ライ角がアップライトなドライバーはフックそれともスライス

最終更新日:2018/01/04

スライスやフックの球筋に悩んでいる時は、スイングに原因があると思うのが普通ですが、実はライ角が合っていないだけなことが多いようです。

特にアップライトな構えでフラットなライ角のドライバーを使うとスライスボールになりますが、そこでスイングを修正してしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。

今回はそんなアドレスとスイングとライ角の関係についてお話しします。

ドライバーのアップライトはライ角とスイングの2種類がある

ドライバーを選ぶ時、1にヘッドの性能、2にロフト角、3にシャフトのマッチングと、ゴルファーによって順番の違いはあっても、この3大要素が基準になるでしょう。

ドライバーには相性というのがあって、グリップを握った時に不安感のないものが良いとされています。
逆に握ったときに違和感があるもの、具体的には「フックしそうな気がする」とか、「ボールが上がらないような気がする」と思っただけで、実際のスイングでは余計な力が加わる可能性があるので避けたほうが良いと言われています。

ただ「……気がする」には根拠はなく、単に相性が合っていないドライバーとしているだけです。
いわゆる「食わず嫌い」みたいなもので、実際にボールを打つと安定した球筋が出て、思い切って振り切ることができる場合があります。

振り切れる要因はいくつかありますが、その中でドライバーを選ぶ時にあまり気にすることがない「ライ角」があります。
シャフトが立っているものはアップライト、寝ているものがフラットなライ角と言います。

ドライバーのライ角はアップライトとフラットどっちが良い?

ドライバーのライ角は、アップライトが良いのかフラットが良いのかはゴルファーによって違います。

ライ角はゴルフクラブのヘッドをソールした時、シャフトと床にできる角度のことを言います。
ライ角が大きいとシャフトは立っているので「アップライトな構え」、逆に小さいとシャフトは寝るので「フラットな構え」となります。

同じ長さのドライバーでライ角が大きいとグリップの位置は高くなり、小さいとグリップの位置は低くなります。
一般的には身長の高いゴルファーはアップライト、低いゴルファーはフラットなライ角を選ぶと、正しい姿勢でアドレスすることができます。

一方でスイングプレーンが縦振りのゴルファーは、シャフトを立ててスイングをするのでアップライト、横振りのゴルファーはスイングプレーンの傾きが緩いのでフラットのほうが振りやすくなります。

グリップの位置とスイングプレーンの傾きを考えた時、ライ角とシャフトの長さはドライバーを選ぶ上で重要な要素になります。

ライ角がアップライトなドライバーのメリット・デメリット

アップライトやフラットという言葉には、ライ角によるシャフトの傾きを表す時に使われていますが、同時にスイングそのものにも使われています。

「ドライバーがアップライト」と言えばライ角の大きなクラブのことですし、「ドライバーのスイングがアップライト」と言えば縦振りのスイングのことです。
2つは近い関係にあり、ライ角が大きいからシャフトを立てて構えることになり、スイングが縦振りになると考えられます。

そこでライ角が大きいアップライトなドライバーで、横振りのスイングをするとトゥ(ヘッドの先端)が立って、ヒールだけが地面につく「ダフったショット」になりやすくなります。
仮にヒールがダフった状態でインパクトすると、トゥの返りが早くなりフックボールを打つことになります。

一方でライ角が小さいフラットなドライバーで、縦振りのスイングをするとトゥが接地するスイングになります。
この状態でインパクトすると、トゥが抵抗を受けたことでヒールが先行して、フェースが開いてスライスボールを打つことになります。

ドライバーのライ角がアップライトだとスライスとフック?

一般的にドライバーのスイングがアップライトの時はスライス、フラットの時にはフックすると言われています。

このような球筋が出るのはゴルフの技量とスイングの関係とも言えます。

そもそもスライスが出るのは、インパクトの時にフェースが開いているからです。
スイングプレーンの角度が悪く、ヘッドがアウトサイドからインサイドに向けて斜めに動いているために、インパクトでボールをこすっているわけです。

もしくは、インパクトゾーンでコックがほどくタイミングが遅れたためにヘッドも遅くれてしまい、重心は左サイドに移動して左サイドが開いてしまうことで、インパクトではボールに横回転を与えてしまうことも原因となっています。

このようなゴルフを始めて間もないゴルファーに多い「アウトサイドイン」のスイングは、素振りや練習場での打ち込みだけでは直りません。
アップライトのスイングからフラットなスイングのイメージに変えるスイング改造が必要になります。

ただしボールをミートするだけでも大変なのに、スイングを変えるのはものすごく大変なことです。
そこでアップライトのスイングの時には、スイング改造をせずにアップライトなライ角のドライバーを選ぶと良いわけです。

ドライバーがアップライトなライ角の時のスイングプレーン

ドライバーのライ角がスイングプレーンに合っていれば、そのスライスやフックを防ぐことができるばかりか、伸びのあるストレートボールを打つことができます。

ライ角がアップライトなドライバーの場合は、シャフトが立っているので、アドレスの時ボールと身体の距離は近くなります。
ボールが身体に近くなるとスイングは縦振りになりやすく、一般的にボールを捕まえることができるため、シャフトの傾斜を活かしたスイングができることになります。

ただしボールの捕まりが良いということはフックの可能性に繋がりますし、一方でスイングプレーンがアウトサイドインの軌道を描くために、インパクトでボールを擦りやすくなり、スライスボールを打つかもしれません。

そこでアップライトなライ角に合ったシャフトの傾きを保って、アップライトなスイングをイメージします。
そうすればトゥやヒールが沈むことなく、インパクトゾーンでのフェースはスクエアに入り、伸びのあるストレートボールが打てるはずです。

ドライバーのライ角がアップライトの時の球筋とは?

ドライバーをアップライトに構えると、フェースが左に返しやすくなるので、フックボールを注意しなければなりません。

ただしライ角がフラットなドライバーをアップライトに構えると、トゥ側が沈むために返しが遅れてスライスボールになる可能性も高くなります。

普段のスイングでスライスボールが多発するようであれば、スイングを変えずにライ角調整をしただけで、ストレートボールを打つ確率を高められるようになります。

ちなみに7割のゴルファーがスライスボールの悩みを抱えていると言われていて、その多くはスイングの不備を原因と考えているようですが、実際にはライ角を調整すれば解決することができます。

そのためにはアイアンのスイングでドライバーショットができるように、アイアンのライ角と同じ感覚で構えることができるように調整することが大切です。

ドライバーだけは特別ということはありません。
単にキャディバッグに入っている14本のうちの1本ですから、すべてのクラブで同じスイングができるように合わせれば、楽にドライバーのスイングができるはずです。

ドライバーのライ角はアップライトとフラットのどっちが良いか

ドライバーを構えた時、アップライトが良いのか、それともフラットが良いかは人それぞれです。

ただ自分の構えに合ったライ角にしないと、クラブとスイングがアンバランスになり、意図しない球筋に悩むことになります。

そうならないためには、すべてのライ角を調整して、いつも同じ姿勢でスイングができるようにしましょう。