ドライバーの飛距離を劇的にアップするための動画参考法とは

最終更新日:2017/09/10

アマチュアゴルファーにとって、女子プロのドライバーのスイングは勉強になります。

当代飛距離NO.1と言われる葭葉ルミ選手、またアニカ・ソレンスタム選手の動画を参考に、飛距離アップのためのスイングについて考えていきたいと思います。

女子プロ飛距離NO.1選手のドライバーを動画で分析する前に

ドライバーで飛距離を求めるのは当然こと、ただその方法は人によって違います。
そこで他人のドライバーショットを動画で確認して、飛距離アップの方法を探っていきたいと思います。

まずは日本女子NO.1で、世界でもNO.1である葭葉ルミ(よしば るみ)選手です。
LPGA(日本女子プロ協会)のドライビングディスタンスで1位になっている葭葉ルミ選手の平均飛距離は259.89ヤードです。
2017年全米女子オープンに出場したときのドライビングコンテストホールでの飛距離は264.8ヤードをマーク、そこで世界NO.1の飛距離を持つ女性となりました。

もっとも平均260ヤードという飛距離は一般男性と比べても飛ぶほうで、しかも彼女の場合は年々飛距離アップしてきたということは、今後もドライバーの飛距離はアップしていくと思います。

そんな彼女のスイングを動画で分析する前に、ドライバーのセッティングに注目したいと思います。
彼女のドライバーの長さは46インチ、一般ゴルファーではさほど長いと感じないかもしれませんが、プロの中では長尺ドライバーの部類に入ります。
また女性ということを考えれば、通常男性よりも1~2インチ短いものを使用しているので、さらに長いセッティングにしていることが分かります。

確かに長いクラブを振ればヘッドスピードは上がり、飛距離もアップすることになります。

ドライバーの飛距離アップを動画で見るならまずは頭から!

葭葉ルミ選手の46インチの長尺ドライバーと300gとはまさに男性並みにセッティングです。
確かに長いクラブは飛距離を生む可能性は高まりますが、長いと振るのにパワーが必要になります。

そんなパワー不足を助けてくれるのがシャフトのしなりです。
長いクラブをゆっくり振っても、シャフトがしなることでその反動を生かして、ヘッドスピードを上げることができます。

ところが葭葉ルミ選手のドライバーは「X」、男性用の平均的な硬さと同じものを使用しています。
このクラブを振れる体力作りを地道に続けてきたことで、葭葉ルミ選手は毎年飛距離アップが実現できているのだと思います。

さて実際のスイングを動画で確認するときですが、注目するべき部分は頭の動きです。
彼女の場合、スイングの定説であるけど一般的には否定されていることが多い、「ビハインド・ボール」を実践していることです。

正確には「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」と言いますが、インパクトの時点で頭の位置を右サイドに残しておくことです。
つまり腕の振りに連動して、身体が左サイドに流れないようにしているからこそ、最大限のパワーをインパクトで注入できると考えているようです。

ドライバーが飛距離UPするビハインド・ボールを動画で確認

「ビハインド・ボール」に対しては功罪があるというのが最近の考え方でしたが、実際に葭葉ルミ選手は世界NO.1の飛距離を叩き出しているのですから、その考えに間違いはないようです。

ちなみに、昔「明治の大砲」という言葉があって、撃った反動で後ろに下がる旧式の大砲をもじった言葉だったのですが、ビハインド・ボールはまさに明治の大砲の傾向が強いスイングと言えます。
実際身体が後ろに下がるということは、ヘッドの抜けが悪くなり、結果的に飛距離ダウンにつながります。

では、なぜ葭葉ルミ選手は飛距離NO.1となれたのでしょうか?

そのヒントは動画で正面からのスイングで確認すると分かるはずです。
葭葉ルミ選手はスイングでドライバーのヘッドの最下点を、ボールの20センチ手前をイメージしているそうです。

飛ばそうと打ち急ぐと身体が左に流れて、グリップと身体の間隔が狭くなり、窮屈なスイングが飛距離ダウンにつながると考えています。
窮屈な姿勢でスイングすると身体の動きを制約してしまうので、結果的に飛距離を稼ぐことができないわけです。

つまり懐に余裕を持たせているということですね。

正面から動画確認!飛距離アップは20cm手前をドライバーで打つ!

葭葉ルミ選手のスイングを正面からの動画で確認すると、インパクトの瞬間の頭の位置は右足の踵の上にあります。

実はテークバックの時点で彼女の身体の軸は右足に乗った状態で、そのままダウンスイングに入ります。
普通のゴルファーだと右肩が下がりフェースが開くか、もしくはダフリにつながるわけですが、日ごろからのウェイトトレーニングによって体幹がぶれることなく、スムーズに振り切ることができています。

その元になっているスイングイメージは、ボールの手前20センチをインパクトする気持ちです。

ちょっと特殊なスイングのような気がしますが、実は同じよう形で頭を残すスイングは宮里藍選手など他の女子プロゴルファーも行っています。

ただ準備もせずに20センチ手前をターゲットにするスイングをしたら、ボールが吹けあがる心配があります。
葭葉ルミ選手のシャフトはXと硬めで、しかもディープフェースのドライバーを使っているので、飛球高度を抑えて飛距離を稼ぐことができるのです。

飛距離UPのために動画でドライバーヘッドが指す方向を確認

ドライバーにはディープフェースの他にシャローフェースがあります。
飛距離アップするのには、どっちのフェースが有利ということはありません。

また明確な規定もないので、「…・・・という感じ?」のようなものなのですが、誰もがディープフェースとシャローフェースをパッと見ただけで分けることができます。

基本的にはディープフェースは、上下に幅があり厚みのあるコロンとしたヘッドです。
一方でシャローフェースは、上下が狭く平らな形をしたヘッドです。

どちらかと言えばディープはドライバー、シャローはフェアウェイウッドを思わせますが、それぞれに利点があります。

例えば初心者の場合には、シャローフェースが使いやすいと思います。
シャローフェースは平らなことから重心が低いので、インパクトの瞬間にフェース面は上を向きます。
つまり打ち出しの角度を高くできるので、ボールを遠くまで運ぶことができます。

対してディープフェースは上がりにくい反面で、フェースが厚いことでスイートスポットが広くなり、しかもフェースの上部に当たっても飛距離を期待することができます。

葭葉ルミ選手の動画を観るとテークバックはスムーズなのですが、トップの位置で若干オーバースイングになっていて、ヘッドが飛球線よりも右方向を指しています。
この状態でダウンスイングするとインパクトでの接触面にブレが生じる可能性が高く、安心できるディープフェースは、彼女にとって都合の良いクラブと言えます。

ドライバーの飛距離UPを目指すための2つの動画

葭葉ルミ選手は「ドライバーの飛距離を平均270ヤード以上にしたい」とコメントしています。
トーナメントの中での女性の飛距離としては未知の領域で、いずれは男子トーナメントにも参戦できるかもしれません。

ちなみに宮里藍選手は男子トーナメントの出場経験があります。
同時期には世界ツアーNO.1だったアニカ・ソレンスタム選手も出場していますが、彼女もまたスイングの定説を裏切って飛距離を手にしたゴルファーです。

葭葉ルミ選手はアニカとはまったく逆の理論でスイングをしています。
「ルックアップ打法」と呼ばれた独特のスイング法ですが、誰もが1度は経験した打ち方でもあります。

ダウンスイングではインパクトの前にボールを見ることなく、ターゲット方向に顔を上げます。
つまり意識的にヘッドアップするわけです。
ヘッドアップしますから身体は左サイドに突っ込んでいきますが、それ以前に顔が上がって身体はターゲットに正対しているのです。
なんともシンプルなそして初心者でもできるスイング法、しかも続けることで飛距離アップすることが実証されていて、ストレスのかからない飛距離アップのスイング法とされています。

葭葉ルミ選手とアニカ選手はまったく違うスイングですが、飛距離を求めるのであればストレスがかからない(窮屈ではない)スイングに共通点があるように思えます。

ドライバーの飛距離を伸ばすための動画参考法とは

動画でドライバーの飛距離アップを研究するのであれば、NO.1の選手から学ぶべきことはたくさんあります。

何もしないうちに取捨選択するのではなく、まずはすべてを取り入れてみて、その上で必要な部分とそうでない部分を仕分けしていくことが、飛距離アップの鍵になると思います。