ゴルフスイングの体重移動のミスは動画撮影でまるわかり!

最終更新日:2017/01/21

ご自身のゴルフスイングを動画で見たことはありますか?

なかなか直らないミスショットの多くには、体重移動が原因だったということがよくあります。

動画を撮影すると正しい体重移動と誤った体重移動は一目瞭然です。

ここでは動画撮影のポイントと正しい体重移動の方法について解説していきます。

プロゴルファーは左右への体重移動による軸ブレが小さい

テレビに映るようなトップクラスのプロゴルファーのスイングはとても美しく、ゆっくり振っているように見えて、実際のヘッドスピードはとても速いことが分かります。

これにはスイングの『軸』というものが関係しています。
独楽(こま)のように軸が安定して回転しているものは美しく、回転スピードも速いことが想像できます。
一方、軸が傾いてしまうと、上手く回転できず、すぐに止まってしまいます。

ゴルフも同様に、軸がブレることがミスにつながります。

では軸がブレるというのはどういうことでしょうか?

まず考えられるのが『体重移動』です。

体重移動を計測した1件の研究があります。
この研究ではアマチュアゴルファーとして高校生ゴルファーのスイングを計測し、先行研究(プロゴルファーのデータ)と比較しています。
高校生ゴルファーといっても上級者と思われますが、それでもプロの方がスイング全体にかかる時間が短いし、重心位置のブレも小さいということでした。

研究ではモーションキャプチャーという三次元解析装置を用いていましたが、体重移動のチェックには動画撮影でも簡単にできるのでオススメです。

 

ゴルフスイング動画の撮影方法とチェックポイント

ご自身のスイング軸がどれくらい安定しているのか、絶対に計測した方が良いのですが、三次元解析というのはものすごく高価な装置が必要で、大学や研究所などにしかありません。
そのため、一般的にゴルフスイングをチェックする場合はビデオカメラで正面と後方から動画を撮影します。
スーパースローで撮影できるカメラがあればベストです。

まず、スイングプレーン全体が映るようにカメラを正面と後方にセットします。
正面からの撮影では体重移動による軸ブレが分かります。
後方からの撮影ではプレーンの傾きが分かります。
1台しか用意できない場合は2回に分けて撮影しても問題ありません。

カメラの設置場所ですが、斜めの位置にならないように注意してください。
斜めから撮るとプレーンや軸の傾きが分かりづらくなります。

次に、動画を再生して軸ブレとプレーンをチェックします。
軸ブレはつま先と頭を結ぶ三角形を描きます。
頭が動かないのは当然のことですが、この三角形から骨盤が出ないということが重要です。

プレーンに関してはボールと肩、ボールと腰骨(腸骨)を結ぶラインを描きます。
ラインとラインの間にダウンスイングとフォロースルーのヘッド軌道が通ればオンプレーンと言えるでしょう。

重心が後方にある人はプレーンが横向きになりやすく、前方にある人はプレーンが縦向きになりやすいという傾向があります。

 

ゴルフ初心者に多いスライスになりやすい体重移動

ゴルフ初心者に多いミスのひとつにスライスが挙げられます。

スライスの原因の多くはプレーンがアウトサイドインになっていることと、フェースを開いたままインパクトすることですが、これらは体重移動のタイミングによって引き起こされることがあります。

例えば、体重を右足に残したままダウンスイングを行うとアウトサイドインの軌道になりやすくなります。
そのため、フェースが閉じていれば左へヒッカケ、フェースが飛球方向に向いていてもスライスとなります。

これらは後方から撮影した動画をみれば一目瞭然です。
正面からの動画では、右のかかとがいつまでも地面から離れなかったり、左の膝が内側に入ってしまうと右足に体重が残っている証拠となります。

一方、正しく左足に荷重できたとしても、骨盤と胸郭の捻転差(X-factor)が小さければ振り遅れてスライスとなってしまうので、ストレッチはしっかり行う必要がありますね。

 

ゴルフ初心者に多いフックになりやすい体重移動

ゴルフ初心者に多いもうひとつのミスがフックです。
スライスとは逆にフックの場合はインサイドアウトのプレーンや、フェースが閉じてインパクトしてしまうことが原因となります。

フックの場合はそもそも右肩が下がってしまい、アッパースイングになってしまう人に多い傾向がありますが、体重移動がミスにつながるポイントとしては軸中心がボールよりも後方にあり、フェースが閉じ始めてからインパクトしてしまう、いわゆるチーピンが挙げられます。

この場合は正面からの動画で回転中心とボールの位置関係をみれば分かります。
フェースが飛球線方向に向いたタイミングでちゃんとインパクトできているかどうかをみます。

いずれにしてもレベルスイングで振れていることが前提となります。

 

動画で分かる!体重移動を正しくするために必要なフィジカルポイント

頭とつま先を結んだラインから骨盤がはみ出さないようにすることや、レベルスイング、インサイドインの軌道、これらのチェック項目は正しい体重移動を覚えるためにとても重要です。

動画を撮影することで悪いパターンは簡単に発見できるかと思います。

では、それらの原因となるフィジカルポイントはどこにあるのでしょうか?

前述したように、ひとつはX-factorの大きさが挙げられます。
X-factorが小さいために体重を右に残さなければタイミングが合わないという状態になってしまいます。
当然、軸ブレの原因になるでしょう。

他には股関節と肩甲骨の可動域、頸の回旋可動域が挙げられますが、同様の理由で軸ブレの原因となります。

最後に、左脚の筋力もゴルフスイングの軸ブレ防止にはとても重要な要素です。
プロゴルファーのスイングはダウンスイング初期に左下肢の跳躍に必要な筋肉が強く働きます。
左脚の筋力が弱いと、ヘッドスピードを上げられないばかりか、右脚で地面を蹴ることになり、軸ブレの原因となるでしょう。

 

ゴルフスイングの体重移動の動画を使った修正ドリル

結局のところ、軸がブレてしまうのは、重心移動を気にしすぎているからだと思います。
プロゴルファーのスイングのほとんどが左重心なのですから、頭の位置を固定して左下肢重心のままで振るとほとんど軸はブレません。

右に重心を移動して左に戻すという感じで振ると、どうしても骨盤がスウェーしてしまいますし、膝もグニグニ動き、最悪の場合、頭の位置まで動いてしまいます。
また、ど真ん中に重心を置こうとすると、テイクバックで左に、フォロースルーで右に重心が移動してしまうという感覚になりがちです。

そこで、とても良い体重移動を修正するドリルがストップ&ゴーです。
トップの位置でピタリと止めて、そこからフィニッシュまで一気に振り抜き、フィニッシュでもピタリと止めるというドリルです。

重要なことは、トップの位置から頭の位置は動かさずに左足にグッと体重をかけることをスイングのきっかけにすることです。
これだけで可動域の増大が期待できますし、正しい体重移動を覚えられます。

もちろん、このドリルでも動画が撮影するとなお効果的です。

 

正しい体重移動を覚えてスコアアップを目指しましょう

ゴルフという競技は如何に少ないスコアでまわれるかということですが、ただ練習場で打球練習ばかりを繰り返すよりも、動画を撮影し正しい体重移動を身に付けた方が効果的だと考えられます。

スライスやフックの原因はたくさんありますが、体重移動が修正されない限り、軸がブレるために根治しないと考えられます。

まずは動画を撮影する習慣を作ることをオススメします。