ドライバーのシャフトの硬さについて初心者は勘違いしている

最終更新日:2020/04/10

ドライバーのシャフトの硬さがなぜ必要なのかを、初心者と中級者では違いがあるようです。

軟らかいシャフトによってヘッドが遅れてフェースが開き、スライスの原因となってしまうという間違った考えを持っている方がいます。

今回は初心者がシャフトの硬さを考えるタイミングについてお話しします。

初心者はドライバーの硬さにスライス対策を求める?

初心者に合うドライバーと、初心者が求めるドライバーには乖離があるようです。

おおむね初心者のドライバーショットはスライスし、しばらくはこれが悩みの種となります。

もちろんその前段ではフェースでボールをとらえるという初歩的な問題はありますが、それをクリアするとドライバーの本来の役割である飛距離を求めて練習をし、それに伴ってスライスが散発されていきます。

やがてスイングが固まってくると、スライスするスイングフォームが体に染み付いてしまい、なかなか抜け出すことができなくなります。

中には生涯にわたってスライスに悩み、最終的には持ち球として甘受することもあるようです。

初心者がスライスを直せない原因は、シャフトのしなりに対応できていないからと考えられます。

トップからインパクトまで、強いダウンスイングをするほどシャフトはしなり、ヘッドが遅れて開いたフェースでインパクトしてスライスすることになります。

そのシャフトのしなりを防ぐためにシャフトの硬さを求めると、スライスから抜け出すことはできません。

初心者にとってドライバーの硬さがスライスの原因になる?

初心者の場合は、ドライバーがスライスする原因として、シャフトのしなり過ぎに問題があると考えるようです。

確かにダウンスイングによってシャフトはしなり、ヘッドは必ず遅れることになりますが、初心者を卒業するとインパクトまでに、シャフトは元に戻すことができるようになります。

しかも、そのシャフトの戻りがドライバーの飛距離に関係することを知るはずです。

シャフトの硬さでしなりを抑制すると、ドライバーのスイングで大事なシャフトのしなり戻りを習得できません。

結果的にいつまで経ってもスライスを散発して、自信のないドライバーショットに悩むことになるでしょう。

そうではなく初心者のうちは曲がりを恐れずに、正しいスイングでヘッドを振り抜くことに集中すべきです。

この振り抜くスイングの先に、シャフトのしなり戻りがあるわけですから、スライスが止まらないようであれば軟らかいシャフトを選んだほうが早く上達できます。

その軟らかいシャフトとは、Rシャフトが基準となります。

初心者に合ったドライバーの硬さはRシャフトの理由

初心者がドライバーのシャフトの硬さをRシャフトにするのは、その硬さが「標準」だからです。

一般的にシャフトの硬さを選ぶポイントとしては、ヘッドスピードを目安にします。

一般男性の平均的なヘッドスピードは40m/sと言われていますが、その40m/sに適合する硬さがRシャフトなのです。

ところがダウンスイングでシャフトがしなり、フェースが開いてスライスすると、硬いSシャフトを選ぶことで安心できるような気がするものです。

初心者が硬いシャフトを使うと、成長過程で必要なシャフトのしなり戻りを習得することはできず、そのままスイングフォームが固まってしまい、スライスから抜けることができなくなります。

体をねじるテークバックと、そのねじりを開放するダウンスイングのフォームを覚えることで、シャフトのしなり戻りのためのコックのリリースが身につきます。

このとき、シャフトのしなり戻りの大きさによって、シャフトの硬さは決まるわけです。

ドライバーの硬さがフック防止だと初心者は理解できていない

ドライバーのシャフトの硬さを決めるときは、ダウンスイングのシャフトのしなりではなく、しなり戻りの大きさで決めます。

スイングでシャフトのしなり戻りが大きくなると、ヘッドスピードが加速してスイングスピード以上に強いインパクトを与えることができるようになります。

同時にシャフトのしなりをコントロールできるようになるため、ドライバーをムチのように扱うことができます。

実際にはテークバックからトップまでの間に、左手首を親指側に曲げるコックを作り、そのコックをインパクトの直前で解放して元に戻すリリースを行います。

この動作によってシャフトのしなりは戻り、スクエアなフェースでインパクトができるようになるわけです。

ゴルフでは初心者の定義がないため、始めてから3ヶ月であったり、ハンデ36になるまでであったり、100打を切るまであったりと様々な解釈がされていますが、初心者卒業はコックをリリースするスイングを身につけたときなのかもしれません。

初心者を卒業してから決めるドライバーのシャフトの硬さ

初心者から中級者にランクアップするのは、ゴルフを始めてからの期間やスコアによる実績を尺度にすることも間違いではありませんが、基本のスイングフォームであるコッキングが使えるようになっているかを初心者の卒業ポイントにすると良いかもしれません。

シャフトのしなりをコントロールできるようになることで、ドライバーのような長いシャフトを使いこなすことができます。

ゆったりしたリズムでスイングしてもビックドライブが可能になり、正確なミートと速いヘッドスピードが手に入ったことで、初心者は卒業することはできたはずです。

このコッキングを身につけると、ヘッドの返しのタイミングが気になるはずですから、コントロールできる範囲で軟らかいシャフトを求めるでしょう。

そこで軟らかくてフックが出るようになると、フックが散発するため硬いシャフトを求めるようになります。

したがって初心者はまずシャフトの硬さが標準であるRシャフトを選んで、初心者を卒業するときに必要な硬さを確認すると、間違えの少ないドライバーを選ぶことができるはずです。

ドライバーの硬さ選びを間違えると初心者から抜け出せない?

ドライバーのシャフトの硬さの選び方を初心者が間違えてしまうと、いつまで経ってもスライスから抜け出せず100打を切ることもできず、悩み多きゴルフ人生になってしまいます。

しなりを抑制するために硬いシャフトを選んでしまうと、そこから先の進歩はなくなってしまうかもしれません。

シャフトのしなりを利用するコツを覚えるためには、たくさんの素振りが必要です。

ただ練習場を利用すると、時間的にも経済的にも制約を受けることになって、コツを覚える前に練習場通いの回数が減ってしまうようです。

シャフトのしなりを利用するスイングは、練習場だけではなく自宅でも水道ホースを使えば十分にできます。

1メートルほどの散水用ホースを用意し、ドライバーに見立ててスイング練習をするだけです。

トップの位置で左手首を親指側に曲げて、インパクトの直前で左手首を小指側に曲げると、ホースの先はムチのように返るようになります。

しっかりコッキングのコツをつかんだら、ボールを打たなくても初心者は卒業できたことになるはずです。

初心者はドライバーのシャフトの硬さを求めてはいけない

ドライバーのシャフトの硬さは、シャフト戻りの大きさで決まります。

初心者のうちは軟らかいシャフトがスライスの原因と思い込んでしまうようですが、それで硬いシャフトに変えてしまうと正しいスイングを身につける機会を失ってしまうでしょう。

そうならないよう、初心者だからこそ軟らかいシャフトを使って、シャフトのしなりを利用したスイングを身につけるようにすべきではないでしょうか。