人間には、利き手、利き足、そして利き目があります。
この利き目とは手や足と同じように、よく使う側の目のことを言います。
人は利き目を軸にして、もう片方の目で利き目を補いながら立体的に物を見ます。
この利き目が左右どちらかで、スイングの際のボールに位置が変わってきます。
それではスイングに関係する利き目についてお話ししていきましょう。
あなたの利き目が左右どちらかをチェック
利き手の場合は、運動は左利き、箸や字を書くのは右利きといったように使う場面によって利き手が変わる人もいます。
しかし利き目にはそんなことがありません。
そこで左右どちらがあなたの利き目なのかを簡単に判別する方法を教えます。
まず左右どちらか一方の人差し指を立てて真っすぐ腕を伸ばして顔の正面に置きます。
そして片目をつむって左右交互に立てた人差し指を見ます。
その時に両目で見たときと同じ位置に見える方があなたの利き目です。
左右どちらかに人差し指がずれて見える方は利き目ではありません。
利き手は右利きの人が多いように、利き目も右利きの割合が多いです。
利き手と利き目の割合は、
目も手も右利きなのが74%、目も手も左利きなのが16%、手が右利きで目が左利きなのが8%、そして一番少ないのが手が左利きで目が右利きなのが2%です。
この割合で考えると利き手と利き目が同じという人が90%と言うことになります。
チェックしてみて利き手と利き目が逆な人はかなり珍しいのです。
利き目の左右で変わるボールの位置
もちろん左右どちらが利き目であってもゴルフはできます。
しかしどちらが自分の利き目であるかを知っておくことは非常に大事です。
なぜかと言うと利き目の違いによってボールの位置が違ってくるからです。
ゴルフにおいてアドレスにおけるボールの位置と言うのはとても重要です。
ですから利き目にあった正しいボールの位置を知っておく必要があります。
これを間違うとミート率が上がるはずもありません。
右打ちゴルファーで利き目が右の場合、真っすぐに構えても少しハンドファースト気味になることが多いです。
逆に利き目が左の場合は、ハンドレイト気味になります。
それを知らずに右目が利き目の人がハンドファーストを意識しすぎると、ハンドファーストになりすぎてしまうことが起きます。
するとアイアンであれば、フェースの角度が立ちすぎて、低い弾道でグリーンに乗っても転がってしまいます。
アイアンの球が上がらないと悩んでいる人は、ひょっとしたら利き目の問題でそうなっている可能性があるかもしれません。
逆に利き目が左でハンドレイトになっているとボールが上がりすぎてしまうことがありますから、一度チェックしてみましょう。
利き目が左右どちらにも正しいアドレス
利き目が左右どちらかということでハンドファーストやハンドレイトになると言うことが分かったら、それを上手く利用していきましょう。
自分の利き目に合った一番良い手の位置で握るためにはどうすれば良いでしょうか。
まずはクラブを持たずにアドレスを作ってください。
その際、手の力を完全に抜き、両手とも真下にだらんとします。
そして右手が下がった状態のまま、右手を左手に寄せていきます。
するとハンドファーストやハンドレイトになりすぎない丁度良い位置でクラブを握りやすくなります。
もちろん自身のスイング軌道や癖によって多少の微調整は必要になってきます。
また中・上級者であれば、打ちたい弾道に合わせてハンドファーストやハンドレイトを意識することもあるでしょう。
しかしここでしっかりと自分の利き目を知っておけば、先に説明したような「なりすぎ」を避けることができます。
利き目が正しいアドレスから応用したアドレスまで大きく影響してくるので気をつけましょう。
利き目はパターのボールの位置にも影響する
ドライバーやアイアンだけでなく利き目が左右どちらかと言うのはパターにも影響してきます。
パターでのボールの位置とは基本的に左目の下に置くのが良いとされています。
それはアッパーブローにパッティングできるからです。
故に、利き目が左である方がそのまま利き目の真下に構えられるのでパターでは少し有利だと考えられます。
逆に右目が利き目である場合は、左目の下にボールを置くと言うのは慣れるまで少し難しいかもしれません。
その場合はボールを左目にくっつけ真下に落とし、その場所を両目や利き目でその位置を確認してください。
するといつも置いているボールの位置と違うことに気づくでしょう。
ですから右目が利き目である人は、パターのボールの位置を意識して練習する必要があります。
実際にボールを左目から真下に落としてその位置で打つ練習をしましょう。
最初は違和感があるかもしれませんが、それが正しい位置になるので、練習を重ねて慣れるようにしましょう。
バックスイングからインパクト、フォローまでの目の位置
ショットの始動であるバックスイングから、ボールを叩くインパクトまではボールから目を切ってはダメです。
ボールから目を離さず、ずっと見たままでいられるのは、頭がしっかりと固定していると言うことです。
頭を固定することは、スイング時にバックスイングからトップ、ダウンスイング、インパクトまで目とボールの距離が一定になり、スイング軸も定まるので、体が左右に動くスエーや上下に動くのを防げます。
スイングの際に腰や腕などを意識する人は多いですが、目の位置を意識する人は少ないです。
目の位置を意識することで頭が固定されるので、スイングのブレをなくし、腰や腕をスムーズに動かすことができます。
そしてゴルフスイングで一番タブーと言われているのがヘッドアップです。
インパクトでもボールを見続け、フォローの間にもできるだけボールがあった場所に目の位置を置いておくことでヘッドアップを防ぐことができます。
ヘッドアップのほとんどは、ボールの行方を気にするが故に、インパクトする前から目の位置が前方に移動して顔が起き上がってしまうのが原因です。
このほとんどが「無意識」にしていることなのでたちが悪いです。
ですから、フォローまでは意識しすぎるくらい目の位置を動かさないよう意識しましょう。
目の位置を意識して練習
自分の利き目が左右どちらか分かり、目の位置をどうすればよいのか分かったら、あとは練習あるのみです。
スイングは少しでも変化を与えると慣れるまで相当な時間を要します。
ですから完全に違和感がなくなるまで練習に練習を重ねるしかありません。
打ちっぱなし練習場でも、目の位置をキープすることを心がけてください。
また自宅などでタオル素振りなどをする際も目の位置を意識してください。
ラウンドで無意識にボールを追うのではなく、無意識に目の位置をキープしてしまうと言うくらい自分のものにすれば、自然なフォームを固めることができます。
ゴルフスイングでは意識しなければならないポイントがたくさんありますが、まずは目の位置をしっかりと意識し、動かないようになってから他のポイントを意識するようにした方がスコアアップへの早道になるはずです。
目の位置と言うのはスイングの基本中の基本部分と考えてください。
そこが安定しなければ、完璧なスイングには一歩も近づけないのです。
動かないボールを打つからこそ目が大事
野球やサッカーなどは動くボールを相手にするので動体視力が求められます。
対してゴルフは動かないボールを打つので動体視力は求められませんが、動かないボールを同じ目の位置でずっと見続けなければなりません。
実は意外とその方が難しかったりもします。
その行動1つがスイングに大きな影響を及ぼすからです。
これには練習を重ね体で覚えるしかないので、意識せずともできるように一生懸命練習しましょう!