アプローチの基本の打ち方を覚えるなら30ヤードからが一番

最終更新日:2018/05/25

アプローチの基本の打ち方を覚えたいなら、まずは30ヤードのアプローチから練習するのが良いです。

30ヤードのアプローチと言っても、そのシチュエーションは色々とあります。

花道から、ラフから、ハザード越えなどなど。

様々な状況に応じたアプローチをしっかりと覚えれば、距離が変わっても対応できる技術力は十分身につくでしょう。

宮里流30ヤードのアプローチが全ての打ち方の根幹

宮里兄弟を育てた父親、宮里優さんの理論「宮里流」です。

・強い球を打つにはフェースをかぶせるイメージのインパクトを作ることが先決。

・30ヤードのアプローチでインパクトのイメージを体に染み込ませる。

・30ヤードのアプローチにスイングの根幹が全て詰まっている

これが彼のゴルフ理論になります。

彼がアマチュアにゴルフレッスンをする際は、PWで腰から腰まで振って、30ヤードを打つ基本を徹底的にさせます。

30ヤードだけの練習を毎日3か月続けてすれば、ドライバーも打てるようになるとも話しています。

それだけ30ヤードの打ち方はスイング全ての基本と言えるのでしょう。

実際、宮里藍プロは、30ヤードを自分の距離と言うほど極めています。

そう自信を持って言えるほど練習をしたのでしょう。

しかしただ我武者羅に30ヤードのアプローチを毎日練習したからと言って上手くなるわけではありません。

しっかりと押さえなければならないスイングの基本ポイントを確認しながら、それを身につけるつもりで練習することが大切です。

初心者ゴルファーが30ヤードのアプローチでまず覚える打ち方

初心者ゴルファーの30ヤードのアプローチで最初の入り口となるのは、ピッチエンドランの打ち方です。

ピッチエンドランは、ボールを上げてキャリーを出し、ボールを落とした場所からのランで距離を合わせるアプローチです。

ラウンド中に最も使うアプローチで、約8割の状況に対処することができます。

それ以外の使えない2割の状況は、
・ピンの位置がグリーン手前で、尚且つハザードを越えなければならない状況
・ラフに深くボールが沈んでいたらい、逆目の深いラフにある状況
・土がむき出しになっている状況です。

もちろんこれ以外にもありますが、代表的なのはこれらの状況です。

しかしなかなか出会わない状況であることは、ラウンドする人なら分かるのではないでしょうか。

30ヤードのピッチエンドランの練習では、基本的にAWを使うのですが、同じ振り方、同じ振り幅でもクラブを変えることで、キャリーとランの割合が変わってくるので飛距離は違ってきます。

全てのクラブでキャリー30ヤードを練習すれば、様々な距離のアプローチが打てるようになると言うことなのです。

花道から狙う30ヤードのアプローチの打ち方

次に紹介するアプローチも良く初心者向けに紹介されている打ち方です。

それは、極力ボールを上げず、最初から転がして寄せるランニングアプローチです。

確かに最も簡単な打ち方ではあるのですが、状況が限られてしまいます。

ランニングアプローチの簡単な所は、パターのようなスイングで打てることです。

またトップやダフリとアプローチで多いミスも少ないです。

できるだけ積極的に使いたいアプローチではあるのですが、その使えるシチュエーションと言うのが以下の通りです。

・グリーンエッジ近くである場合
・カップまで距離がある場合
・ボールとピンの間にハザードがない場合
・花道

これらに限られています。

使用するクラブはショートアイアン、30ヤードくらいの距離であれば、ウェッジでもロフトが立ったPWやAWが良いでしょう。

基本的な打ち方は、腕の三角形を崩さず、パターのようなストロークでスイングするだけです。

そして他のアプローチ同様、体重移動をせず、手首を使わないと言うのは鉄則です。

宮里流30ヤードのアプローチでスイング作り

30ヤードのアプローチがスイングの根幹だからと、練習場でただ意味も無く30ヤードのヤード表示を狙って、ポンポン打ち続けているだけでは何の成長もありません。

そこでどのように30ヤードのアプローチの練習をすれば良いのかを紹介します。

まずこの練習の目的は「飛ばしたい欲求を抑え、ボールを芯で捕える感覚を体に染み込ませる」ことです。

PWで30ヤードのアプローチをマスターする打ち方は2種類あります。

1つ目は、スイング中にフェースを返さず、フォローで左腕を伸ばす打ち方です。

①ノーコックでテークバック

②両腕の三角形を崩さないように振り抜く

③フォローでは左肘を曲げずにフェースを空に向ける

このスイングはボールを止めるアプローチになります。

2つ目は、リストターンを使ってフォローでクラブのトゥが上を指す打ち方です。

①フォローでリーディングエッジを立てるようにフェースを返す

このスイングはランを出すアプローチになります。

この時、手首をこねてしまうのは厳禁なので気をつけてください。

宮里流ではこの練習だけを3か月続けると全てのスイングが良くなると言われています。

根気のいる練習ですが、必ず身になるでしょう。

30ヤードを確実に打てるようになったら

実は30ヤードのアプローチを確実に打てるようになったら終わりではないのです。

宮里流には次なるステップがあります。

それは「80ヤード」です。

PWで肩から肩までの振り幅で80ヤードを打つ練習です。

この練習にも2種類の打ち方があります。

1つ目は、フォローでコックを入れてボールを止める打ち方です。

①グリップを真横に引いてクラブを腰の位置まで持ってくる

②コックを入れながら肩の回転でグリップを右肩の位置へ

③ダウンスイングからフォローにかけて太ももを締めながら振り抜く

④フォローで再びコックを入れ、そのままフィニッシュ

2つ目は、フォローでコックを入れずに左腕を伸ばす打ち方です。

①フォローでは左腕を伸ばし、左脇を締めることで体の回転と腕の振りがリンクし、常に体の正面でクラブを操る

もちろん30ヤードのアプローチ練習よりも難易度は上がるのですが、30ヤードを確実に打てるようになってから挑めば、そこまで難しくは感じないでしょう。

30ヤードと80ヤードをそれぞれ3か月するかどうかはあなた次第ですが、1か月でもそれなりの効果はあるでしょう。

30ヤードは狙わずにラッキー寄せワンで

30ヤードのアプローチを確実に打てるようになったからと、いかなる場面でも寄せワンを狙うのは、スコアを崩す可能性があります。

そのため「確実に寄せる」のではなく「確実に乗せる」ことを意識する方がベターです。

寄せワンが狙える状況がどうかをしっかりと判断し、無理に寄せワンを狙わずに、確実にグリーンに乗せた方が、結果的に寄せワンの確率が上がるでしょう。

グリーンに乗せてさえ入れば、ロングパットを残しても、そこから寄せる可能性はあります。

寄せワンできなかったから、打ち方が悪いのか、練習が足りないのかと悩む必要はありません。

実は世界で活躍するトッププロたちも30ヤードのアプローチで確実に寄せワンできていないのです。

10ヤード以内が85%、10~20ヤードが65%、20~30ヤードが52%、30ヤード以上が28%がUSPGAの寄せワンの確率です。

あの憧れのプロでさえも、20~30ヤードは2回に1回しか寄せワンできないのです。

30ヤード以上になると4回に1回です。

そう考えると、アマチュアゴルファーが確実に寄せワンできると思いますか?

ではどこを狙えば良いのでしょうか。

グリーンセンターを狙うのが、アプローチとしては一番確実と言えるでしょう。

アプローチの最後は「自信」が全てを決める

どんなに練習場で30ヤードのアプローチを確実に打てるようになっても、上手く距離感を出せるようになっても、ラウンドでアプローチの瞬間に悩みや不安が頭を過ぎると絶対に上手くショットできません。

アプローチやパターは一番繊細なショットになるので、ちょっとしたことがミスショットに繋がります。

打つ前に、「これ!」としっかりと決めて、全てに自信を持って挑むのが成功に繋がります。