一流のプロがスイングしているところは、トーナメント会場やネットの動画でも見ることができます。
もし見たことがなければ、プレイヤーのスイングを後ろから見られる機会は限られているので、できれば1度はチェックしてみてください。
そして自分のスイングも後ろからから撮影してみると、意外な欠点を簡単に知ることができます。
そこで今回は後ろから見たスイングのチェックポイントについて確認していきます。
プロがスイングするときキャディは後ろに立たない
ゴルファーがボールを打つとき、飛球線の後ろから見るとボールの方向性が分かります。
夕暮れでボールが見づらくなったころに、キャディが後ろ側から見ていることがあると思いますが、あれはプレイヤーの技量を想定して、初めから飛球線に視線を当てているからです。
ただしプロを含めて試合などで、飛球線の後方にキャディが立つとペナルティーが科せられます。
ゴルフ用語では「Line of play(ライン・オブ・プレイ)」といい、ターゲットに対してスクエアに構えているかをチェックしているわけですが、プロの場合には確認が取れたところでキャディは飛球線上から消えます。
もしそのまま打つと援助にかかる重大な違反として2罰打が科せられてしまいます。
そこでキャディは飛球線から少し外れた場所で立つことが多く、バックスイングで視界に入らないように背中側の後方に立つのが一般的です。
しかし同伴プレイヤーは、後ろ側に立ってもペナルティーを科せられることはありません。
でもマナー違反であることは間違いないところで、仮に同伴者のボールの行方を確認するのであれば、アドレスに入る前に断りを入れておくとトラブルを回避することができます。
いずれにしても、飛球線の後ろに立つというのはプレイヤーにとって嫌がられる行為であることは間違いありません。
後ろから見るとスイングプレーンのズレが分かる
プロの試合も含めて同伴プレイヤーが、飛球線の後ろから覗くことはタブー視されていますが、自分のスイングを確認するときには非常によい視線方向と言われています。
そこでプロの場合には帯同キャディを後ろに立たせて、正確にターゲットに向いているかをチェックしています。
飛球線の後ろ側から見ると、ターゲットに対してスクエア(フェース面が直角)に構えているのかが一目瞭然だからです。
一般ゴルファーの中でもスライスで悩むプレイヤーの多くは、飛球線と平行に構えているつもりが、実際の身体は左側を向いていることが多々あります。
当然そのまま打てば、ボールは左方向に飛んで行くわけです。
本来は左方向に打ち出すはずが、クラブヘッドを飛球線に合わせてスイングするので、ボールはターゲット方向に打ち出すことになります。
するといわゆるカット打ちになっています。
このように後ろから見ると、構えている飛球線は左方向なのに、真っ直ぐ打とうとするためにスイングプレーンがズレていることが分かります。
同じスイングを正面から見ると、グリップの角度や膝の使い方、上体の揺れなど違う原因も見つけることはできると思いますが、決定的な原因は飛球線の後ろから見ることで確認することができます。
プロに学べ!スイングミスの原因は後ろからのチェックで
では、どのようにして後ろからスイングを確認するかですが、1番簡単な方法は動画を撮ることです。
スマホやビデオをセットして撮影してしまえば、その場で確認することができます。
またボールの行方も同時に撮れるようであれば、スイングと飛球の関係も分かりやすいので、さらにスイングを詳しく分析することができます。
大事なことは、クラブヘッドの動き全体が撮影できることです。
身体の動きも重要ですが、スイングプレーンを読み解くことで、スライスやフックなどの意に反する横回転の原因を見つけることができます。
ちなみにスイングプレーンがアウトサイドインであれば。多くの場合はスライスボールを打ち出すことになります。
反対にスイングプレーンがインサイドアウトであればプッシュアウト、つまり最初から右方向に飛ぶことが多くなります。
その原因多くは、両足の爪先が本来の飛球線に対して平行でないことが考えられています。
実はこのようなスイングプレーンのゆがみは、プロであっても日常的におきています。
ただプロの場合には、常にチェックしてくれる人が後ろにいるので、その場で修正しているだけなのです。
プロのようにバラつきのないスイングプレーン造りが大事
プロのスイングは確かに参考になりますが、肝心なことは自分のスイングがしっかりできているかです。
自分の脳内では理想通りのスイングをしているつもりが、動画を撮って眺めてみると「ビックリ!」なんてよくあることです。
そこで撮影した動画を元に、スイングチェックのポイントを紹介します。
まずはスイングプレーンの安定性を確認します。
プロのスイングを後ろから確認すると、安定したスイングプレーンを見ることができます。
この「安定した」とは、スイングプレーンの傾きがいつも一定であるということです。
レッスン用の動画とは違って、プレイヤーによって縦振り気味、横振り気味と個性はありますが、一流のプロのスイングにはブレがないはずです。
ダフリやトップの多い人は、この傾きがバラバラになっていることが多いので、時間を空けて数回撮影して分析すると、スイングのバラつきを見つけることができるはずです。
スイングを後ろから撮影するとの欠点が見えてくる
次にスイングの後ろからチェックするのは右肩です。
多くのプレイヤーは、バックスイングで左肩を回して捻転しようとしますが、回しているはずの肩が沈んでしまい「左肩が落ちる」原因となっています。
この左肩を落ちないようにするには、バックスイングで右肩を後ろに引くことです。
その右肩につられて左肩は自然の形で回ることになります。
しかも右肩に意識を集中させると、右サイドにスウェーすることもなく、綺麗な捻転ができるはずです。
そこで後ろから撮影して右肩が回っているかをチェックします。
バックスイングでグリップがトップの位置に達したとき、両肩はカメラのレンズがある後ろを向いています。
もし右肩の引きが少なければ、左肩だけが後ろ側を向いている姿勢になります。
飛球線の後ろからスイングをチェックするときは、トップの位置で両肩が見えていること、しかもそのとき胸を張っているかがポイントになります。
プロのような正しい姿勢は規定なスイングの基本となりますので、まずはトップの姿勢を定めることが大切です。
自分とプロのスイングを比較できる後ろからの確認ポイント
せっかく後ろから撮影しているのであれば、同じ動画でグリップの高さもチェックしましょう。
ドライバーショットで作られる本来のグリップの高さは、ティーアップしたボールと関連します。
後ろから見たときに、ボールとグリップの位置を一直線で結びます。
そのとき左腕はその線上にあれば、プロ並みのもっとも良い位置となっています。
ただ実際にこの位置をキープできるのはプロでもわずかです。
「それに近い高さ」であれば合格ですが、極端に低いとトップの位置とボールで結んだ線よりも、左腕が上に出てしまうことになります。
そして最後に、アドレスをとったときの姿勢も確認しましょう。
背筋が伸びず猫背になっていないか、顎を引きすぎて頭が下向きになっていないか、膝に余裕があるか、など後ろからの視線でないと分からないことはたくさんあります。
綺麗なスイングを目指すのであれば、1度は飛球線の後ろから自分のスイングを撮影してみましょう。
スイングの欠点を飛球線の後ろから確認することの大切さ
一般的に自分のスイングを後ろから見ることはできません。
プロのスイングで気が付くことがあれば、ぜひ自分のスイングを飛球線の後ろから撮影してチェックしてみてください。
自分はしているであろうとイメージしているスイングとのギャップへの驚きと、改善点を知ることができます。