ミスが多いアプローチショット、50ヤード前後の打ち方とは

最終更新日:2018/01/21

ドライバーやアイアンショットよりミスが多いのが、アプローチショットです。

グリーン周辺からカップを狙って打つ50ヤード前後のアプローチショットは、フルスイングとは違い距離感を掴むのが非常に難しく、飛ばさない気持ちが先行しグリップが緩んでしまがちです。

しかしこの距離のミスを減らすだけでスコアは確実に4~5打伸ばすことができます。
ミスを少しでも減らすための打ち方やコツを紹介します。

アプローチの構え方の基本

アプローチで多いミスとは、ダフリとトップです。

ダフるとグリーンまで届きませんし、トップしてしまうとグリーンを大きく越えてしまい、更に難しいライのアプローチになってしまったりします。

そのようなミスを少しでも減らすために、まずは基本的な構え方を身につけましょう。

グリップはいつもより若干短く持つようにします。
両手がグリップの真ん中くらいにくる程度が基本となります。
もちろん体格や状況によって多少変える必要はあります。

そしてボールはスタンスの中央に置きます。
雑誌等に右寄りや左寄りなど書かれていますが、それは球種を打ち分ける場合です。
あくまでも基本は中央にセットすると覚えておきましょう。

スタンス幅は狭く取るようにします。
アプローチでは体重移動は不必要なので、余計な体重移動をしないためです。
特に50ヤードくらいの距離になると、距離感が分からずついつい体重移動をしてしまうゴルファーがいます。
この体重移動がミスショットの大きな原因ともなるので気をつけましょう。

構え方の基本を理解したら、次は打ち方を身につけていきましょう。

アプローチの打ち方の基本

アプローチの打ち方では、意識して欲しいポイントがあります。

正しい構え方も大切ですが、打つ時に意識しないと崩れてしまうので気をつけましょう。
まずは重心を保つことを意識してください。
足の裏の感覚を意識し、重心が左右に動かないようにします。

アプローチのミスで多いのが、ショットの際に膝が動いてしまうことです。
次に頭の高さをフィニッシュまで変えないように意識してください。

普通のショットと別物と考えると意識しやすいのですが、ついついフィニッシュで伸び上がる動きをしてしまうので気をつけましょう。

アドレスではハンドファーファーストの形にするのが基本なのですが、これをスイング中に変えないことも大事です。
フィニッシュで手首の角度が変わるようなスイングでは距離感が合いにくくなります。
特に50ヤードくらいの距離になると普通のショットと同じようになってしまうので気をつけましょう。

そしてアプローチで一番のタブーであり、ありがちなミスなのが、グリップが緩んでしまうことです。
短い距離=軽くと言うイメージがありますが、グリップを握る力は変えないでください。

また緩むだけでなくインパクトで力を加えてしまう場合もありますが、テークバックからインパクト、フィニッシュまで同じ力加減にするよう意識するのが大切です。

メンタルが影響する50ヤード前後のアプローチショット

アプローチショットの中でも50ヤードの打ち方が一番難しいと言われています。

50ヤードのアプローチでは、距離感が分かりづらかったり、短いアプローチのように構えれば良いのか、普通のショットのように構えれば良いのか分からなかったり、ダフりやトップのミスが多発するゴルファーが多いのです。

それは50ヤードはフルショットと違い、コントロールショットになるからでしょう。
フルショットで50ヤード飛ばすクラブは基本的にありませんからね。
このようなコントロールショットで重要なのは、距離と方向性なのは間違いありません。
またグリーンにそこまで近づけているので、絶対に乗せたいと言うメンタル的な部分も影響します。
ピンに寄せることを考えてしまうと、自分を追い込んでしまうので、50ヤードくらい距離がある場合は、敢えてグリーンセンターを狙うくらいの気持ちで挑んでください。
10ヤードも満たない程度であればピンを狙うのも良いかもしれませんが、50ヤードくらいの場合は、グリーンに乗せることを最優先にしましょう。

またこの距離でありがちなのが、ピンが気になりヘッドアップしてしまうことです。
この距離だからこそ、ボールに当たるまで絶対に顔を上げないように強く意識しましょう。

50ヤード前後のアプローチのミスの原因

50ヤード前後のアプローチの打ち方を身につけるには、そのミスの原因を知っておく必要があります。

①手打ちになっていること(腰を使わない)
②インパクトで緩んでしまうこと
③テークバックよりもフォローが小さいこと
④テークバックでインサイドに上げていること
⑤素振りでしっかりとイメージができていないこと

これら5つが主な原因です。

①についてはアプローチでは体重移動が厳禁となっているので、腰の回転を使わず手打ちとなってしまいます。
「腰で送る」感じを出すように意識するようにしましょう。

②は先に説明してきた通りです。

③については、フォローは打ちたい方向へ出すことが鉄則です。
フォローが小さいと方向性が出しづらくなるので、フォローは打ちたい方向へ大きく出すことを意識しましょう。

④ではインサイドに上げてしまうと、スイング軌道はテークバックで通った所をダウンスイングでも通りやすくなるのでシャンクが出やすくなります。
手首の角度を変えずに、ヘッドをすくい上げるようにアウトに上げるように意識しましょう。

⑤はアプローチに限らず言えるのですが、しっかりとしたイメージを持って打たないと中途半端なスイングになってしまったり、スイング途中で力量を変えてしまったりするので気をつけましょう。

50ヤード前後のアプローチの打ち方の種類とは

50ヤード前後のアプローチには大きく分けて3つの球種があります。

同じ50ヤード前後でもピンまでの距離や状況によって打ち方を変えることで、スコアを縮めることができるので、しっかりとマスターしておきましょう。

・ピッチショット
バンカーやマウンドを越えたい状況で、ボールを上げ、少しだけ転がすショットです。
ボールは真ん中に置き、重心も真ん中、フェースの向きは時計でいう1~2時にやや開きます。

・ピッチエンドラン
このアプローチが基本となり、この打ち方をしているゴルファーが多いです。
ボールを上げる距離と転がす距離が5:5くらいになるショットです。
ボールは真ん中に置き、重心も真ん中、フェースの向きはターゲットに直角にします。

・ランニングアプローチ
ボールをほとんど上げずに大きく転がすアプローチです。
上りのライでピンまで距離がある時に距離感を出しやすく寄せやすいです。
ボールは1個分くらい右に置き、重心はやや左へ、フェースの向きはターゲットに直角にします。

どのショットでもPW・AW・SWを状況に応じて使い分けるのですが、ランニングアプローチは転がしたいアプローチなのでSWよりPWやAWのほうが打ちやすいです。

構え方と打ち方が分かったら練習あるのみ

構え方と打ち方が分かったからと言って、すぐにアプローチの名手になれるわけではありません。

それらが分かったら、方向と距離を上手く出せるように徹底的に練習する必要があります。

スコアアップで重要なのは、パターとアプローチだと言われています。
この2つはドライバーやアイアンショット以上にとにかく練習あるのみです。

50ヤード前後の距離感を身につけるには、まずは自分の基準の距離を持つことです。
ハーフスイングでの距離を基準とし、そこから振り幅を小さくしたり大きくしたりして距離感を出していきます。

自分の基準の距離を知るのも、振り幅を調整して距離感を出していくのも練習を重ねていくことが大切です。

また練習を重ね、距離感に自信がつくことで、実際のラウンドでの50ヤード前後になった時にしっかりとしたイメージを持つことができますし、悩むことなくしっかりと振り切ることができます。
構え方や打ち方を熟知する以上に、この自信がアプローチには一番必要なのです。

ドライバーよりもアイアンよりもアプローチを

練習場へ行くと我武者羅にドライバーの練習をしているゴルファーを見かけることがあります。

アプローチの練習にお金を掛けるのを勿体無く感じる人もいるでしょう。

しかしドライバーは1ラウンドで多くて14回しか使いません。
対して、パターはすべて2パットに収めても36回も使います。

つまりスコアアップに最も重要なのはパターとアプローチです。

アプローチは、ミスを減らすための基本の構え方と打ち方を反復練習して安定させることが一番です。
練習場でアプローチの形をしっかりと身につけ、実際のラウンドで落ち着いてアプローチに臨めるようにしておきましょう。