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タイトリストが造る優しいアスリートモデルAP2の710

2017.11.30

以前は上級者限定のアスリートブランドとして孤高の存在であったタイトリスト。
しかし時代の要請か2008年に中級者も扱えるAP2を発売しました。

特徴的なデュアルキャビティ構造で打ち手の間口を広げたことで大ヒット作になり、2017年時点で6代目の718まで発売される人気モデルになりました。

プロも使う優しいアスリートモデルとの宣伝文句ですが、果たしてアマチュアにとってはどうでしょうか?

今回は2009年末に発売された2代目の710を取り上げて検証してみましょう。

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タイトリストAP2の710モデルの特徴

タイトリストのAP2の710モデルは、基本的に初代を踏襲しデュアルキャビティ構造を採用しています。

デュアルキャビティ構造とは打点の裏側にセントラルサポートバーという棚状の肉厚部分を設け、その上下が凹んだキャビティ部分になっています。
これによりセンターヒット時にはマッスルバックのような打感と操作性を確保しつつ、ミスヒットへの寛容性を持った構造になっています。
さらにキャビティ上半分にはチューンドフィールシステムと呼ばれる樹脂素材を配置し、オフセンターヒット時の振動を軽減し打感を向上させています。

特にタイトリストと言えば、マッスルバックアイアンの打感の素晴らしさも有名ですが、AP2もその打感へのこだわりが伺え、それがセントラルサポートバーや樹脂素材を取り入れている所に現れています。

そして下半分のキャビティには低重心化のためにタングステンニッケルウェイトを内蔵したボックスを取り付け、低重心+中空構造でボールを上げやすくしています。

総合的に見てタイトリストの打感と操作性を残しつつ、ボールを上げやすくミスヒットへの優しさもタイトリストなりに取り入たクラブと言えるでしょう。

タイトリストAP2 710の位置づけ

タイトリストのラインアップの中でAP2 710はどんなポシションのモデルなのでしょうか。

AP2の兄弟モデルにはAP1というクラブがあります。

このAP1はグースも強めでシャープさより優しさを優先した形状をしており、タイトリストのエントリーモデルになっています。
一方でAP2はコンパクトでシャープな外観、そして何よりツアープロの使用者がいることからも分かる通り中級者以上をターゲットとしているクラブです。
さらには軟鉄鍛造であることや打感についてもメーカーが積極的にアピールしており、こだわりのあるゴルファー向けとも言えそうです。

タイトリストのラインナップの中でポジションが被りそうなのがCBですが、構えてみるとそのターゲットの違いがすぐに分かります。

CBはネックのグースもほんのわずかでトップブレードも薄いので、そのシビアさがはっきりと伝わってきます。
そんなCBを構えてからAP2に目を戻してみると安心感が大分ありますから、CBよりは優しいというのがAP2のポジションでしょう。

これからステップアップしてCBやいつかはMBにチャレンジしたい中級者、あるいは上位モデルを使うことはできるが気楽にプレーしたい上級者向けなのがAP2のポジションのようです。

710と前作との違いは?

次に今回のタイトリストAP2 710と前作の初代AP2との違いを見てみましょう。

一番特徴的なデュアルキャビティ構造は初代から継承されており、大きな違いはありません。

構造の違いではソフトエラストマークッションという、バックフェースに取り付けられているインパクト時の衝撃を吸収する樹脂が大型化しています。

初代ではキャビティの中央部に棒状で取り付けられていましたが、710ではキャビティの上半分にプレート形状で取り付けられ、面積が大型化しています。
これにより衝撃を吸収してくれるエリアが増えた事が分かります。

そして全体の形状的には大きな変化は無いに思われます。
むしろ初代のシャープで機能美さえあるアスリートモデルらしい形はしっかり受け継がれており、この点は安心して良いでしょう。

外観においては日本仕様では全番手にフェースにミーリングが施され操作性を高める工夫がされており、見た目でも初代と違いがはっきり分かる部分になっています。
またロフトについては5番で27度から26度へ、PWで47度から46度へと全番手で1度ずつですがストロングロフト化しています。
わずか1度ですが前後のセッティングをシビアに考える方にとっては気になるところでしょう。

タイトリストAP2の710を打ってみたら

それではタイトリストの優しいアスリートモデルとされるAP2の710を実際に打ってみましょう。

まず構えてみるとコンパクトなヘッドとシャープなデザインで、確かにアスリート向けというのが分かります。
わずかにグースがありますが大変綺麗で構えやすい形をしています。

打ってみると、MBやCBに比べてスイートスポットが明らかに広いのが分かります。
タイトリストということで少しハードさをイメージしていましたが、上位クラブと比べるとかなり楽に打てます。
後で触れる打感の良さもあって練習が楽しくなるクラブです。

飛距離に関してはそれを求めるクラブではありませんので素直な飛びです。
ダウンブローに打ち込めばスピンが適度に掛かりますので、ばらつきが少なく安定して狙った距離を打てます。

弾道は意外にも高いのですが抑えて打てる操作性もありますし、左右への打ち分けもアマチュアが求める範囲では十分可能です。
言い換えれば振った通りの弾道になりますので、やはりある程度スイングが安定し操作もしていきたい中上級者向けのクラブです。

ただミスはミスとして教えてくれるクラブとも言えますので、初心者用を卒業したい練習熱心な方はトライしてみても良いのではないでしょうか。

タイトリストがこだわる打感。AP2の710は?

さて先にも述べた通りマッスルバックのMBに代表される素晴らしい打感は、タイトリストの代名詞の1つとなっていました。
さらにはキャビティバックモデルであるCBも伝統的にラインナップされているモデルですが、こちらもキャビティバックとは思えない打感の良さが評判のクラブです。

いずれも打感が優れたクラブを作るのに適した軟鉄鍛造、フォージドと呼ばれる素材と製法をしています。

今回取り上げているAP2 710もフォージドではありますが、タングステンニッケルボックスとエラストマー樹脂を加えた複合素材のヘッドです。
いくらフォージドでも複合素材のヘッドは打感がイマイチな場合もあり、正直打感にはそれほど期待していませんでした。

しかし実際に打ってみると良い意味で予想を裏切られました。
ボールの潰れ感もしっかり感じることができ、他社の単一素材のフォージド並みの打感の良さが十分に感じられます。

中空構造のせいかMBやCBのような分厚い感触がもう一歩にも感じますが、複合素材でここまでの打感が出せるのは、さすがタイトリストと言うほかありません。

ただ残念ながらこの打感を味わうにはしっかり芯でボールを捉える練習が必要です。
そこまで優しくしていないのもタイトリストらしいと言えるかもしれませんね。

タイトリストAP2 710以降のシリーズモデル

最後にタイトリストのAP2シリーズの710以降のモデルを大まかに見て見ましょう。

712では打ち込んだ時の抜けの良さを狙ってショートアイアンのソール幅が狭くなりました。
また710ではキャビティ下半分を覆うタングステンボックス全体がウェイトになっていましたが、712ではボックス内でウェイトをトゥとヒールに分けて配置し、これにより慣性モーメントが向上されミスヒットにさらに強くなっています。

次の714ではリーディングエッジとトレーディングエッジに削りが入り、さらに抜けを良くする工夫が施されています。
また6番以降は1度立ってさらにストロングロフトとし、飛距離アップの時代の流れを取り入れています。

その次の716ではタイトリストにしては思い切ったデザイン変更をしました。
モデルチェンジごとに大きくデザインを変えるクラブメーカーもありますが、AP2はそれほど変化をさせてこなかったので新鮮ですね。

そして2017年の最新モデル、718では3番から6番にSUP-10と呼ばれる新素材を採用し、軽量化によるボール初速アップと低重心化の改良を加えています。

目を引くような大胆なモデルチェンジをしてこなかったのも、本物志向のタイトリストらしさですが、細かなところではアスリートへのバックアップの努力は注がれてきたのが分かります。

AP2 710はしっかりタイトリストらしさを味わえます

今回じっくりタイトリストのAP2 710を見てみましたが、そのアスリートライクな雰囲気や打感、操作性など、タイトリストらしさが十分味わえるクラブであることが分かりました。
しかも何とか90を切れるようなレベルであれば十分にチャレンジできます。

MBやCBもタイトリストらしいクラブですが、アマチュアが一番タイトリストらしさを味わえるクラブ、それがAP2ではないでしょうか。

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