中部銀次郎のスイング動画から学ぶスイングバランスについて

最終更新日:2017/04/13

往年のアマチュア、名プレーヤーである中部銀次郎選手のスイングは、細身の身体ではあるものの、バランスの良いスイングという事が動画から見て取れます。

では、中部銀次郎選手のゴルフスイングはどこが良いのか見ていきましょう。

中部銀次郎選手のスイング、動画から安定している事が分かる

中部銀次郎選手のスイング動画を見ると、すらっとした身体から繰り出されるバランスのよい安定したスイングだという事が見て取れます。

現在とはクラブの特性が違う為、スイングも一昔前のスイングと言えるのですが、当時の選手と比較して、あまり癖がなくオーソドックスなスイングと言えると思います。

特にアドレス時の左腕とクラブが一直線になる逆K字の形は、左腕とクラブが一体化している事を表していますね。
左脇も良く締まり、上半身と下半身が一体化したスイングとなっています。

生涯アマチュアゴルファーとしてプロにならなかったのですが、当時の他のトッププロの動画と比較しても、アマチュアゴルファーとは思えない程、完成されたスイングと言えるのではないでしょうか。
また、スイング全体がコンパクトにまとめられている為、無理に振ってスイングリズムを壊してしまう様な事も無いと思われます。

ツアーで活躍する為に必要な、いつも同じリズム、バランスでスイング出来る反復性の高いスイングと言えるでしょう。

残念ですが中部銀次郎選手のスイング動画が少ない為、参考にしにくい

中部銀次郎選手が活躍した時代、およそ50年前の1960年代となりますが、この時代に今のような録画機器が普通の時代ではなかった為、中部銀次郎選手のスイング動画がほとんどありません。

当時、プロよりも強いアマチュアゴルファーと言われていた中部銀次郎選手ですが、その当時のスイング動画があまりないのはゴルファーにとっては残念ですよね。

当時数は少ないのですが、動画が残っている他のプロゴルファーのスイングを見ると、個性的なアドレスから個性的なスイングをするプロゴルファーも多く、アマチュアゴルファーの参考にしにくい面もあります。
今では、ゴルフスイングに関する動画や書籍は当たり前の時代となっており、ゴルフを始める際に参考とするスイングも多く、中部銀次郎選手の時代の様な情報が無い中でスイングを作らなければならない、イコール我流が強いスイングが出来上がりやすい事はあまりないと思われます。

中部銀次郎選手のスイングは、流れる様な一体感があり、現代のスイングにも十分応用できる要素がある為、中部銀次郎選手の動画はもっと残っていて欲しかったですね。

ワンピーススイングとなっている中部銀次郎選手

中部銀次郎選手の正面からのスイング動画を見ると、両腕の三角形が終始崩れず、ワンピースなスイングとなっています。
これは、腕を使ってスイングするのではなく、身体すなわちボディーターンでスイングする事を意識している為と思われます。
当時、現在ほど情報が無い時代に、ボディーターンスイングを実現していたゴルファーと言えますね。

アメリカのプロゴルファーであるベン・ホーガン選手が出した本、モダンゴルフを読んでおられたのでしょうか。
モダンゴルフは当時他にはなかったであろう、本格的なゴルフレッスン書籍で、この本には、手や腕を使う意識を極力無くす事が示されています。

ゴルフは腕を使うスポーツの為、どうしても腕力に頼ったスイングになるゴルファーが多い為、当時もそういった腕の意識が強いゴルファーが多かった様にスイング動画から見受けられます。
その中で、中部銀次郎選手は腕の意識が少ない、腕と上半身が一体化したボディーターンスイングをしていたと見て取る事が出来ます。

生涯アマチュアゴルファーだった中部銀次郎選手

中部銀次郎選手のスイングは動画から非常にバランスの良いスイングが感じ取れます。
アマチュアゴルファーのお手本となるスイングと言えるのですが、しかし、1967年に開催された当時プロトーナメントである西日本オープンにプロを押しのけて優勝するなど、プロ顔負けのレベルだったと思われます。

当時のスイングを数少ない動画で見てみると、まさにプロ顔負けの上半身と下半身がシンクロしたボディーターンスイングと言えます。

プロレベルの腕前でありながら、生涯アマチュアゴルファーだった選手と言えば、世界的に有名なボビー・ジョーンズが挙げられますね。
彼は常に自分にうそをつかない競技精神を持ち、そのプレーのすばらしさから当時は『球聖』と呼ばれていました。
ゴルフルールの根幹をなす心構えと言えますよね。

ちなみに、ボビー・ジョーンズは、世界一有名なゴルフメジャーツアーである、マスターズの開催とコース設計に携わった事でも有名です。

中部銀次郎選手もゴルフというスポーツを、己に厳しく、起こる事すべてにおいて自己責任の考え方を持ってプレーしていた選手だったと、後年発売された書籍に示されています。

ゴルフは個人スポーツであるが故に、こういった考え方は、一流プレーヤーになる為に必要なのかもしれません。

中部銀次郎選手のスイングは動画からコンパクトスイングな事が分かる

中部銀次郎選手のスイング動画から、ドライバーからアイアンまでコンパクトに振られている事が分かります。
まさに正確さのスイング、ショットメーカーと言えるのではないでしょうか。
特にアイアンショットでは、時計に見立ててバックスイングが10時から11時の所までしか腕が上がっていません。

飛距離よりも正確性を重視しているスイングだと見て取る事ができます。

中部銀次郎選手が活躍していた当時、ゴルフクラブのシャフトはスチールがほとんどであり、かつねじれなどのシャフト特性も現在よりも数値は悪かったはずです。
ですので、ゴルフクラブを振り回すと当然暴れる可能性も高く、中部銀次郎選手はプロを押しのける程の実力の持ち主だった事を考慮すると、正確性の高いスイングをしていた事は想像に難くないですね。

ドライバーの飛距離もさほどある訳ではなかった事から、アイアンショットの名手だったと思われます。

中部銀次郎選手の後方からのスイング動画があると良かった

中部銀次郎選手のスイング動画は正面からのものしかない為、スイングプレーンが分かりにくいのですが、バックスイングはアップライトめに上げて、ダウンスイングでフラットめになりインパクトを迎えるスイングなのではと感じられます。
これは当時流行りのスイングと言えるかもしれませんね。

バックスイングとダウンスイングのスイングアークの差を生み出すスイングと言え、大きなスイングアークを描く事によって飛距離を稼ぎ出すスイングです。

しかし、この差が大きくなり過ぎると、逆にボールコントロールが難しくなる為、中部銀次郎選手はボールコントロールが行える範囲で、飛距離を稼ぐスイングをしていたと思われます。

当時他のプロの動画を見ると、この動きをしたスイングのプロが多い事から、現代主流の上げた軌道を下ろしてくるスイングとは、スイング理論が違うのでしょう。

しかし、一番の理由はクラブ特性が現在とは全く異なる為、スイングの単純比較が出来ない事が言えると思われますね。

中部銀次郎選手のすごさが分かるスイング動画です

当時アマチュアゴルファーだった中部銀次郎選手がプロに勝つなど、そのゴルフスイングやコースマネジメント、メンタルに至るまですべてが凄いゴルファーだった事が伺えます。

あまりスイング動画も無いのですが、当時あった数あるゴルフスイングの中でもトップだった事は間違いないと思われます。
中部銀次郎選手のスイング動画から、反復性の高い正確なショットを打つスイングだった事が見て取れますね。

中部銀次郎選手の書籍も多数発売されており、現在でも十分に通用する理念が沢山載っているので、これはプロ、アマ問わず全てのゴルファーの参考となる事間違いなしです。