トッププロゴルファーが揃うpgaツアー。
その選手たちのドライバーの飛距離に憧れるアマチュアゴルファーは少なくありません。
1980年代から比べるとその飛距離は爆発的に伸びています。
今回は全てのゴルファーが興味を持っているpgaの飛距離についてお話していきましょう。
飛躍的な伸びを見せたpgaの飛距離
pgaツアーのドライバーの平均飛距離は、技術的なこともありますが、ボールやクラブの進化もあって飛躍的に伸びてきました。
しかし近年その伸びが停滞してしまっていると言われています。
遡ること1980年代のpgaツアーでは、主にパーシモンのドライバーが使われていました。
※パーシモンドライバー:
ヘッド部分が木材で作られており、真っ直ぐ飛ばすことが非常に難しいクラブ
その時代のドライバー飛距離は、最も飛ばす選手でも270ヤード台
1990年代に入るとパーシモンのドライバーからメタルやチタンのドライバーに変わっていきました。
そんな変遷を経て、2003年以降のドライバーの平均飛距離は、315~320ヤードになっています。
飛ばすゴルファーの平均飛距離で比べると、40ヤード以上伸びていると言うことです。
1995年~2005年までの10年間でその飛距離は飛躍的に伸びたのですが、それ以降はあまり伸びが見られません。
それはボールとクラブの進化が一段落してしまったからと考えられています。
pgaの飛ばし屋たちの飛距離の動き
それでは1980年以降のpgaのドライバーの平均飛距離がどう変化してきたか、データを見て行きましょう。
1980年→平均飛距離274.3ヤード
1985年→平均飛距離278.2ヤード
1990年→平均飛距離279.6ヤード
1995年→平均飛距離289.0ヤード
2000年→平均飛距離301.4ヤード
2001年→平均飛距離306.7ヤード
2002年→平均飛距離306.8ヤード
2003年→平均飛距離321.4ヤード
2004年→平均飛距離314.4ヤード
2005年→平均飛距離318.9ヤード
2006年→平均飛距離319.6ヤード
2007年→平均飛距離315.2ヤード
2008年→平均飛距離315.1ヤード
2009年→平均飛距離312.3ヤード
2010年→平均飛距離315.5ヤード
2011年→平均飛距離318.4ヤード
2012年→平均飛距離315.5ヤード
2013年→平均飛距離306.3ヤード
2014年→平均飛距離314.3ヤード
2015年→平均飛距離317.7ヤード
どうですか?
2005年以降は動きがないどころか前年よりも飛ばない年まであります。
2005年以降は道具の効果ではなく、技術による飛距離だとも考えられます。
pgaの飛距離を伸ばした道具の変化
pgaツアーで年間のドライバーの平均飛距離が300ヤードを超す選手が初めて出たのは、1997年です。
それは知る人ぞ知る、あのジョン・デイリー選手で302.0ヤードでした。
1990年代半ばまでは、バラタカバーの糸巻きボールが全盛期でした。
その後、ウレタンカバーのボールが出現、さらには現在も高い人気を誇っているタイトリストのProV1で知られるマルチレイヤー・ソリッドコアタイプのボールが普及しました。
これが選手達の飛距離を大きく変えたと考えられます。
もちろんボールだけでなく、理想的な打ち出し角とバックスピン量の組合せを可能にした大型ヘッドのドライバーや、高度なカーボン・グラファイトシャフトの製造技術の進化も更に拍車をかけました。
またボールやドライバーなど道具の進化だけではありません。
スイング分析用のビデオカメラやソフトウェア、ヘッドスピード等の測定器の技術も進化した上に、昔と比べると簡単にフィッティングやトレーニングをできるようになったこともあります。
実はそういったレベルアップさせるためのトレーニング器具の進化はプロだけでなく、アマチュアゴルファーのレベルアップにも影響しています。
飛距離が伸びた結果コースの距離も伸びた
pgaツアーの選手たちの平均飛距離が伸びた結果、何が起きたかと言うと、ツアーのゴルフコースの距離が伸びました。
例えばpgaの夢の舞台マスターズが行われる「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」は、1997年の大会では全長6,925ヤードでした。
先ほど話したように1997年と言えば、初めて300ヤード越えを出した選手が出た年です。
しかし2000年には全長6,985ヤードと60ヤード伸び、2001年から2005年の間になんと7,270から7,290と僅か5年で365ヤードも伸びました。
ざっと見ても、アマチュアの短めのミドルホール分は伸びていることになります。
そして2006年にはなんと7,445ヤードまで伸びたのです。
現在もそのくらいの距離設定を維持しています。
つまり飛距離の伸びの停滞と共に、コース全長の距離も停滞させているようですね。
しかしどんなに飛距離が伸びたと言っても、その時は選手たちもあまりにもコースを伸ばすので嘆いていたのではないでしょうか。
昨今のpgaツアーの選手たちは、時と場合によっては500ヤードを超えるミドルホールもプレーしなければならなくなっています。
500ヤード超えのミドルホールなんて、アマチュアゴルファーでは考えられない距離です。
pgaツアーでは飛ばし屋が有利なのか
それだけ選手たちの飛距離も伸び、それに合わせてゴルフコースの全長も伸びてきているのであれば、pgaツアーでは飛ばし屋たちが有利になってきているのでしょうか。
もちろん飛ばせることが有利なのは言うまでもありません。
しかし実はpgaツアーでは、飛距離の短い選手が活躍しているというデータもあります。
これは「ゴルフは距離を競うスポーツではない」を正に証明しています。
例えば2008年のデータになりますが、世界のトップ10の座を維持してきたのは、平均飛距離272.4ヤードで飛距離ランキング165位のジム・フューリックです。
そして2007年のマスターズでは平均飛距離275.1ヤードで飛距離ランキング181位のザック・ジョンソンが優勝しています。
ただ2017年の世界ランキング1位はダスティン・ジョンソンで、飛距離ランキングは2位の313.6ヤードですから、有利に働いているのは間違いないようです。
しかし世界ランキング2位はジョーダン・スピースで飛距離ランキングは51位の295.4ヤードと、そればかりでないのも証明されています。
飛ばすのは有利に働きますが、他の技術が上回れば全く関係ないと言うことでしょう。
日本男子選手たちの飛距離は
残念ながら日本男子選手たちのドライバーの平均飛距離は、pgaの選手たちには到底及んでいません。
世界で活躍している松山英樹選手が、pga飛距離ランキング26位で303.3ヤードです。
それからjgaの飛距離ランキングのベスト3はすべて海外選手です。
日本人トップで4位の永野竜太郎選手で295.6ヤードです。
ここでpga51位のジョーダン・スピースと並ぶくらいです。
道具は変わらないものを使用しているでしょうから、やはり体格と技術の差が大きいのでしょう。
ゴルフは飛距離を競うスポーツではないと話しましたが、実はpgaとjgaで差があるのは飛距離だけでなくフェアウェイキープ率もです。
pgaが65%くらいなのに対し、jgaは56%くらいと10%程度の差があります。
もちろんコース設定が同じではないので一概には比べることはできません。
しかしこの差を見ると日本人選手たちにもっとがんばって欲しいとは感じます。
松山英樹選手が世界で活躍しているのですから、体格差だけを理由にはできないからです。
ゴルフは上を見ても下を見てもきりがない
ゴルフは唯一老若男女が一緒に楽しめるスポーツです。
だからハンディも存在しているのです。
それぞれ目指すところによって違いはあるかもしれませんが、まずはゴルフを楽しむことが重要です。
楽しむ中で自分なりの目標を決め、自分のペースで練習するようにしましょう。
pgaの選手たちは「プロ」であり、それで生活しているのですから、そこを目標にするには、かなりの努力と時間とお金を要するのは間違いありません。