップになっているのです。

グリップの握り方を変えると慣れるまでに時間を要しますが、彼女の方法を取れば違和感が少ないかもしれません。

自分がどうしたいかでスイング診断をしよう

フックグリップでハンドファーストに構えることで、ダウンブローに打てることをお話ししました。

しかし現在の自分にそのスイングが必要なのかどうかをまず考えましょう。

スライスやフック、シャンクに悩んでいる人は、それよりも真っ直ぐに打つことを考えなければなりません。

ゴルフ上達のためには、今自分のゴルフに何が必要かを判断し、それに合わせた練習をすることが一番大事です。