文明の進化によって、様々な便利な産物が生まれています。
自動車・新幹線・飛行機・パソコン・スマホといった1世紀前では考えられないような物が次々と生まれる時代です。
その反面、それらにより体調を壊している方も多くみられるのが現状ではないでしょうか。
特にパソコンやスマホを長時間行うと姿勢が乱れて、腹筋と背筋の筋バランスが崩れ、その結果腰痛を抱えてしまうなんてことも頻繁にお話を聞きます。
そんな体でゴルフなんてしたら、腰への負担は計り知れません。
ここではそんな方々の悩みに応えるべく、腰痛に対する考え方とエクササイズ方法を紹介します。
PNFで腰痛は改善するか
「事務仕事の最中に腰痛がひどくて集中できない」
「1日ラウンドしたゴルフ終わりにはかがむことができない」
「朝目覚めた時の起き上がりにピキッと腰が痛む」
「このよう症状改善しますか?」という書き込みや検索が非常に多くあると感じます。
この改善策にPNF(固有受容性神経筋促通法)という神経伝達を促進する、いわゆる運動療法と、東洋医学の季節に生じる様々な症状に対するツボ療法があります。
これらによって実際に多くの方が慢性的な肩こりや腰痛が改善したという声がありました。
腰痛の大きな原因は腰椎周辺から下半身にかけての筋肉のコリや、柔軟性の少なさにあると考えられます。
よく腹筋と背筋のバランスが悪いと言われる場合もありますね。
PNFによる低負荷で効率よく筋肉を動かすことで、コリが緩和されて、可動域も広がっていくので腰痛が改善されるといえます。
更に、春であれば肝臓と胆のうのツボ。夏であれば心臓と小腸のツボ。晩夏であれば脾臓と胃のツボ。
秋であれば肺と大腸のツボ。
冬であれば腎臓と膀胱のツボに、効果的に圧を入れたり動かしたりすることにより全身の気が流れ、コリの緩和や可動域の向上に良い影響を与えるのが、東洋医学的ツボ療法です。
コンディショニングで腰痛の予防が可能か
PNFは対象者とサポーターの2人組で行う抵抗負荷運動ですので、汗をかくくらい軽い運動になります。
軽い運動効果によって、最近は特に身体の痛みに対して最大の要因とされている「ストレス」を解消することにも役立ちます。
サポーターと一緒にトレーニングをすることでコミュニケーションもとれ、気持ちよく腰痛の予防改善に取り組めるでしょう。
PNFはインナーマッスルという深層筋にアプローチが可能です。
スポーツジムなどで行われるマシントレーニング・ウエイトトレーニング・有酸素マシンではアプローチできない箇所です。
チューブやバランスボールといった各種器具を使用してのトレーニングは、軽い負荷ではありますが、お客様にとって最適な負荷がかけられないため、深層筋のレベルアップには困難と考えられています。
逆に言うと1人1人の筋力は異なりますので、最適な抵抗をかけるというのは難しいのです。
深層筋は身体の深い所にある筋肉群です。
比較的細く骨と骨を繋ぐ筋肉であり、ダッシュ系やゴルフスイングにおける瞬発力を向上させる筋肉とも言われております。
「腹筋が瞬発力を鍛える筋肉なのでたくさん鍛えましょう!」などと間違った知識が充満しています。
何が正しいのか身をもって体感してください。
表層の筋肉と深層筋のバランスを鍛えることで、腰痛の予防効果が見込まれるのです。
地球上で立つためには腹筋と背筋が必要
腹筋と背筋は姿勢を維持するためにも必要な筋肉となります。
重力による抗重力筋作用が働く際に、この2つは対になって働いている箇所です。
地球上で立つ動作を行うことは、腹筋と背筋のバランスが正常でなければ綺麗に立位の姿勢を保つことができないのです。
横からの姿勢を見ると耳たぶ、肩関節の肩峰、股関節の大転子、足関節の外果が一直線になっているかどうかで、全身の筋肉のバランスが整っているか一目で見ることが可能です。
もちろん正しい姿勢で立っているということは、大脳を含んだ頭部の重みを背骨で上手に分担して支えていることになり、腰痛になるリスクは非常に低くなるということ。
正しい姿勢はゴルフ時のアドレスの安定感を生み、スイング中の軸ブレを防ぐことにもつながるのです。
腹筋と背筋だけに限らず、前脛骨筋と腓腹筋・ヒラメ筋のバランス。
ハムストリングと大腿四頭筋のバランス。
大腰筋と殿筋群のバランス。
上腕二頭筋と上腕三頭筋のバランス。
ふと考えただけでもこれらの筋肉は対になって身体を動かしているので、バランスよくエクササイズして鍛えてあげなくてはならないのです。
このバランスが崩れた時、運動パフォーマンスの低下・故障リスクの高まり・古傷の痛みを抱えてしまう方々が非常に多いようです。
是非、どこかの筋肉を徹底的に行うエクササイズではなく、全身をバランスよく鍛えるエクササイズをしてください。
腹筋を正しく鍛え腰痛改善
腹筋をバランスよく鍛える考え方をお伝えしたいと思います。
腹筋は真ん中の上下、左右斜めの上下、そして両サイドと、8種類くらいにわけてトレーニングすることができます。
また、太ももからお腹にかけてのインナーマッスル(腸腰筋)へのアプローチも加えていくと、さらに多様になってきますので、さまざまなパターンで行うことができます。
まずはお腹の横の筋肉へのアプローチから始めます。
ターゲットになる筋肉は腹横筋や腹斜筋です。
これらの筋肉は、腰から脇腹にある筋肉ですから、これらが細く締まることで、くびれの形成にかなりの効果があります。
ここに刺激を入れるには、ドローインというお腹を意識的に凹ませることが最適です。
次に腹筋運動を行います。
これに軽い負荷を加えることで小さな動きでも十分に腹筋に刺激を入れることができます。
アプローチする筋肉は、基本的にはお腹の真ん中の筋肉である腹直筋ですが、この筋肉はみぞおち辺りの肋骨から骨盤下部の恥骨まである、意外と長い筋肉です。
皆さんが割って嬉しい腹筋は、本来の長さのほんの一部。
おへその辺りがちょうど中間地点だと思ってください。
それだけ長い筋肉ですから、動作や負荷をかける位置によって、働く位置やそれと連動する周辺の筋肉に違いが出ます。
最後にお腹の斜めの引き締め動作についてです。
ターゲットになる筋肉は腹斜筋という、いわゆる脇腹の筋肉です。
これが弱っていると、くびれが消失してしまうことになってしまうのです。
逆にこれを活性化させ、細く締めることができればお腹がおへそに向かって絞られ、美しくくびれるでしょう。
また腹斜筋は、体幹部を斜めに曲げるために必要ですし、立っている時にもお腹を引き締めて腹圧を高めているので、腰痛の予防改善にもなります。
このようにして万遍無く腹筋群を鍛えられると体幹が安定し、ゴルフ軸の安定にもなるのです。
腹筋と背筋をバランスよく鍛えての腰痛改善
上記で腹筋を正しく鍛えることができました。
でもまだ背筋が弱いままだとゴルフ軸の安定は得られません。
最後に背筋を絡め全身を連動させ、軸の安定と腰痛を改善していく考え方を紹介します。
ここで関連してくる筋肉はやはり広背筋です。
この広背筋と腹横筋・腹斜筋・腹直筋をどう連動させるかです。
一番簡単な方法は赤ちゃんが行うハイハイの動作をダイナミックに行うことです。
この動作は動物で言われる四足歩行の動作になってきます。
重力を全身で適度に受けながら効率的に行うと、素晴らしい運動効果が見込まれるエクササイズになるでしょう。
1つだけ気をつけないといけないのは、必ず前足(手)から動かしてそれから後ろ足を動かすということ。
一般の方がハイハイの動作を行うと後ろ足から動かした後に前足(手)が動いてくることが多分に見られます。
しかしこれはPNFでいうと、神経伝達を逆なでする動きになってしまうので、腰痛改善の効果が薄れてしまいます。
正しくハイハイを行うことにより広背筋・腹横筋・腹斜筋・腹直筋が連動し、腹筋と背筋がバランス良く備わり、腰痛の予防改善とつながっていくのです。
体幹強化と筋連動がゴルフを上達させる
ゴルフの上達にはスイング練習が欠かせません。
しかし、それも自分の身体が正しく動かせないままだと、意に反して間違ったスイングを作り上げてしまうのです。
そうならないためにも、正しく腹筋群と背筋をバランスよく鍛え、自分の中に軸を感じられるようになることが先決です。
ゴルフが上手くなりたいなら、これも練習だと思って自宅でやってみてください。
効果を最大限得るのなら、近くでPNFトレーニングを取り入れているところに通ってみましょう。