首から腰まで背骨の弯曲が崩れると血流が悪くなり、痛みを発生しやすくなります。
その代表的なものがいわゆる腰痛です。
あの最強ゴルファーだったタイガー・ウッズがここ最近悩まされているのも腰痛の1つです。
腰痛治療に迷ったら、とりあえずマッケンジ法を試してみましょう。
簡単なのに効果抜群だと思います。
今回はそんなマッケンジ法を紹介していきたいと思います。
治療効果の高いマッケンジ法とは
現在日本では約1,000万人以上が腰痛で悩んでいると言われています。
腰痛の原因としては老化や重い物を運ぶなどの重労働、ゴルフのような捻転を繰り返す運動などで筋肉を傷めるぎっくり腰や急性腰痛症、また椎間板が変形して突出して起こる椎間板ヘルニアなど様々です。
通常、腰痛の治療法には腰ベルトなどを付け安静にする支持療法、鎮痛剤などを用いる薬物療法などがあり症状により適切に選ぶことが大切です。
マッケンジ法と呼ばれる運動療法も腰痛に対する治療法の1つで、慢性の腰痛やヘルニア、坐骨神経痛などに有効とされています。
ニュージーランドの理学療法士ロビンA.マッケンジ氏により考案された腰を伸ばす事を主とし、それまで避けられていた腰を痛みのある方へ伸ばして痛みを軽減します。
何かの原因で損傷した腰に負担をかけないようにし過ぎてしまうと、機能の回復が遅れ伸ばす方向の痛みや動きの制限は残り続けます。
また痛みを避け曲げた状態の姿勢をとり続けると、腰は上体を筋肉により支えなければならず、過度に負担がかかり慢性的な腰痛になる事もあります。
そこでマッケンジ法という運動で腰の伸ばす方向への可動性を回復させて、より負担がかかりにくい正しい姿勢がとれるように促すのです。
辛い腰痛治療にマッケンジ法はオススメ
人間は通常成長していくと脊椎が弯曲していき、頸椎は前方向、胸椎は後ろ方向、腰椎は前方向に弯曲していくことでS字状のカーブになります。
これは生理的弯曲といって人間が直立二足歩行するために必要なものです。
このように腰椎は通常は前方向に反っているのが普通ですが、老化やデスクワークなどが原因で腰に良くない姿勢をとり続けると徐々に背骨が丸まっていき、腰を反らす方向への動きが制限されてしまいます。
そんな姿勢が当たり前になると、ゴルフのアドレスも正しいS字が描けるはずもありませんよね。
椎間板ヘルニアでは、椎骨という脊柱を構成する骨の間にある円形の線維軟骨の椎間板が飛び出して、神経を圧迫して痛みが生じます。
腰を丸めていると椎間板が後ろに飛び出てしまい、ひどくなると椎間板の中心にある髄核というゼリー状の部分が出てきてしまうのです。
マッケンジ法にはこの飛び出してしまった椎間板を腰を反らす運動によって前方向に押し戻す働きがあり、これが痛みを軽減させることに効果があると考えられています。
マッケンジ法は慢性腰痛、急性腰痛、ヘルニアなどの患者には効果があるとされますが、脊柱管狭窄症や椎骨がすべる事で起きるすべり症などの患者には逆効果になってしまう事があるので注意が必要です。
ですから自己判断で腰痛治療にとマッケンジ法を行わず、必ず医師の指導の元、行うようにしてください。
腰痛の種類。前屈か後屈でマッケンジ法は変わる
マッケンジ法は場合によっては、腰痛を悪化させてしまうという逆効果になることがあるため、治療効果があるかどうかを確かめていく事が大切になってきます。
効果があるかどうかを判断する基準としては、痛みやシビレが足の先やふくらはぎから体の中心へと症状が移っていく事、痛みの強さが徐々に弱くなっていく事、腰の可動範囲が広がっていく事などが挙げられます。
腰の可動範囲が広がると、立った状態での前屈や後屈がしやすくなり痛みが軽減されます。
反対にこれらの効果が現れなかったり痛みやシビレがひどくなるようなら、すぐに運動を中止してください。
マッケンジ法を行う場合は自分の症状を理解したうえで行う事が有効です。
前屈をしたときに痛みをより強く感じる場合は、うつ伏せに寝て手を顔の横に置いて腰をゆっくり後ろに反る後屈運動がより有効です。
後屈した時により痛みを強く感じる場合は、イスに座り足首を持つように前屈する前屈運動がより有効です。
前屈と後屈の痛みが同じくらいの場合は後屈運動の方が効果が高いと言われています。
ゴルフのアドレスは前傾姿勢であり、決して前屈ではないと理解しておきましょう。
ゴルフは背骨はS字を崩さぬまま股関節から骨盤を倒す前傾姿勢なのです。
どんな腰痛治療にも向いているのか?
骨盤の骨である仙骨と、腸骨の間の関節である仙腸関節が捻挫を起こしてしまう事で急性の腰痛になる事があります。
これを仙腸関節性腰痛と呼び長時間イスに座っていられない、仰向けに寝る事ができないなどの症状が現れます。
坐骨神経痛は腰から足の先までの坐骨神経がいろいろな原因で圧迫されたりして、痛みやシビレが現れ、ひどい時は歩行が困難になる事もあります。
梨状筋症候群は梨状筋と呼ばれる大腿部を外側に回転させたりする筋肉で、坐骨神経がこの梨状筋により圧迫され足の痛みやシビレが現れることです。
これらの症状はマッケンジ法により効果があるとされる椎間板ヘルニアや、急性の腰痛と症状の現れ方が非常に似ています。
しかし仙腸関節性腰痛や梨状筋症候群などはマッケンジ法の効果があまり出ないと言われ、また坐骨神経痛も原因によっては効果が出ないこともあるので、これらの症状をよく見極める事が大切です。
エクササイズを3週間ほど行っても効果が出ない場合は医師と相談の上、他の方法を考えた方が良いでしょう。
治療の間はゴルフができませんが、動画などを見てイメージトレーニングをしておくことをオススメします。
そうすることで、治療後も感覚の戻りが早まることでしょう。
肩こりや首痛にもマッケンジ法が効く
マッケンジ法は正しい順序で行う事が大切になります。
また自分で行う場合は自己の責任において行う様にしてください。
エクササイズを行う前に骨の変形など痛みの原因が明らかな場合は運動を行わず、治療法を専門家の指導を仰ぐ様にしてください。
マッケンジ法のやり方には色々とありますが、どれもリラックスして行う様にしてください。
急性腰痛の場合は、うつ伏せになり痛みが和らぐまで5分ほど安静にしてください。
次に肘を床に着いたまま腰をゆっくりと反っていきます。
ここで痛みが徐々に治まらないで反対に強くなるようなら運動を中止してください。
痛みが弱くなったら腰の反りを腕立て伏せのように伸ばしたり戻したりをゆっくりと行ってください。
これを10回で1セットとし、始めのうちは3時間おきくらいに行い、症状が改善していけば1日4セットほど行う様にします。
これを1か月くらい行えば多くの症状が改善していく事が期待できるでしょう。
マッケンジ法は腰だけでなく首や肩の痛みを軽減する方法もあり、ひどい凝りの症状に悩まされている方には是非オススメの方法です。
そしてゴルフアドレスの正しい骨盤の倒し方も身につけられる方法でもあります。
効果を感じたら毎日続けるべき
マッケンジ法は多くの腰痛の症状を改善する事が報告されています。
マッケンジ法は痛みの変化そのものに注目し、痛みを積極的に変化させることで痛みを根本的に解消することを目指します。
この方法のメリットは必要な刺激を自分で与える事ができるため、自分で痛みの強さを意識しながら症状の改善を図る事ができることです。
また簡単に覚えられる方法なのですぐに行え、効果が現れるのが早いことも特徴です。
マッケンジ法は職場や学校でも簡単に行えるので、個人に合わせたプログラムを組むことも容易にできます。
エクササイズは毎日少しずつ症状の改善を意識しながら行う事が大切で、何よりも続ける事が重要です。
現代人の生活にとって腰痛や肩の凝りや首の凝りはなかなか避ける事はできません。
そこで痛みがひどくなってから治療するのでは無く、毎日少しずつ痛みを和らげていき関節の可動域を広げていくマッケンジ法を行う事で、本来の正しい姿勢を取り戻し自然治癒力を高める事ができるでしょう。
マッケンジ法は慣れると気持ち良いです
マッケンジ法が合わない方もいますが、ほとんどの腰痛の方にはぜひ一度試してもらいたい方法です。
腰痛治療で色々試したけど良い方法がなく、まだマッケンジ法は試されていないのなら、やってみてください。
即効性は期待せず、痛みの質が変わった感覚があれば、気長に続けてみてくださいね。
私たちにはタイガー・ウッズのように過酷なゴルフの闘いが待っている訳ではありませんから。