楽しみにしていたゴルフ場での負傷、骨にヒビが入るほどの大怪我だけでなく、患部が腫れただけでも同伴者に迷惑をかけてしまいます。
でも、怪我をしたときは遠慮なくプレーを中止して受診することが大切です。
そこでゴルフ場での怪我の原因とその対応法について確認していきます。
骨のヒビや幹部の腫れのための応急3点セットを携帯しよう
ゴルフはマナーさえ守れば危険性がないスポーツと言われていますが、屋外のスポーツなので思わぬ怪我を負うことはあるでしょう。
まずクラブを振って筋肉痛になったり、筋を痛めたりすることもあります。
中には脇腹の骨にヒビが入るほど重症になることだってありえます。
またスイングだけでなく、歩いて移動していることで足腰を痛めたり、足首をひねって腫れたことはないでしょうか。
それがハウス周辺であればゴルフ場のスタッフが対応してくれますが、コースの中だとスタッフが到着するまでに時間がかかりますし、もしも救急車を呼ぶような重症であれば、何らかの方法でハウスまで戻り、そこから救急車に乗り込むことになります。
何よりも怪我をしないためには、ボールを打つ人よりも前に出ないこと、ティーグラウンドで階段を使わずに駆け下りたりしないことといった、基本的なマナーを守ればある程度は防げるものです。
でもボールが飛来しての打球事故のように予測できないこともあります。
そこでキャディバッグには応急グッズを入れておくことをオススメします。
靴擦れや手マメ用に「傷テープ」、捻挫や骨折用に「固定用テーピング」、「止血や水の浸して冷やすためのタオル」と、この3点セットで応急処置して、とりあえずクラブハウスまでは自力で戻ることが前提になります。
コース内で腫れあがったり骨にヒビが入ったりした時の対応法
コースの中で怪我の応急手当が必要なほどの怪我を負う可能性が高いのが打球事故です。
隣接するホールからボールが飛んできた打球事故の場合、「ファー」の掛け声に反応して声がする方向を見て、顔面や頭部を受傷することがあります。
打球事故の場合には、ピンポイントで接触することから、筋肉のない頭部や顔面の場合には受傷部にヒビが入ったりボールの形そのままに骨がへこんでしまい、手術を要する大事故になってしまうことがあります。
もし首から上にボールが当たったときは、まず痛みと腫れを確認し、プレーを即刻中止してクラブハウスに戻るようにしましょう。
「大丈夫、心配ないから」とプレーを続けて、途中から具合が悪くなるケースが多いので、外傷の有無関係なく医師の診療を受けることが大切です。
もしも出血している、または意識が混濁しているようであれば、動かさずにハウスに連絡して救助を要請します。
プレーの時には携帯電話などを持たないこともあるかもしれませんが、緊急連絡用に1組に1台は持参したいものです。
滑った転んだで患部が腫れたり骨にヒビが入って大ごとに
ゴルフ場の中でもっとも多い怪我と言えば「滑った・転んだ」の怪我です。
斜面を駆け下りて転んだときに、手をついて手首の骨にヒビが入ることもありますし、ティーショットを終わって、そのままティーグラウンドの前から降りて、滑って転び尾骨を強打することもあります。
プロトーナメントでティーグラウンドから直接前方に降りていく場合には、フェアウェイと同じ刈高でラフに道をつけていて、足元が分かるようにしています。
でも一般のゴルフコースは、ティーショット後に真っ直ぐ2打地点に向かうことを想定しません。
そのため地盤に目土を入れていないことから、芝が株のように盛り上がって転びやすくなっています。
斜面で転び手や足が腫れているようであれば捻挫を想定し、最悪は骨にヒビが入っていることも考えられるので、テーピングを使って固定してクラブハウスに戻るようにしましょう。
キャディつきのラウンドの場合には、コースアウトしても移動方法が分かると思いますが、乗用カートを使ったセルフプレーの場合には、来た道を戻るかそのまま先に進むしかありません。
もしもショートカットして他のホールを横切ると、予期しない方向からボールが飛来して、二次災害のようなことになってしまいます。
またティーグラウンドでの滑りは、横からの進入口か備え付けの階段を使えば防ぐことができます。
腫れで済まない!テークバックの打撲は骨にヒビが入る
気をつけていても怪我を負うことはありますが、ゴルフスイングでの怪我はある意味防ぎようのないものです。
例えばゴルファーの持病とも言われる腰痛、カップインしたボールを取り出そうとして「グキ!」とくることもありますし、ダウンブローに打ち込んだところ芝下の地面が硬く、手首にヒビが入った何てこともあり得ます。
基本的にギックリ腰は動くことができないので、同伴者に介助してもらって後続組のボールが来ないところで待機して、ゴルフ場スタッフに迎えを頼むしかありません。
また打ち込んで手首を痛めたときは、腫れていればタオルを濡らして冷やし、ラウンドをストップしてクラブハウスに戻りましょう。
またどす黒いアザが広がってくるようなら骨にヒビが入っているかもしれません。
なるべく早く医師のもとで受診して、治療を受けたほうがよいでしょう。
スイングの事故で多いのは、同伴プレーヤーの素振りによるものです。
もちろんダウンスイングで振り切ったときに当たれば大事故に繋がりますが、多いのはテークバックでの接触です。
ティーグラウンド付近で、グリップの「引き」を確認しようとして、軽く後ろに引いただけでも、運悪く頭部に当たれば骨が陥没するような事故になります。
また手足に軽く当たっても赤く腫れることもありますので、素振りするときは周囲に人がいないところまで移動することが重大事故を防ぐ唯一の対策になります。
まさかの場所で骨が折れたりヒビが入ったり腫れあがったり
過失やうっかりミスもしくは予期しない事故など、怪我を負う原因はさまざまですが、ゴルフ場で意外に多い怪我にお風呂時があります。
楽しいラウンドを終え、ひと汗流してから同伴者と食事をと考えていたところですが、その風呂場で怪我をすることがあります。
1ラウンドで歩く距離はおよそ10kmです。
普段とは違う「足を引きずらない歩き」をしながら、コースの中では斜面を走って移動していたために、足の疲労は相当なものになっています。
わずかな段差でつまづくと、足指の骨が折れたりヒビが入ったりと、意外に重篤な怪我になることがあります。
またゴルフシューズで歩いていたために、浴室内でも足を上げすぎてしまい、踏み出した足が接地するときに体重が乗り滑ってしまうことが多いようです。
風呂場で滑った場合には、肘や頭部などに全体重がかかり、腫れる程度の怪我では済まないこともあるので注意が必要です。
ラウンド終了後、屈伸などの軽い整理運動をするだけでも、無用な怪我を防ぐことができるはずです。
患部が腫れたり骨にヒビが入っていたらすぐにプレーを中断
運悪くゴルフ場で怪我をして腫れたり骨にヒビが入った場合には、まずは応急手当をすることです。
次にプレーを中止してクラブハウスに戻り、「怪我によってプレーを中断した」ことをスタート室に伝えます。
コース内で救護が必要であれば、後続組に伝えてボールが飛来しないような対策をしましょう。
もしも不安なときはカートに積んである傘を開くと、傘の中心部であればある程度身を守ることができ、打球のショックを多少は軽減できます。
クラブハウスに戻ったら、フロントで「医者に行く」ことを伝え、忘れずに保険適用の手続きをするかもしれないことを伝えておきます。
ゴルファー保険、生保の障害保険、損保保険、クレジットカードの保険など、今ではさまざまな保険のタイプがあるので、申請すれば対象になるものがあるかもしれません。
またゴルフ場に過失がなくとも、施設内で怪我をした場合には施設賠償保険の適用を受けられます。
治療費等については総額を超えて複数の保険を受け取ることはできないので、自分で加入している保険があればそれを優先にしたほうが手続きは簡単でしょう。
保険適用で重要なことは、ゴルフ場内の受傷であることを証明してもらうことです。
必ず複数人のスタッフに伝えること、保険を適用するかもしれないことを伝えること、帰宅後に時間を空けずに受診することの3点を伝えるようにしましょう。
腫れや骨のヒビに備えて第三者賠償保険に加入すべき
英国軍の教えに「前方にいると弾が飛ぶから危ない」(beware before:前方注意)ということがあり、これが「ファー」の語源だと言う説があります。
本来は自己責任なのですがボールの前方に出て当たると、ぶつけたゴルファーが責任を取ることになります。
腫れてディンプルの痕が残る程度であればトラブルはないでしょうが、骨が折れたりヒビが入ると面倒なことになるかもしれないので、第三者賠償保険にも加入しておくことをオススメします。