帝王ジャックニクラウスが教える実に簡単なスイング法とは?

「帝王」と呼ばれたジャックニクラウスと言えば、マスターズで前人未到の6回優勝を成し遂げたゴルフ界のレジェンドです。

その彼が打ち出すボールは金熊(ゴールデンベア)と呼ばれたようにパワフルなものでしたが、スイングはちょっと違いがありました。

最強のゴルファーと呼ばれた男のスイングを確認していきます。

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60年代に活躍したジャックニクラウスの独特なスイング法

ジャックニクラウスと言えば、「最強のゴルファー」や「帝王」と呼ばれるゴルフ界のレジェンドであり、あのタイガーウッズが憧れた選手としても有名です。
金髪でがっちりした容姿から「ゴールデンベア」との愛称もあり、一時期はゴルフ製品を席巻するほどの人気ブランドとなっていたほどです。

ジャックニクラウスは数々の歴史を作り上げた偉人的な存在なので、日本のゴルフファンの中でもトップクラスの有名人と言えると思います。

ただ日本で使われている名前の呼び方は、米国をはじめ世界の国々とはちょっと違うようです。

私たちは「ニクラウス」と呼びますが、本人はもちろんのこと居住地の米国でも「二クラス」と呼ばれていて、独国系米国人を想起させる発音は使われていません。
人種や肌の色については非常に敏感になっているので、もしも海外で名前を呼ぶ機会があれば「二クラス」を使ったほうが良いと思います。

米国で圧倒的な人気と尊敬を集めるジャックニクラウスですが、父親の影響で10歳からゴルフを始め19歳でプロデビュー。
キャリアグランドスラムも含めメジャー最多の18勝を誇る稀代のプロゴルファーと言えます。

1960年から70年代にかけて活躍したので、最近はジャックニクラウスのスイングを知っている人も少なくなっていると思いますが、その独特なスイング法について確認していきます。

プリッとお尻を向けるジャックニクラウスのスイング法

ジャックニクラウスの代名詞にもなっているゴールデンベアと、彼のスイングはまったくマッチしていません。

一般的なスイングでは両足のつま先側で体重を感じながら、足指を広げて地面をつかむようなイメージで立ちます。
いわゆる「しっかりしたスタンス」を取るわけです。

ところがジャックニクラウスの場合は、テークバックで左足の踵を上げる「ヒールアップ」でトップの姿勢をとります。
ターゲットにプリっとお尻を向けた姿勢は、ゴールデンベアのような堂々としたスイング姿勢とは言い難いものがありました。

ヒールアップについては功罪があります。
すべてが悪いわけではありませんが、どちらかと言うとヒッコリー時代の旧態依然としたテークバック法で、世界を制するような強いダウンスイングを打ち込むことが難しいように思えたものです。

もちろん当の本人もそのことは十分承知していたでしょう。
でもジャックニクラウスは最後までヒールアップをやめることはありませんでした。

なぜ、ヒールアップにこだわったのかを確認していきます。

ジャックニクラウスがこだわったヒールアップのスイング法

ジャックニクラウスがなぜヒールアップのスイング法にこだわったのか、その答えは腰の回転を重視したからです。

今から半世紀以上前の1960年代であっても、すでにベタ足でスイングすることが普通になっていました。
つまりジャックニクラウスのスイングはノーマルではなかったと言うことです。
ただ彼は6着もグリーンジャケットを持つことになり、アブノーマルのスイングがやがてスタンダードなスイングになっていきます。

後年ジャックニクラウスは、プロ選手よりもアマチュアプレイヤーこそが、ヒールアップでスイングしたほうがよいとコメントしています。
その理由は腰を回転しやすくするからだそうです。

左肩を外転するとき、地面に対して平行にプレーンを作ることはありません。
直立した状態で肩を回せば、地面と平行した円の軌跡はできますが、アドレスで前傾していますから、当然のごとく斜めのプレーンができるわけです。

一方で肩に連動して腰も回転しますが、こちらは地面と平行なプレーンを作ることになります。
頭では理解できていても、実際にテークバックすると右腰が上がった状態で、腰の左右が斜めになってしまうことがあります。

このミスを防ぐことができるのがヒールアップにあると言うことなのです。

ジャックニクラウスのスイングには2つのポイントがある

ジャックニクラウスがこだわったヒールアップのスイング法は、平行した腰の回転をミスなく作れることにあります。

テークバックで右腰が高くなると、本来は右側に体重が移動するはずなのに、腰の部分から上体は左側に傾くことになりオーバースイングの要因となります。
この状態でダウンスイングをすると、左側にある体重(重心)は右肘が下りてくるのと同時に右側に移動してきます。

本来、インパクトの時には右サイドから左サイドに移動すべき体重が、逆に右サイド(後ろ側)に移動することに繋がることになり、パワーロスの原因となります。

そして腰の回転以外にもうひとつ、実はこちらのほうが重要だったかもしれませんが、ヒールアップすることで大きく外転できるというメリットがあったのです。

石川遼プロのように左肩が180度以上回転する人は稀です。
一般的なプレイヤーはもちろんこと、プロゴルファーであってもあれほど回転をすることは困難です。
無理に肩を回そうとすることが腰痛の原因となることもありますし、ミート率を考えれば無理な姿勢でのトップにメリットはありません。

ただ大きく捻転したほうが遠くに飛ぶことに疑いはないので、楽な姿勢で左肩を回すためにはヒールアップは必須だったと言えます。

ジャックニクラウスのピボットを踏むスイング理論

最近はあまり聞かなくなったゴルフ用語に「ピボット」があります。
バスケットではボールを受けて着地した軸足に対して「ピボットを踏む」と使うことはありますが、ゴルフのスイングでも回転(ピボット)する軸足のことを言います。

一般的には、テークバックのときのピボットは右足で、ダウンスイングからは左足がピボットになるのが理想とされています。

ジャックニクラウスはこのピボットを明快にすることができるヒールアップを採用しています。
テークバックで左足の踵を浮かせば、自ずと右足に体重が掛かります。
一方でダウンスイングに入ると、左足の踵を地面につける反動で体重が左足に移動して、ピボットは右足から左足へと移動します。

ここで大切なことは、単に体重を移動したことではありません。
回転軸を右足から左足に移動するので、テークバックでは左サイドの外転は大きくなり、ダウンスイングでは大きなフォロースルーが取れるようになります。
この大きな動きは飛距離を生み、まさに「熊」並みのパワーでボールをヒットすることができたわけです。

ちなみに逆の軸足になることを「リバースピボット」と言い、ジャックニクラウスはその原因を腰がフラットにならなかったことと考えたようです。

ジャックニクラウスが伝える楽なスイングの効果とは

最近は体重移動が不完全なスイングの代表のような扱いになっているようですが、ジャックニクラウスが世界を制した20年間は、大多数のアマチュアゴルファーとプロゴルファーがヒールアップ打法でスイングをしていました。

このスイング法がベタ足に変わったのは、タイガーウッズの登場によるものです。
ゴルフ界のスタンダードがジャックニクラウスからタイガーウッズに移ったのは、ヒールアップからベタ足のスイングに変わったときかもしれません。

ただ前述しましたが、アマチュアゴルファーにとっての捻転は、パワーを生み出す以上にミート率の低下が懸念されるスイング法です。
しかも中途半端な捻転であれば、パワーを伝えることができません。
普段の運動不足や加齢による柔軟性の欠如など、身体への負担が高い割には効果が少ないスイング法よりも、ヒールアップすることでリバースピボットにならないことが重要です。

楽にスイングすることが飛距離を生む簡単な方法であることを、世界最強の男ジャックニクラウスは教えてくれました。

ジャックニクラウスのヒールアップスイングでレベルアップ!

昔の打法と思えるジャックニクラウスのヒールアップ法ですが、実際には楽にスイングできることで確実にミート率が上がる最良の打法と言えます。

今日からでもすぐに取り入れることができますが、腰をフラットにすること、右サイドに壁を作ること、この2点を注意すれば、今よりもスムーズなスイングができるはずです。