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宮里藍選手の独特なスイングスタイルを振り返って解説

2017.10.5

宮里藍のゆったりしたスイングに憧れ、多くの後輩たちが真似をしようと取り入れますが、本人は年々進化させて新たなスイングへと変貌していきました。

そこでベースとなるティーチィングプロの父親の指導法を参考に、本人のスイングについて解説していきます。

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宮里藍にスイング指導した父親のゴルフ暦とプロ暦を解説

2018年でプロゴルファーを引退と宣言した宮里藍ですが、小柄な女子選手が世界で戦えたのには独特なスイング理論があり、その大半は父親から伝授されたものと言われています。
その独特なスイングを振り返りながら、宮里藍と父親の関係についても考えていきましょう。

まずはスイング解説の前に宮里藍がプロになるまでの軌跡を確認します。

宮里藍の父親は公務員、小さな町の教育委員会に勤めていたそうです。
温厚な性格もあってか周囲からの人望も厚く、あるとき町長選挙に担がれて立候補しますがあえなく落選、わずか2000人にも満たない町では「町を割った男」となり、選挙後の再就職もかなわなかったそうです。

どうしようもなく始めたのがティーチングプロだったわけですが、すでに40歳を越えていたので「自称プロ」ということになります。
折からの沖縄振興とゴルフブームもあって、なんとか指導で食いつなぎますが、元々ゴルフが上手いわけではありません。

ただ自分が教えた長男・次男は目覚しい活躍をしたことで、宮里プロの名前は有名になっていきます。

そんな中3人目で長女の藍ちゃんが出現したわけです。

宮里藍のベースにある宮里家のスイングを解説

宮里藍のスイングの基本である父親の教えから解説していきます。
でも実際に教えていたのは長男・次男とも言われていて、この3兄妹の結びつきは非常に強いと思われます。

ここで気になるのは宮里藍と兄たちとのスイングの違いです。
全員、父親の教えを受けていたのですから同じようなスイングをするはずですが、今ではまったくと言っていいほど違うスイングになっています。

ただ米国参戦前のスイングを見ると、次男の優作プロとほぼ同じスイングだったことから、宮里藍は米国仕様にスイングを変更したことが分かります。

現在のスイングは、かなりゆったりした動きの中で細部の動きに注意深く、1つのミスもないようなスイングを心がけているように見えます。
そこに宮里藍の生真面目さが出ているのかもしれません。

実際のスイングを確認すると、まず気になるのはグリップです。

宮里藍の身長は155センチ、それなのにドライバーは46,25インチと長尺を使っています。長尺ドライバーの目的はたったひとつ、飛距離アップにあります。
プロの場合には1インチで8ヤード違うとも言われていますから、宮里藍の適正クラブで考えると15ヤード前後は違うことになります。

ところがグリップエンドを余して握っています。
折角長いクラブを使っているのに、短く持っては意味がありませんよね。

この理由に父親がグリップを短く持つことを推奨していて、長く持つと小指に力が入ってコックがほどけてしまうと考えているようです。

確かに小柄な宮里藍にとっては、上手なコックの使い方は飛距離に直結する重要な問題でもあり、ここに宮里家の教えがあるのかもしれませんね。

宮里藍の身体を回すスイングについての解説

次にスイングで気になるポイント、左肩を回すいわゆる捻転について解説します。

スイングするときに「左肩を回して」とか「十分に捻転して」とアドバイスを受けることがあったと思いますが、左肩を回しても飛距離自体が伸びることはなく、もちろん方向性が安定することもありません。

そもそもゴルフスイングにダウンブローという言葉があるように、上から振り下ろすことがダウンスイングと思われがちですが、それであれば腕を振り上げただけでスイングができることになります。
薪割りで肩を回すことがないように、真っ直ぐ振り下ろすだけなら腕の動きだけで十分です。

肩を回すと言うことは横に振るということです。
クラブヘッドを背中側から身体の前方に振ることで「スイング」になります。
このイメージを明確に体で表しているのが宮里藍のスイングなのです。

基本的にテークバックでは右足を軸にして左肩を大きく回します。
ダウンスイングでは左足を軸にして右肩を大きく回しながらクラブを振ります。

常識で考えれば空振りするはずですが、実際には右肘をたたむことで、男性並みに飛距離を得られるスイングとなっています。

宮里藍の独特なノーコックのスイングスタイルを解説

宮里藍の右肘をたたむスイングは、多くのゴルファーが実践しているスタイルで、特に身体の小さなゴルファーにとっては飛距離が期待できるスイングです。
ただしミスショットに繋がりやすいので、インパクトのタイミングと身体の上下運動を抑える必要があり、難しいスイングとも言えます。
テークバックのときに右足を軸にして左サイドを外転させると、大きなスイングがイメージできます。

そこで宮里藍流とも言えるスイング法を解説します。

ゆったりしたテークバックのスピードの意味は、コックとヒンジがダウンスイングを想定して形成させようとしているからです。
通常のテークバックはヘッドを引いて、次にグリップが動き、そして腕・肩と動きます。つまりヘッドを動かすためには、わずかに手首を動かすわけですが、このときコックの形成に繋がることになります。

コックとは左手を真っ直ぐ前に突き出して親指を立てたときの直角の角度を言います。
通常は徐々に作られていき、トップの位置で「コックが固まる」ことになりますが、宮里藍のテークバックは時計の針が3時を指す位置、つまり左腕が地面と平行になってもノーコックの状態にしています。
この独特なテークバック法が宮里藍らしいスタイルとも言えます。

宮里藍がこだわる「三角形を維持する」スイングを解説

宮里藍のゆったりしたテークバックには、もうひとつ独特なスタイルを解説します。

頭の位置を動かさないで、両肩とグリップでできた三角形を崩さずにテークバックをしています。
文字で書くと普通の動きのような気がしますが、実際に右肘を折らずにクラブを引くことはかなり厳しい姿勢を続けることになります。

頭の位置を動かすか顔の向きを右側に向ければ、その姿勢を維持することはできますが、頭の位置を動かさずにボールを見ることはできないと思います。

この三角形を維持するテークバックをすれば、一般ゴルファーでも左肩甲骨を最大限に左に移動させることができます。

子供の頃からこのスイングを行っていた宮里藍は、肩甲骨の可動域が広く、身体の中心部を包み込むように肩を回すことができます。
しかも右足に軸を移動させていることから、さらに捻転することができるわけです。

ただし実際のグリップの動きはコンパクトで、トップの位置までの軌跡は「小さなスイング」となっているのが宮里藍の特徴と言えます。

宮里藍のスイング解説!重要なのはヘッドスピードの加速

スイングの中でもっとも気になるのがインパクトの態勢です。

宮里藍が「普通の選手」と違うスイングをしている、インパクトからフォロースルーまでを解説します。

ダウンスイングに入るときも頭の位置は動きません。
この位置はインパクトからフォロースルーまで同じ位置になるよう姿勢を保っています。右肘を折った状態でインパクトゾーンに入るため、左足を軸にして右サイド(右腰)を外転させたようにクラブを振ります。
右肘が身体の側面についているわけですから、身体は「く」の字になり右肩が下がります。

このまま右腰を回していきますが、頭はそのままの位置にあるので「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」、いわゆるビハインドボールが宮里藍の飛距離アップの源になっているのが分かります。

ビハインドボールとは、インパクトのときに頭の位置をボールよりも後方に残しておくスイングスタイルで、小柄な選手でも飛距離アップに繋がります。
男子プロでは丸山プロがこのビハインドボールでスイングしていますし、あのタイガーウッズも世界NO.1の頃はこのスイングスタイルでした。

ちなみに宮里藍のスイングで他のゴルファーともっとも違うところは、インパクトからフォローまでのヘッドスピードです。
宮里藍のスイングは、インパクトよりもフォロースルーのほうがヘッドスピードは速く、加速するスイングが他者ともっとも違うところかもしれませんね。

宮里藍は父が解説するスイングに絶大な信頼を置く理由とは

米国ツアーで悩める松山英樹選手に、宮里藍の父親がパッティングのアドバイスをしたところ、劇的に改善したそうです。

中指主体のグリップを人差し指にしただけだそうですが、一流選手へのアドバイスと言うのは「わずかな違い」を指摘し解説する能力が必要なようです。

そんな父親のDNAを受け継いだ宮里藍が、東京五輪の監督にという声も出ているそうなので、ゴルフファンには新たな楽しみができるかもしれませんね。

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