タイガーウッズに起こったマスターズ15番での珍事とは!

最終更新日:2017/06/12

マスターズとはゴルファーにとっての夢の舞台であり、いろいろなドラマが生まれる舞台とも言われています。

タイガーウッズは、マスターズで4勝しています。
そんな慣れたオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの15番で彼に珍事が起きました。

今回はタイガーウッズにマスターズで起きたことについてお話していきましょう。

ゴルフの祭典、マスターズ

「マスターズ」の出場選手は、前年度の世界各ツアーでの賞金ランキング上位者、メジャー優勝者などの招待資格を満たす名手(マスター)しか出場できない大会です。
プロゴルファーの中でもトップクラスの選手しか参加できないことから、「ゴルフの祭典」として敬愛されています。

他のメジャー大会は毎回コースが異なるのですが、マスターズは毎年同じ「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」で開催されます。

このコースはグリーンの難易度が非常に高く、オーガスタのグリーンには魔女が棲むと言われています。

11~13番のホールは「難しいから叩かないように神に祈る」と言う意味も込められた、別名「アーメンコーナー」と呼ばれとても恐れられています。

その後、14番は唯一バンカーのないパー4のホールで、アーメンコーナーの後で存在が薄いのですが、バーディー率が少ないホールです。

そして次の15番は、絶対バーディーが欲しいパー5になっています。
上位選手は高確率でバーディー以上を取ってくるスコアを伸ばしたいホールです。

タイガーウッズは2009年は4日間全てバーディー、2010年は2イーグル2バーディーを出しています。

そんな得意とするホールで2013年に珍事を起こしたとなると気になりますよね。

マスターズの15番に起こったタイガーウッズの珍事

2013年マスターズ2日目のラウンド。
タイガーウッズが15番ロングホールの第3打目を打ちました。

何とそのボールが直接ピンに当たり、その反動で池に入ってしまいました。
これだけなら「珍事」に値するのですが、実はここからの処理で問題が発生したのです。
通常池に入った場合のルールは、

①ハザードラインを横切って入った点とピンを結んだ後方線上から打つ。
②救済用のドロップエリアから打つ。
③打った地点から打ち直し。

の3つから選ぶことになります。

タイガーウッズは③を選択しましたが、打った地点でなく2ヤード下がって打ってしまったのです。

これを疑問視したのが、テレビの視聴者の通報で、委員会が裁定を下すことになりました。
それは誤所からのショットと言う裁定で、2打罰が科せられると言う裁定でした。

しかしこれでもおかしいのではと言う話が出たのです。

この通報時にはすでにプレーを終了していたので、スコアカードの提出も終えていました。
ですから、「過少申告」となり失格に当たる行為になります。

しかしタイガーウッズの主張により、2打罰だけ科せられることになりました。

マスターズ15番でのタイガーウッズの主張とは

過少申告で失格に成り得る行為だったのにも係らず2打罰で終わった、マスターズの15番でのタイガーウッズの主張とはいったい何だったのでしょう。

それは「ハリントンルール」です。

ハリントンルールとは、アイルランド出身のメジャーチャンプであるパドレイグ・ハリントンがテレビ視聴者からの通報で失格になったことで作られたルールです。
これはテレビ中継されるのは一部の有名な選手に偏っているので、不公平であると言う主張です。

本来であれば、故意でないことに関しては、見逃してしまっていたことも、注目選手で18ホール全てがテレビ中継されて監視されているので、見逃したことも視聴者の通報などで失格騒ぎになったりしてしまいます。
一度もテレビに映らない選手もザラにいます。

確かにこれは不公平ですよね。

そこでハリントンルールとして2011年に追加されたのが、

「選手が違反に気づかずにスコアカードを提出した場合、自動的に失格にはならない」

です。

このルールが適用されたことで、タイガーウッズは失格処分にならず、2打罰で終わったと言うことなのです。

これには”故意ではないか”など賛否両論ありましたが、故意かどうかはキャディと本人のみぞ知るですよね。

15番で珍事、16番で奇跡を

2013年のマスターズでの15番ホールでは珍事からペナルティに発展するなど、その年優勝できなかったタイガーウッズの流れを現しています。

しかし優勝を飾った2005年のマスターズでは、16番ホールでタイガーウッズはミラクルを起こしています。

2005年のマスターズでは、タイガーウッズとクリスディマルコとの戦いでした。
14番までで1打差の2人、バーディー率が高く、イーグルも狙えるパー5の15番ホール。
タイガーウッズは当然のように2オンしましたが、ここでディマルコはティーショットに3番ウッドを使いました。

タイガーウッズはイーグルパットを外しバーディー、ディマルコは3打目をウェッジでピン奥からバックスピンで1メートル戻しカップインのスーパーショットでバーディでした。

16番のパー3で、タイガーウッズはティーショットをミスしてラフとグリーンの境目に入れてしまいました。
そのタイガーウッズの奥からのアプローチは、最初はカップから離れるように進んで行くのですが、そこから曲がってグリーンの傾斜に乗ってカップに近づいていき、最後は吸い込まれるようにカップイン!

未だに奇跡のショットとして多く動画が存在するくらい素晴らしい記憶に残るショットでした。

見所の1つオーガスタ12・13・15番ホールの橋

マスターズが行われるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブには、記念の橋が3つ建設されています。

「ホーガンブリッジ」は、ベン・ホーガンが1956年に最小となる274ストロークでラウンドしたことを記念して、12番ホールに建設されている橋です。

「ネルソンブリッジ」は、バイロン・ネルソンが1937年に大逆転して優勝したことを記念して、13番ホールに建設された橋です。
12番でバーディー、13番でイーグルと最終日のバックナインはなんと32を記録しています。

「サラゼンブリッジ」は、マスターズを不動のトーナメントにするきっかけになった1935年に、ジーン・サラゼンのアルバトロスを記念して15番ホールに建設された橋です。
15番プレー中にトップに3打のリードを許していたのですが、ここでのアルバトロスで一気にトップと並び、翌日のプレーオフに持ち込み勝利すると言うドラマを演じました。

ここからマスターズのアーメンコーナーや勝利の女神が微笑むかが決まるバックナインなどと言われるようになったのです。

タイガーウッズでも2005年は16番で勝利の女神が微笑み、2013年は15番で勝利の女神がそっぽを向いてしまいましたよね。
1997年は、12打差での勝利と、勝利の女神はタイガーウッズに微笑みっぱなしだったようですね。

病気に苦しむタイガーウッズ

マスターズの参加資格には「マスターズ歴代優勝者」とあります。

そのためマスターズで4勝を挙げているタイガーウッズには当然参加資格があります。
しかしここ2年連続で腰痛のため彼は参加できていません。

彼が初めてマスターズで優勝したのは、20年前です。
彼の登場はゴルフを格好良いスポーツへと変えました。

現在活躍している若いゴルファーたちは、タイガーウッズのプレーを見て育ち、プロゴルファーを目指してきた選手ばかりです。

そんなタイガーウッズは2009年頃から怪我や病気に苦しみ徐々に成績が低迷していきました。
それでも2013年はプレーヤーズ選手権で優勝を果たしています。

こう考えると、2013年マスターズでの15番での出来事は、彼の自信の無さから起きたことかもしれないと思ってしまいます。

最近では逮捕されたりとゴルフ以外での話題ばかりですが、たくさんのゴルフ仲間たちが言うように、長年プロゴルファーとして活躍してきた彼の栄光にもっと光を当てるべきですよね。

彼に憧れ、彼のようなゴルファーになるのを夢見た人たちは、プロだけでなくアマチュアでもたくさんいるはずです。

知っている人も、知らない人も、もう一度彼の栄光に目を向けてみましょう!

ルールを知らないなら必ず確認しよう

タイガーウッズのマスターズでの15番で起きたことは、彼がルールを熟知していなかったことが原因だと言われています。

幼い頃から厳しいルールやマナーの元でプレーをしてきたプロゴルファーでさえ、そのようなことが起きるのです。

私たちアマチュアに知らないことがあっても当然のことです。
ですからゴルフバッグにはルールブックを入れるなど常にルールに触れるようにしましょう!