レディゴルフが推奨される中、ストロークの適正な時間は?

最終更新日:2018/10/01

ゴルフプレーの速度が注目されています。

迅速なプレーができるようにと、大幅なルール改正が行われ、それに合わせてストロークの時間に対する決まりや罰則も厳しくなっていきます。

そこで、今まで以上に通常のラウンドで気をつけなければならないアマチュアゴルファーの基準について紹介します。

ゴルフ界では1回のストロークにかける時間が重視されている

2019年のルール改正にともない、ゴルフのプレー時間が注目されています。

迅速なプレーを求めるために、それまで積み上げてきたルールや所作を大幅に改正する「レディゴルフ」へと基軸が変更されるからです。

いままでは1組に対するプレー時間を重視していましたが、今後はプレーヤー個人のプレー時間が重視されます。

1つのストロークにかける時間、ボールを捜索する時間、ドロップなどの所作の簡略化など様々な見直しをしますが、この流れは1回の改正だけで終わるのではなく、これから何度も改正を繰り返していくことになると思われます。

そこでゴルファーとしては、今まで以上にスピードアップしたプレーを心がけなければなりません。

ルール上、プレーヤーに与えられたストロークの時間は40秒です。

この時間が長いと思うか、短いと思うかはそれぞれでしょうが、実際のプレーではかなり急ぐイメージを持たないと、タイムオーバーになってしまう可能性があるでしょう。

ゴルフルールにおける1ストロークにかけられる時間

ゴルフのルールで認められている、1人40秒以内のストロークの時間は、イメージから決めたものではなさそうです。

ストロークの時間を決めるにあたっての見解は発表されていませんので、詳しいことは分かっていませんが、スタート時間の間隔を保つためには40秒以内が適正になるようです。

仮にトップスタートを8:00としたとき、次の組のスタートは8:06です。

この6分間で4人のプレーヤーがそれぞれティーショットをします。

そしてセカンド地点まで行移動して、それぞれがショットをしてその位置を離れます。

ここで8:06スタートの組はティーショットができるようになります。

2組目が時間通りにスタートをするためには、1組目のプレーヤーはティーショットからセカンドショットを終了するまでに1人当たり90秒しかありません。

この間に1打目を終えて、約250ヤード(約230メートル)を歩いて移動し、さらに2打目をショットしなければなりません。

しかも4人が同時に打つことはできないので、実際には40秒程度でセカンド地点まで到達して、そこで2打目を放つ必要があるのではないでしょうか。

ゴルフルールではストロークの時間を超過したらペナルティ

ゴルフルールに決められた以上、プレーの時間を短縮しなければ、ペナルティが科せられます。

1人がストロークにかけられる時間を40秒としているので、ゴルファーにとっての必須条件となるわけですが、実際にはかなりタイトなプレースタイルが求められることになりそうです。

女子プロ協会がルール改正前年の2018年に、40秒ルールを先行しました。

最初のプレーヤーだけが50秒以内、あとのプレーヤーは40秒以内でプレーを終えなければなりません。

プロの場合にはスイングが固まっているので、アドレスからフィニッシュまでの時間は10秒台で終了するようです。

もちろん例外もあって、40秒超のプレーヤーもいないわけではありませんが、ほぼルール内で収まっています。

問題はアプローチとパターです。

グリーンの20ヤード手前からカップまでのラインを読みに行き、さらに素振りでショットのイメージをつけると、軽く40秒は超えてしまいます。

同じようにロングパットの場合も、上下左右から傾斜を確認してラインを読むと、40秒を超える場合があります。

プロだからこそなのか、プロでも難しいのかは分かりませんが、新ルールではストロークの時間配分が厳しいことに変わりないと思います。

プロゴルフのほうがストロークにかける時間制限は緩い?

女子プロゴルフ協会は、プレーの速度について先行していますが、それでもゴルフルールと比べるとストロークの時間などは遅いほうです。

協会がツアー中の競技の条件としている遅延対象は、先行組と14分以上空いた場合か、パー4のティーグラウンドに立ったときに先行組がホールアウトしている場合です。

事実が確認されると、まず警告が出されて「改善されるまで1ストローク30秒以内」とし、41秒以上かかると1罰打(正確には1ホール当たりなのでパー4で131秒以上が対象)になります。

一方でアマチュアは、1ストローク40秒以内とし、最初に警告、次は1罰打、さらに3度目は2罰打で、それでも改善しなければ競技失格です。

あきらかにアマチュアのほうが厳しいルールになりますが、これはゼネラルルールなので、プロゴルファーと言えどもゴルファーである以上、プレーの速度に関して守るべき努力が必要だと思います。

ゴルフ場はストロークの時間よりもプレーの時間を重視

ゴルファーのストロークの時間が厳しいと感じるのは、先ほどお話したようにプロよりもアマチュアのほうかもしれません。

プロは1打で賞金額が大きく変わりますから、アマチュアと1打の重みは違うかもしれません。

しかし多くのプロはフェアウェイや少し外れたラフからのショットなので、1ラウンドで悩む場面は、ほんのわずかなはずです。

一方でアマチュアゴルファーの場合は、樹木の間や隣のホールまで曲がることもあり、クラブ選択だけでも時間が必要になります。

また池やOBなどのトラブルショットは、ラウンド中に何度もありえる話ですが、慣れない所作と処理で時間がかかることがあります。

ましてプロのスコアは崩れても大半は70台で収まりますが、アマチュアは90台で回れば良しとして、100打を超えても許容範囲という人もいるはずです。

単純に72打のプロと100打のアマチュアを比較すると、1打40秒のとき18分超の違いができてしまう計算です。

1打のストローク時間も大事ですが、アマチュアゴルファーの場合には1ラウンドにかけるプレー時間にもリミットがあるので、ゴルフを時間短縮することは厳しいと思ったほうが良いかもしれません。

レディゴルフを実践すればストロークの時間に追われない

プロに比べてアマチュアは、1人18分オーバーするとしたら、4人で約1時間です。

ましてプロは1歩1ヤードで歩測しているので、歩くスピードがかなり早く移動時間が少ないのが特徴です。

一方でアマチュアゴルファーは、プレー中の談笑も楽しみの1つなので、集中するティーグラウンド周りよりも、同伴プレーヤーとは歩行中に会話を楽しむことになります。

この部分を否定してしまうと、ゴルフの面白味が半減してしまう人も出てくるとは思います。

しかし話をしながら移動すると、必然的に歩行スピードは遅くなり、組全体のプレー速度も遅くなっていきます。

ゴルフ場が設定している6分間のスタートの間隔を守るためには、自分のボールに位置まで一生懸命歩かなくてはいけません。

そう考えると、プロは1打に対する時間をかけたとしても、アマチュアほどのストローク数がなく、しかも歩行スピードが早いので、プレー時間は少ないのかもしれません。

技量の違うプレーヤーが一緒に楽しめるのもゴルフの魅力です。

プレー速度をあげるためには、新しいルールの根幹にある「レディゴルフ」、準備のできた人からプレーを始めることを実践すれば、楽しみながらラウンドができるのではないでしょうか。

ゴルフ場のスタート時間を守ればストロークによる遅延はない

ゴルフルールの改正によって、ストロークにかける時間短縮は重要な問題となってきます。

アマチュアゴルファーにとっては、個々のストロークも大事ですが、スタート間隔を乱さないようにすることが、結果的に遅延プレー防止の趣旨に当てはまることになると思います。