グリーンの速さの測り方を知ってオールワンパットを狙う!

最終更新日:2017/09/30

速いグリーンに憧れをもつゴルファーは多いと思います。

腕の善し悪しにかかわらず、カップを狙うためにラインを見極めることは、ゴルフの醍醐味のひとつです。

そこで分析するために必要なグリーンの速さの測り方について確認していきましょう。

スティンプメーターを使ったグリーンの速さの測り方

憧れる人も多い高速グリーンですが、どの程度の速さを「高速」と言うのでしょうか?

まずはグリーンの速さの測り方とその速さを知る方法について確認していきます。

グリーンの速さの計り方は、ボールを転がして、その距離の長さで示します。
近代ゴルフは発祥の地である英国の長さ単位、日本では馴染みのない「フィート」を使っています。
ゴルフで使われる長さには、このフィートの他にインチやヤードがあります。
こちらもフィートと同じく英国の長さの単位で、ゴルフ界では国際基準となっています。
ちなみにフィートをセンチで換算すると、1フィートは30.48センチなので、約30センチと覚えておくとよいでしょう。
またフィートはグリーン上の距離を表すときに使い、それ以外はヤードもしくはクラブ(ワンクラブレングス)を単位にしています。

30センチを1単位にして、ボールがどのくらいの距離を転がるかを調べる道具が、スティンプメーター(Stimpmeter)と呼ばれる計測器です。
名前からするとすごい道具のような感じはしますが、実はアルミ製のモノサシみたいな物です。
長さは91センチ(3フィート)で幅が4.4センチ、中心線からV字の溝ができていて、先端から76センチのところにボールを置くための穴が開いています。

この穴にボールを乗せて端を傾けると、穴からボールがこぼれてV字の溝の上を転がり芝面の上を走るわけです。

アンジュレーションが強いグリーンの速さの測り方

実際のグリーンの速さの測り方について確認します。

まずはグリーン面で傾斜が少ない場所を選んでマークします。
次にそのマークにスティンプメーターの端を合わせてボールを乗せてセットします。
ゆっくりスティンプメーターの端を持ち、自然にボールが転がっていくまで上げていきます。
基本的には芝面とスティンプメーターに20度の角度ができたときに転がり出すように作れラています。
このとき重要なことは、ボールが転がりでたところで持ち上げをストップすることです。
その後ステップメーター(マークの箇所)の端から、転がって止まっているボールまでの距離を測ります。

この作業を四方に向けて行い、4箇所の平均の長さが計測したグリーン速さとなります(左右2箇所で計測することもあります)。

ちなみにアンジュレーションが強いグリーンの場合には、スティンプメーターの裏面を使用します。
裏面は端までの距離が短く、通常の1/3の距離を転がります。
同じように計測して、あとから3倍にするとグリーンの速さを算出することができるようになっています。

ではなぜ速いグリーンなのか、その見分け方について考えていきます。

自分で見極められるグリーンの速さの測り方

グリーン上で実際に打っていないのに転がり具合は分かりません。
「鏡のような」と呼ばれるグリーンであっても、年間を通して速いわけではなく、芝を育成する期間は遅くなっています。

その育成期間を知ることで、自分なりにグリーンの速さの測り方ができるかもしれません。

まずは芝について確認します。
日本のゴルフ場で使われているグリーンの芝は大きく分けて2つあります。

1つ目は和(日本)芝で、冬になると茶色に枯れていく高麗芝などがあります。
2つ目は洋芝で、冬でも青々としていますが夏の暑さに弱く育成が難しいベント芝です。

今では多くのグリーンがベント芝になってきていますが、これは年間を通して低温な本場英国の芝に近づけるためのものです。

ちなみにベント芝の適正温度は18度と言われていて、日本では北海道など限られた地域しか使えませんでしたが、種苗改良を行い今では九州や沖縄でもベントグリーンのコースがあります。

芝目を読み取りその影響力を考える

必ずしもベント芝がよくて高麗芝の評価が低いと言うわけではありません。

ただトーナメントコースを中心にベント芝が全国的に広がっているのは、グリーンの速さの測り方に対して信頼の持てる数値であることが大きなポイントになっています。

芝が育ち伸びていくとき同じ方向を向くことを芝目といいます。
芝目は通常「順目」と「逆目」として使われますが、この芝目が強いのは高麗芝で、逆に弱いのがベント芝です。

ベント芝は芝目が弱いので、傾斜を読み切り正確なストロークができればカップに沈めることができます。
一方で高麗芝は芝目がきついと、傾斜がフックラインでもスライスして昇っていくことがあります。
つまり当日の芝の勢いによって読みが変わるため、ホームもしくは普段からプレーしている選手が有利になるわけです。

アマチュアの場合は全国を転戦する機会は少ないので、ホームコースは芝の種類よりも転がりが一定であれば問題ありません。

四季によって違うグリーンの速さの測り方とその結果

ここでは全国的に主流となっているベント芝の育成を確認して、コースにおいてグリーンの速さの測り方の目安について考えていきます。

日本列島は長いので場所によって違いますが、春夏秋冬の四季がはっきりしている地域を想定します。

春は新芽が出てくる時期ですが、それまでは休眠状態となっています。
実際には芝高を刈り込むことなく、また根が伸びることもないので、肥料を控えて負荷を与えないようにします。
ですから春のグリーンは遅いということになります。

夏の少し前に新芽が出揃うと施肥を行い栄養分を与え、同時に散水の量も増やしていきます。
根が張るように根切りを行い、さらに芝草をカットすることで根が張って強い芝へと変わっていきます。
根切りの時期は芝面が荒れている、また目砂によってボールが跳ねることが原因で遅くなるときはありますが、落ち着くと速いグリーンとなっていきます。

秋は「収穫の秋」とも言われ、ゴルフコースでもキノコが生えて菌が蔓延し、病気対策のための薬剤散布をします。
人間が風邪をひいたときと同じで、わずかな期間は休息が必要になり、また次年度に向けたメンテナンスも行われるため一時的に遅くなりますが、それ以外は夏と同じ速いグリーンを維持しています。

冬は芝の伸びがなくなり、余分な雑草も枯れてしまうため、速いグリーンになります。
ただし刈り高は長いので、秋の施肥が効いているコースでは遅い場合もあります。

こうして四季を考慮すれば、およそのグリーンの速さは見当がつくでしょう。

ラウンド前に知ることができるグリーンの速さの測り方

実は大半のコースでは、コース上でグリーンの速さの測り方について考える必要はなく、スタート前におよその速さを知ることができます。

ゴルフ場によって場所に違いはありますが、ハウス周辺やスタートするティーグラウンド周辺に練習グリーンが設けられているからです。
このグリーンは打ち方を練習するためのものではなく、その日のグリーンコンディションを知るためのものです。

基本的に18ホールすべてのグリーンが同じ速さに仕上げてあり、練習グリーンもその速さに合わせています。
ですから練習グリーンで数回打つと、その日の速さを知ることができるわけです。

ちなみに練習グリーンのマナーに「ボールの数」があります。
スタート前の練習グリーンは自分のストロークを修正するために、「たくさんのボールを一度に打つのはマナー違反」と言われているのは、多くの人が転がりをチェックする場だからと言うことです。

時間によってグリーンの速さの測り方の結果は変わる

グリーンの速さの測り方で重要なことは、計測を早朝に行っていることを知っておくことです。

芝を刈ってすぐに計測しても朝露で重く、しかも芝目は強制的にグリーンモアの進行方向に向けられています。

ところが日が昇って芝が乾いてくると球足が速くなり、また午後からは芝が伸びて遅くなってきます。
ラウンド時間によってもグリーンの速さは違ってくることも理解しておきましょう。