男性アマのヘッドスピードの平均は40と言われていますが、中には45をマークするゴルファーもいます。
ルールは飛ばないように規制を設けていますが、道具の進化もあって飛距離は長くなっています。
そこでヘッドスピードの観点から、飛距離に大切な3要素とスイング法を紹介していきます。
ヘッドスピード45にスプリング効果で飛距離が伸びる
1度は買い替えるゴルフクラブと言えば、ドライバーとパターではないでしょうか。
その中でもドライバーの場合は、店頭の新商品に「飛ぶ」というキャッチコピーが掲げられると、ゴルファーとしては気になるものです。
ただ「実際に飛ぶのか」と言えば、ヘッドスピードが変わらなければ飛距離がアップする可能性は薄いと言えます。
ゴルフクラブの中でもドライバーは飛距離を求めるクラブです。
ところが技術進歩によってフェースにスプリング効果が生まれてしまい、現在では飛びすぎるということで、「飛び」に対してルールが制限を設けているのです。
ロケットの先端金属や戦闘機のボディなどにも活用されているチタン合金は、非常に丈夫な金属であることから、肉厚が薄くても衝撃によって壊れることはありません。
その先端技術をゴルフクラブに取り入れて、現在のドライバーヘッドは作られています。
肉厚が薄くなったことで、フェース面がトランポリンのように弾むスプリング効果が現れて、しかもヘッドが軽くなったことでアマチュアでもプロ並みの飛距離を得られるようになりました。
男性アマのヘッドスピードの平均は40を超え、速い人だと45以上をマークしています。
ヘッドスピード45で飛距離に不満があれば真芯で打つこと
現在ではスプリング効果の高い「高反発クラブ」の使用は禁止されていますが、それでも昔のドライバーよりは遥かに飛びます。
ただし新しく出てくるドライバーが飛ぶのかと言えば、既存のドライバーが規制値ギリギリで作られていたとしたら、ボールの打ち出すときの速さ、つまり初速が同じなのでスプリング効果で飛ぶことはありません。
でもヘッドスピード40と45で比較すれば、45のほうがより遠くに飛ばせる可能性は高くなります。
ヘッドスピードの速さはインパクトの衝撃とイコールなので、強い衝撃を与えればそれだけ遠くに飛ばすことはできるからです。
しかし強い衝撃を加えるショットで飛距離をあげるためには、いくつかの条件が必要となります。
1つ目は、スイートスポットでボールを打つことです。
スプリング効果が規制されているとは言え、ルール上の反発係数のマックスは0.830です。
反発係数の最小は0.000で最大は1.000、規制内の最大が0.830ですから、83%のスプリング効果は認められているわけです。
馴染みのない係数で考えると分かりにくいですが、一般的に0.800と0.830で飛距離は20から30ヤードの違いです。
ヘッドスピードで表すと40が45に変わったくらいの違いです。
飛距離アップにはヘッドスピード45と打ち出し角が大事
ヘッドスピードの速さで遠くに飛ばすためには、スイートスポットでボールを打つことが1つ目の条件になるとお話しました。
そして2つ目の条件となるのは打ち出し角です。
打ち出したボールは、放物線を描いてターゲットの方向に飛球します。
鉄砲の弾であれば45度が理想的な角度でしょうが、ゴルフボールは空気抵抗を受けるため、打ち出し角が高いと途中で失速してしまいます。
男性アマのヘッドスピードが45のとき、飛距離の平均は約230ヤードです。
このときの初速は60、打ち出し角は12度となっています。
この12度が高いのか低いのかは、ドライバーのロフト角やシャフトのフレックスによっても違うので一概に判定することはできません。
ただし同じような条件下で女子プロを見ると、ヘッドスピードは43とマイナス2ですが、飛距離はプラス20の250ヤードです。
このときの初速は62、打ち出し角は14度となっています。
つまり男性アマはヘッドスピードが速いのに、他の条件が揃っていないために、ヘッドスピードの遅い女子プロよりも飛距離が飛んでいないと言うことになります。
ヘッドスピード45でスピン量を抑えて飛距離をアップする
ヘッドスピードの速さで遠くに飛ばすための1つ目の条件はスイートスポットでボールを打つこと、2つ目の条件は打ち出し角を上げることです。
そして3つ目の条件はスピン量を減らすことです。
ヘッドスピード45の場合、男性アマのスピン量は4000回転と言われています。
このままの状態で打ち出し角を上げると、ボールは吹け上がり失速してしまうので、スピン量を減らさなければなりません。
女子プロのスピン量を見ると、平均2000回転と言われています。
男性アマと比較してスピン量を半分程度に抑えることで、高弾道でも失速することなく飛距離を伸ばすことができています。
このバックスピン量の違いは、スイングの最下点の位置にあります。
ドライバーでインパクトするとき、ボールの下部に当てるイメージでフェースを合わせると、バックスピンを防ぐことができます。
このようなボールに逆回転を掛けない打ち方をするためには、ティーアップしているボールの少し手前でスイングの最下点を迎えるようにします。
ヘッドスピード45はアッパーブローで飛距離アップ
飛距離を出すにはヘッドスピード以外にも、初速、打ち出し角、スピン量の条件を整える必要があります。
ヘッドスピードが45のとき、初速62、打ち出し角14、スピン量2000を目標にすれば、飛距離は250ヤードをマークできるはずです。
ここで気をつけるのはスイングの形です。
遠くに飛ばすために強いインパクトをしようとすると、ダウンブローに打ち込むことになりがちです。
ボールを斜め上から潰すように打ち込むと、強いインパクトを与えることはできますが、バックスピン量が増えるのでドライバーのショットには不向きです。
ボールの側面を払うように打つと、打ち出し角はロフト角以上になりません。
理想の打ち出し角が14度であれば、ドライバーのロフト角も14度が必要になります。
でも飛ぶスプーンのロフト角でさえ13度ですから、打ち方を変えなければボールは上がりません。
そこでインパクトのイメージを変えます。
スピンを抑えて、しかも飛び出し角を上げられるアッパーブローでボール打つことです。
最下点が分かればヘッドスピード45に見合う飛距離が得られる
男性アマの平均ヘッドスピードは40と言われていますから、45はかなり速いほうです。
ただ「ヘッドスピード=飛距離」ではなく、「初速(打ち出し角・スピン量含む)=飛距離」で、その初速に影響を与えているのがヘッドスピードとスイートスポットでのインパクトです。
初速1上がると飛距離7アップで計算されるので、ミート率を上げるスイングをすることが飛距離アップの元になるはずです。
その上でヘッドスピードを高めると、女子プロ以上の飛距離を得ることができます。
ちなみにアッパーブローのスイングで、「ボールの少し手前」で最下点を作ればスピン量が抑えられると紹介しましたが、手前というのは数センチの単位ではありません。
イメージとしてはシューズ2足分、約50センチ手前で最下点に入るようにすることです。
スイングプレーンは丸い弧を描いているかもしれませんが、実際のスイングはターゲットに向けて縦長の楕円形です。
最下点に入ってからヘッドが上を向くのには、思っている以上に後ろからスライドしてティーアップしたボールに向かいます。
最初からこのイメージだと当てることだけを考えてしまいヘッドスピードが落ちるかもしれませんので、まずはシューズ1足分の幅から慣らしていくと良いでしょう。
ヘッドスピード45を生かして飛距離アップを狙う
ヘッドスピードが45であれば男性アマの中でも速いほうです。
コンペでドラコンも狙える速さです。
もしも速さに見合った飛距離がないようであれば、まずはミート率を高めるようにしましょう。
さらにスイングプレーンを見直して打ち出し角を上げてスピン量を減らしていけば、飛距離アップを狙うことができるはずです。