複雑過ぎて悩んでしまうアプローチウェッジを選ぶポイント

最終更新日:2018/02/12

アプローチウェッジは「○○°」と表現されているものもあり、どのようなクラブなのか、またどのくらい飛ぶのかなど他のクラブに比べて少し分かりづらいです。

アプローチウェッジとはアプローチに特化したクラブなので使う状況も限られています。しかしピッチングウェッジとサンドウェッジの間の役目を果たす重要なクラブでもあり、必要なものをしっかりと選び、上手く使いこなしていくことで確実にスコアアップに繋がります。

アプローチウェッジの種類

アプローチウェッジに刻印されている「○○°」とは、ロフトの角度です。

ロフトの角度とは、クラブフェースの上を向く角度のことで、角度が大きいほどボールが上がります。

刻印はされていませんが、もちろんアプローチ以外のクラブにもロフトの角度はあります。

メーカーによって角度で表示されているものもあれば、名前で表示されているものもあります。

名前表示のウェッジは大きく分けて、

・PW(ピッチングウェッジ)
・AW(アプローチウェッジ)
・SW(サンドウェッジ)
・LW(ロブウェッジ)

の基本4種類です。

PWは飛距離を稼げ、初心者にオススメのランニングアプローチにも適したウェッジです。AWはPWほどではないものの、それなりに飛距離を稼げ、名前の通りアプローチとして使用されるクラブです。
SWはその名の通りサンド(土)に適しており、バンカーで使用するクラブです。

PWやAWと比較するとランが出ないので、アプローチで使用するのはしっかりとした距離感を出せる中~上級者が良いでしょう。

LWは最もランが出ないので、ボールを高く上げたいロブショットを打つ時に使用するクラブです。

ロフト角で表すとPW(48°)・AW(52°)・SW(56°)・LW(60°)になります。

アプローチウェッジの角度と飛距離

アプローチウェッジは種類(ロフト角度)によって使うシーンが変わります。

しかしアプローチと言ってもグリーン周りだけで使用するわけではありません。
100ヤード以内のショットになるとアプローチウェッジをフルショットしたり、コントロールしたりして使うこともあります。
そのように使う幅を広げるためにもその角度と飛距離を知っておく必要があります。

ロフトの角度によるフルショットの飛距離を紹介します。
もちろん平均男女における飛距離なので、個々によって差はあるのは当然です。
ですからあくまでも参考にし、フルショットでの自身の飛距離を把握するようにしましょう。

PW(48°)は、男性が110ヤード、女性が60ヤードです。

AW(52°)は、男性が100ヤード、女性が50ヤードです。

SW(56°)は、男性が80ヤード、女性が40ヤードです。

LW(60°)は、男性が60ヤード、女性が30ヤードです。

ここでは大きく4種類に分けていますが、自分が現在持っているクラブのPWのロフト角度によって選ぶウェッジのロフト角度が変わってくるので注意しましょう。

ロフト角度が変わってくると平均飛距離等も確実に違ってきます。
そのためアプローチウェッジの選び方は難しいと言われているのです。

アプローチウェッジの選び方

先ほどまでアプローチウェッジを大きく4種類に分けていましたが、自分のアプローチウェッジを選ぶ際はもっと細かく見ていかなければなりません。

アプローチウェッジを選ぶ時に基準とするのは、自分が現在使っているPWのロフト角度です。

と言うのもアイアンセットを購入する際に、PWはセットの中に含まれているのが普通です。

アイアンセットのロフト角度に合わせてPWも入っているので、そのロフト角度の間隔に合わせて選ぶことが大事になります。

PWのロフト角度は一般的に43~48°です。
そして等間隔の距離を打ち分けるために必要なロフト角度の間隔は4°になります。
つまりセットに入っているPWと、ロフト角度が4°差になるようにアプローチウェッジを選ぶと距離の打ち分けを容易にしてくれます。

例えばPWが48°なのに54°のアプローチウェッジを選んでしまうと、2番手近く距離が変わってしまうことになります。

逆にPWが48°なのに50°のアプローチウェッジを選んでしまうと、飛距離の差はほとんどありません。

細かく打ち分けれて良いと思うかもしれませんが、キャディバッグには14本しかクラブを入れることはできません。
だから必要なものを慎重に選ばなければならないのです。

バウンスも気をつけよう

アプローチウェッジのロフト角度と飛距離に関して話してきましたが、実はアプローチウェッジを選ぶ際に気をつけなければならにのはそれだけではありません。

アプローチウェッジはロフト角度で飛距離を測りますが、バウンスの大きさや形状によって使い勝手が異なるのです。

自分がアプローチウェッジを購入する際にどのような用途に重点を置くか、個人の好みによってバウンスを選ぶようにしましょう。

大きいバウンスのものはバンカーや深いラフからのショットが打ちやすくなりますが、フェアウェイからのショットに使うとバウンスが大きすぎると邪魔になってしまいます。
ですからバウンスが大きなアプローチウェッジを数本持っていてもフェアウェイからのアプローチでは活躍できないと言うことになるのです。

バウンスの大きさは基本的にバウンス角とソールの幅の形状によって決まります。

SWのバウンス角のほとんどは10~15°が目安です。
そして12°が普通で、14~15°は大き目になります。

ソールの幅と形状は、大きく削ってあれば有効なソール幅は小さくなります。

アプローチウェッジの溝と新溝のルール

アプローチウェッジの溝の仕様とコンディションはスピンに大きな影響を及ぼします。

そんなアプローチウェッジの溝には「V」と「U」があります。
最近ではスピン性能により優れている「U」が多いです。

2010年よりプロの競技で新溝ルールが採用されました。
それに伴って一般のアマチュアゴルファー向けのアプローチウェッジもその新溝ルール適合のものになっています。

しかし2015年からトップアマチュアの競技では適用されていますが、アマチュアゴルファーにこのルールが影響するのは2024年からとなっています。

新溝ルールの詳細は、それまでのルールに加え、25度以上のクラブではそれまで許されていた「U」の仕様のクラブが禁止され、角溝のエッジに丸みを持たせ、溝の容量を小さくしなければならなくなりました。

多くのゴルファーがアプローチウェッジに期待するのはスピン量です。
ですから新ルール適合の溝でもスピン量が減らない工夫を各メーカーが研究し、採用しています。

クラブを選びを悩ませるストロングロフト化

アイアンの基本は、番手ごとに0.5インチクラブが短くなり、ロフト角は4度刻みと言う設計が昔から基本となっています。

しかし近年アイアンの「ストロングロフト化」してきました。
このストロングロフト化とは、昔のアイアンに比べ、ロフト角が立っている状態のことを言います。

実はこのストロングロフト化には賛否両論あります。
7番アイアンの飛距離が倍になる!なんて謳い文句になっているものの、ロフトが立っている状態になっているだけなので、単順に考えると「7」と刻印された6番アイアンなのです。

それがどういった事態を引き起こしているか分かりますか?
基準となるPWのロフト角がショートアイアンと同じになってしますということです。

しかしアプローチウェッジはストロングロフト化していません。
市販されているSWのほんどが56°なのですが、そうなるとウェッジとアイアンのロフト角の間隔がどんどん大きくなってしまうのです。

ロフト角の間隔が大きくなると飛距離の差も大きくなるので、打ち分けやアプローチウェッジ選びが難しくなったのが昨今の現状です。

道具選びもゴルフ上達に必要なスキル

初心者の時は自分にどのクラブが合うのか、そして必要なのかなど判断するのは難しいです。

しかし少しずつ自分のスイングスタイルや癖、ミスのタイプが分かってくると欲しいクラブと言うのが出てきます。

アプローチウェッジに限らずゴルフクラブには様々なメーカーや種類があります。
その中からピッタリのものを見つけ出すスキルを付けていくことも大切なのを覚えておきましょう。

そのためにはクラブ情報にアンテナを張っておくようにしてください。