レイトコックが特徴の金田久美子のスイングを動画で解析

最終更新日:2017/08/05

女子プロゴルファーの中でも派手さで有名な金田久美子プロのスイングは独特ですよね。あまりコックを使わない特徴的なスイングでボールを飛ばします。
こうしたスイングは一般的には真似がしにくいと言えます。

しかし、プロゴルファーである金田久美子プロのスイングは特徴的でありながら基本を押さえたスイングであると言えます。

では、金田久美子プロのスイングを動画も参考にしながらお話していきましょう。

金田久美子プロのスイングは細身ながら飛ばす為の要素がある

金田久美子プロのスイングはコックをあまり使わず大きなスイングアークを描くように振っています。
これは体格の問題から、パワー不足を補う為の工夫とも言えます。

小柄で細身なゴルファーは、どうしても大きな選手との体格差からパワーが足りない部分が出てきます。
そんな体格差をもって戦っていかなければならないのがプロの世界ですので、金田久美子プロも不足するパワーを補う為のスイングを行っています。

コックをあまり使わないスイング、いわゆるレイトコックスイングはヘッドスピードを上げる為にスイングアークを大きくする工夫と言えます。
最近ではあまりこうしたスイングをするプロは減りましたが、昔活躍していたプロのスイングタイプとしては普通でした。

コックを積極的に使わず体でバックスイングするこのタイプの特徴は体の使い方です。
金田久美子プロのスイング動画を見ると下半身を積極的に使っている事が分かります。
上半身のパワーを使って飛ばすだけでは足りない部分を下半身の積極的な動きによりカバーしています。

その中でも一番特徴的なのは右足の蹴りです。
ダウンスイングの途中からかなり大きく右足の蹴りが入っている事が分かります。

パワー不足を下半身で補う金田久美子プロのスイングは動画を観ると分かる

飛距離不足、パワー不足を補う為に金田久美子プロは積極的に下半身を使ってスイングしています。
バックスイングがトップに到達するまでは上半身の動きが主体ですが、ダウンスイングに入ると下半身主導となります。

トップからの切り返しで左足に体重を乗せていくのですが、金田久美子プロの切り返しの方法は特徴が出ています。
スイングを動画のスローモーションで見ると、トップにクラブが到達した時点から右足を左足の方へ送る動作を行っている事が分かります。

よくトップからの切り返しでは左足の踏み込みでダウンスイングを行うとされていますが、慣れないうちはこの動作自体結構難しいですよね。
でも金田久美子プロの様に右足を左足の方へ送る動作でも右の体重を左に移す事ができます。
しかもこの動きであれば下半身主導でスイングができます。

トップからの切り返しの動作が分からない方や上手く体重移動ができない方は、金田久美子プロの様に右足を送る事によって体重移動がスムーズに行える事を意識してみてください。

金田久美子プロのスイングはトップでシャフトがクロスしやすい

金田久美子プロのスイングを後方からの動画で見ると分かる事なのですが、コックを使わないスイングの為、トップでシャフトが飛球線とクロスしています。
これは、バックスイングでコックを使わない為にクラブがフラットに上がる為なのですが、正しく縦にコックを使うとトップでシャフトがクロスする事がなくなります。

しかし、金田久美子プロは天才と呼ばれ続けたジュニア時代から培ったこのスイングを自分のものとしている為、特に修正しなくてもスイングプレーンにクラブを乗せられるのだと思います。

トップではシャフトがクロスにならない方がよいとほとんどの方が言われる事なので、直したい所ではあるでしょうが、これはトップだけを直すだけでなく、アドレス、バックスイング、そしてコックまで見直さなければならなくなります。

ゴルフスイングは一部分を直そうとすれば必ず影響する他の部分も直さなければならなくなる為、金田久美子選手はそのままのスタイルになっているのだと思われます。
自分が狙った所にボールを運べればよいので、手段は関係ないといった所でしょうか。

金田久美子プロのフィニッシュはスイング後の惰性でクラブが収まる

プロゴルファーのスイング、動画で見るとフィニッシュがビシッと決まっている事が多いですよね。
しかし、金田久美子プロのフィニッシュはどちらかと言うとだらしのないイメージです。
これは、フィニッシュを作る感覚が違うからと言えるのですが、金田久美子プロのスイングは特徴的で、かつボールを打った後はクラブを惰性でフィニッシュを迎える形だからです。

今やフィニッシュの形は直立のI字型が当たり前ですが、昔は逆C型が多かったですね。
クラブ性能とスイングの仕方が今と違う為この様な形のフィニッシュが多かったのですが、今では見かけなくなりました。

フィニッシュをこのI字型にビシッと収めるには、フィニッシュ時どこにクラブを収めるか考えてスイング作りをする必要があります。

しかし金田久美子プロなど一部のプロのスイングを見ると、フィニッシュはあくまでもスイングの結果である為、ボールを打った後の動作まではこだわらない感覚のゴルファーは比較的フィニッシュをビシッと決めない傾向にあります。
ですので、見る方からするとフィニッシュの形がルーズに見えてしまうのですが、ここは打った後の結果に過ぎないので、金田久美子プロの様にスイングの惰性でクラブが収まる様な形もあって当然なのです。

金田久美子プロのスイングを後方からの動画を見て気になる点

金田久美子プロのスイングを後方からの動画で見ると少し気になる点があります。
それは、クラブヘッドがボールの下から入る事です。

金田久美子プロはコックを使わず下半身の動きを積極的に使ってスイングする為、時に体が早く開いてしまう事があります。
しかしインパクトで必要以上に体の左サイドが開いてしまう事によって、クラブヘッドがボールの下から入ってくる事があります。
調子の悪い時、ウッドではこの動きが顕著に出ていますので、ボールが曲がる確率や幅が大きくなってしまっています。

金田久美子プロはパワー不足を下半身の積極的な動きにより補っており、このミスショットが出る時、右足の蹴りが早い事が考えられます。
結果的にはいつもかなり右足の蹴りを大きくしているのですが、スイング中この動きが早すぎる事が原因なのではないでしょうか。

ゴルフスイングで調子が悪くなる時と言うのは、原因のほとんどは下半身の動きにある為、金田久美子プロのスイングも右足の蹴り、その動作が早すぎる時、体の左サイドが開いてしまう事が考えられます。

ダウンスイングのクラブのほどけが早い事が動画で分かる金田久美子プロ

ダウンスイングからインパクトにかけての動きをスロー動画で見ると、金田久美子プロはコックのほどけるタイミングが早い事が分かります。
ここは他のプロには見られない特徴とも言えます。
ダウンスイングのタメが少なく、ほどけるタイミングが早いので右足の前でインパクトを迎える様なスイングになっています。

アマチュアゴルファーがこの動きを真似るとほぼミスショットになると推測されます。
なぜなら、タメが早くほどけて右足前にクラブヘッドが落ちてきてしまうからです。

しかし金田久美子プロはここからヘッドをビュンと加速させています。
こうする事でヘッドが地面に落ちるタイミングを遅らせているのですね。
動画で見るとこの動きを見る事ができます。

普通のスイングは、もう少しヘッドの落下を遅らせる為にタメのほどけるタイミングを遅くするのですが、金田久美子プロはこれが自分のスイングのタイミングなのでしょう。
右足前にきたクラブをインパクトゾーンでもう一段加速させるような動きを入れています。
少し他人には真似できないスイングと言えるポイントです。

細身だがツアープロとして戦う要素が感じられる金田久美子プロ

金田久美子プロは細身で身長も大きな方でない為、ツアーで戦っていく為にスイングの至る所に特徴が見られます。
比較的右サイドの動きを大きく使うスイングなので、その分練習量が必要なスイングであると言えます。

特にインパクトゾーンでの動きは金田久美子プロならではと言える為、真似しようにもなかなか上手く打つ事ができないのではないでしょうか。

特徴的なスイングではありますが、同じようなスイングが多い昨今においては珍しいタイプのプロゴルファーと言えますね。
興味が尽きません。